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愛を読む人 全ての人に教育を

”みんなのギャラリー”で私のイラストをご使用下さった方紹介を致します。

いつも、ありがとうございます。出会いに感謝します。今回のイラストは”親子の豚”です。

皆様、教育や子育てにたずさわっておられる方々。素敵な記事を書いておられるので、たくさんの方々にお届け出来たら、嬉しいなと思います。


保育園の園長さんでありながら、4人ものお子様を育てられている”べぇ”様。

不登校の居場所を提供しようと、”氣づきのがっこう”初代校長先生をされている。流しの国語教師こと”てらっち”様。

3人の子育てをしながら、ことわざと日々の日常を生き生きと書かれている”みかんママ”

この場をお借りしまして、記事の掲載させて頂きましたこと、お礼申し上げます。これから益々のご活躍を応援しております。


さて、教育”や”子育て”という、今回のテーマで御紹介したいのは、『愛を読む人』2008年アメリカドイツ合作映画。『リトルダンサー』『めぐりあう時間たち』のスティーブン ダルトリー監督。ベルンハルト シュリング原作『朗読人』1995年出版。

非識字者がたどった悲しい物語。

ネタバレ注意。

舞台は1958年ドイツ。15歳の少年が21歳年上の女性と生涯忘れられない官能的で魅惑的なひと夏を過ごす。彼女は少年に本を朗読してもらうのが大好きだった。2人は少年が本を朗読し、愛し合うことを繰り返す。

だが突然姿を消した彼女と再会するのは、彼が法科の大学生の時、1966年裁判所。1922年生まれの彼女は1944年ナチの元、看守をしており、その時起こった300人もの死者を出した火事の責任を問われるものだった。彼女は罪を認め、殺人罪無期懲役を言い渡される…

だが彼は気付く。あの夏の彼女の行動を思い起こせば、彼女が字を読むことも書くことも出来ない非識字者であることに…

彼女が非識字であることを公にすれば刑が違ったものになるにもかかわらず…なのに彼女は非識字を恥と思う心から罰を取る。

昔、この映画を観た時は、彼女が罪を被ってまでも、非識字を隠し通しす頑固さや、誇り高さが切なくて印象深かった。

noteのために再度、映画を鑑賞してみた。すると少年の未熟さが切なかった。大人になって再会しても彼女にkidと呼ばれる少年。そもそも親子程歳が違う。そして彼の不器用だけれど、変わらぬ愛にも驚いた。

彼女を尊重した事とは言え、真実を明るみに出せば減刑なのに、法の道にいるのにも関わらず口をつぐんだ彼。無期の判決が降った彼女に逢いに行けない彼の臆病さに弱さを感じた。ナチと後ろ指指される彼女と自分との関係を問われのが怖かったからか?彼女の嘘を嘘と証言出来ない自分の弱さを認めたからか?

せめてもと刑務所の彼女の為に、朗読テープを送り続ける彼。それを嬉しそうに聞く彼女の関係が何年も続いた後、1988年出所を前に再会する彼のぎこちなさ。年老いた彼女66歳と立派な大人になった彼45歳。彼女は昔のように彼に手を差し出すが、そっけない彼…複雑な彼の心情も分からなくはないが…彼女としては、期待はずれの再会だっただろうと思う。

昔も今も、彼女は自立した女性であり、人てしての誇りがある。そして自分の立場をわきまえているからこそ、黙って彼の元から去っていく。今度は字が読めるようになって。手紙を残して。

私の主観バリバリの感想だが、微妙なニュアンスは人によって受け取り方が違うと思われる。やはり映画を観て、自分の感覚でお楽しみあれ!


ちなみに、1950年代の世界の識字率は、44%。15歳以上の人口16億人の内、7億人だったそうだ。

日本は江戸時代に寺小屋があり庶民にまで、読み書き算盤を習う文化があったため、明治末期で男子50から60%。女子30%の識字率。1905年の日露戦争時には数%を残すのみの非識字率だった模様。

私たちには当たり前に出来る、字を書き、文字を読むことが、出来ない人が沢山いる世界。SDGSでも、”質の高い教育をみんなに”という項目に挙げられている。文字が読めないばかりに、危険地帯に足を踏み入れたり、誤薬したり、就職出来ずに、貧困の負のループにと非識字弱者には不自由がつきまとう。

教育の必要性がヒシと感じられた。

以下はユネスコ資料館。御参照に…

2020年のユネスコの調査によると、2004年~20018年における世界の識字率(15歳以上)は以下の通りだ(※1)。なお、日本や複数の国における識字率は現在調査されていない。
識字率 国名
90%以上 インドネシア、オマーン、パナマ、メキシコ、サウジアラビア、レバノン、ベトナム、マレーシア、マルタ、スリナム、ペルー、パラグアイ、タイ、ドミニカ共和国、カタール、アラブ首長国連邦、ブラジル、エクアドル、ボリビア、プエルトリコ、スリランカ

80〜89% エルサルバドル、ジャマイカ、バヌアツ、ホンジュラス、イラク、ガイアナ、イラン、ガボン、ラオスニカラグア、ケニア、アルジェリア、グアテマラ、シリア、カンボジア、コンゴ共和国
70〜79% ガーナ、チュニジア、タンザニア、カメルーン、コンゴ民主共和国、エリトリア、ソロモン諸島、レソト、ウガンダ、ミャンマー、マダガスカル、インド、バングラデシュ、モロッコ、ルワンダ、エジプト

60~69% ブルンジ、東ティモール、ネパール、ブータン、アンゴ、トーゴ、マラウイ、ナイジェリア、ハイチ、パプアニューギニア、スーダン、モザンビーク

50~59% パキスタン、コモロ、モーリタニア、セネガル、エチオピア、ガンビア

40~49% リベリア、コートジボワール、ギニアビサウ、シエラレオネ、アフガニスタン、ベナン、ブルキナファソ

30~39% 中央アフリカ、マリ、南スーダン、ギニア、ニジェール
30%以下 チャド

開発途上国の識字率が低い傾向に

世界の成人(15歳以上)の平均識字率は、1990年には76%であったのに対し(※2)、2016年には86%にまで伸びている(※3)。

また北アメリカやヨーロッパ、東アジアの地域では高い識字率がみられることがわかっている。日本の初等教育就学率は男女ともに100%であることから(※4)、識字率も世界水準の上位であることが予想できる。

しかし、教育が充実している先進国では識字率の数値が高い一方、教育の行き届いていない開発途上国では数値が低い傾向にある。

世界にはいまだに、文字の読み書きができない人が約7億7,300万人もいるとされており(※5)、とくにチャド、ニジェール、南スーダン、中央アフリカ、マリといったサハラ以南アフリカでは、依然として識字率は40%を下回っている。また、このような識字率の低い地域では、男性よりも女性の識字率が低い傾向にある。




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