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東大にトイレで合格⁉ 東大推薦入学のらむさんが教える選抜入試の中身と対策


みなさん、初めまして!
東京大学2年生のらむです。

私は東京大学に一般型ではなく推薦型で入学したのですが、まだ東大では推薦入試が始まってから年数があまり経っておらず、どんな内容なのかあまり知らない方も多いと思います。

そこで今回は私の経験をもとに、東大の推薦入試の内容や対策をお伝えしたいと思います!


東大の推薦入試ってどんなの?

東京大学では、2016年度から推薦入試(現・学校推薦型選抜)を開始しました。その狙いとして公式サイトにはこのように記載されています。

東京大学の学校推薦型選抜は,学部学生の多様性を促進し,それによって学部教育の更なる活性化を図ることに主眼を置いて実施します。実施に当たっては,日本の中等教育における先進的取組を積極的に評価し,高等学校等の生徒の潜在的多様性を掘り起こすという観点から,日本の高等学校等との連携を重視します。学校推薦型選抜に当たっては,本学の総合的な教育課程に適応しうる学力を有しつつ,本学で教育・研究が行われている特定の分野や活動に関する卓越した能力,若しくは極めて強い関心や学ぶ意欲を持つ志願者を求めます。東京大学は,学校推薦型選抜で入学した学生が,東京大学,ひいてはグローバル社会の活力の源として活躍することを期待しています。 

東京大学公式サイト https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_26_01.html より


東大の定員3000人中、推薦入試の割合は約100人程度と狭き門にはなりますが、推薦入試での入学によるメリットも多く存在します。

・入学時に学部が決まる

一般入試では文理それぞれ1~3類と計6つの類で入学し、2年の夏までの成績により3年以降の学部へ振り分けられます(進振り制度)。つまり入学時には学部が決定していません。 しかし、推薦入試は学部ごとに出願するため、入学後の学部が1年次から確定しており、3年での「進振り」は行われません。そのため、本来3年から始まる専門分野について1年生から学ぶことができます。

・早期履修制度

上記のように早くから専門性を持った学びを支えてくれるのが、この「早期履修制度」。駒場でのリベラルアーツを学びつつ、研究室やゼミなどに所属して自身の研究にそれを活かすことが可能です。また、早くから3, 4年生に混じって講義を受けるため先輩との交流も多く、様々な相談をすることもできます。

・アドバイザー教授の存在

推薦で入学した生徒にはアドバイザー教授と呼ばれる教授が1人ずつ付きます。アカデミックな相談や身近な疑問などについて気軽に相談できる環境はこの専任制ならではのものです。


私が推薦入試を受けようと思った経緯

私の過去について軽く触れると、幼少期から「トイレ」が大好きで、ずっとトイレに関する研究を行っていました。

旅行先のアメリカで無機質なトイレにホームシックを覚えたことから、日本の温水洗浄便座や音姫、フタの自動開閉などに日本の「おもてなし」の心を汲み取り、世界にこの良さを発信したいと感じました。

一方、小学6年生の時に親友からカミングアウトを受け、外出先のトイレに困る友人を目にして、安心当たり前の快適空間であるトイレをもっと多くの人に届けたいと決意しました。

そこで、16歳の時にジェンダー×トイレをテーマに日本代表高校生としてアメリカへ1年間研究留学を行い、現地のトイレ企業と協働でバリアフリーやジェンダー対応などの観点をもとに学校や図書館などの公共施設、観光地でのトイレ調査を行いました。

また、LGBTコミュニティーでは日本のトイレについての紹介、そして理想的なトイレ環境の実現についてディスカッションを行いました。

しかし、COVID19の急速な蔓延で緊急帰国を迫られ、現地での研究を途中で打ち切る形となったため、日本でも何かできることは無いかと考え、「トイレから社会課題を解決する」をテーマに団体を立ち上げました。

代表的な活動として、クラウドファンディングの資金をもとにトイレットペーパーと漫画を掛け合わせたプロダクトを全国の公共機関や教育の場に寄付しました。この活動が認められ、2021年度日本トイレ大賞に選出されました。

実際の研究ノートです

東大を目指したきっかけは、沢山の個性がきらめく環境に足を踏み入れたい、色んな専門分野の人と話して見聞を広めたい、東大のトイレ(当時は汚いことで有名)を誇れるものにしたい、という憧れでした。

目標を決めてからは、研究留学での1年分のブランクや自身の活動で時間的制約はあるものの、1日20時間勉強して何とか喰らいついていました。そんな中、唯一のホッと一息つける場所は、やっぱりトイレでした。

活動が表彰されると、ありがたいことに多くのメディアの方に取り上げていただき、高校3年生の夏はTVやラジオ収録、企業での講演会で埋まりました。学校の先生方がマネージャーのように学業と仕事のスケジュール管理に奔走してくださったのを今でも覚えています。

そんな時、学校の先生から東大推薦について紹介されました。即答でNOと答えたのを今でも覚えています。

こんなに忙しい中で勉強もしなければいけないのに、これ以上仕事量は増やせない、と感じていたからです。

また、私の活動は活動主体は1人にせよ、クラウドファンディングでの多くの人の支援やアドバイスをくださったサポーターの方々によって成り立ってきたものであり、その恩恵で得た功績を受験に使うのは違うのではないかと思っていました。

しかし、サポーターの1人から「あなたがこの活動を元に大学で学び、それを社会に還元してくれたらもっと嬉しい」と言われたことをきっかけに受験を決意しました。

推薦入試出願の締め切り数日前のことでした。


実際に取った推薦対策

推薦の1次審査は書類だったので、単色の志望理由にどうスパイスをまくか考えながら書きました。

推薦で最も重要なのは「他者との差別化」にあると考え、とにかくトイレの3文字を資料中に散らばせ、面白い!と思ってもらえるように「スイカの早食い3連覇」などの珍しい経歴も掲載しました。

いわゆる「オリンピック受賞」などの功績に頼らず、あくまで自分の活動や人として審査いただきたかったので、米国留学時代にとった数オリ優勝などは掲載しませんでした。

自分の活動を1,000文字程度でまとめ切るのは難しかったので、あえて含んだ言い方や興味をそそらせる「トイレ」というワードを武器に「隙はないけど、興味のそそられる袋とじのような女性」を目指して志願書を書きました。

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