英語と日本語の語彙力をいっきに身につける和訳トレーニング① “enjoy”
みなさんは自分の語彙力に自信がありますか?
イエスと答えられる人はどのくらいいるでしょうか。
今は活字離れによる語彙力の低下の危機があちこちで叫ばれ、書店では語彙力や言葉の使い方に関する本がズラリと並んでいます。上手く自分の考えや感情を表現できず、言葉につまっている人を見かけることも少なくないでしょう。
語彙力は自分から身につけようとしない限り成長しません。単語帳を使って英単語を覚えるのと同じように、日本語も日ごろから勉強する必要があるのです。
特に受験生は英文和訳や長文の要約問題のように、英語力だけでなく日本語力も要求されることがあるため、逃げるわけにはいきません。
そこでドラゴン桜noteマガジンでは、今回から「英語と日本語の語彙力をいっきに身につける和訳トレーニング」を不定期連載企画としてお届けしていきます!
毎回中学レベルの英単語を一つ取り上げ、その単語を使った例文の適切な訳し方を考えることで、ワンランク上の語彙力が身につくような内容になっています。
この企画を通じて、日本語と英語の力を同時に伸ばしていきましょう!
・“enjoy” =「楽しむ」ではない?
今回扱う単語は “enjoy” です。多くの人は「楽しむ」という意味で覚えているでしょう。
のような例文で勉強しますね。
ただ、毎回 “enjoy” =「楽しむ」と訳していると不自然な日本語になる場合がたくさんあります。
例えば英語圏のレストランなどで食事をする時に、店員の人から注文したものを提供されて
“Enjoy your meal.”
と声をかけられることがあります。
これ、どう日本語に訳したらいいでしょうか?
直訳すると「あなたの食事を楽しんでください」ですが、ちょっと変ですよね。意味は分かるものの、日本語では普通はそんな言い方しませんね。
この場合、「ごゆっくりどうぞ」と訳すのが一番自然ではないでしょうか。
文字だけで見ると“enjoy” =「楽しむ」の要素がどこにもありませんが、和訳の際には文脈や状況を考えながら、自然な日本語を選択する(意訳といいます)必要があるのです。
次は、もう少し高度な語彙力を求められる例文を見てみましょう。
これも「楽しんだ」だと、ちょっと変ですね。
では、○○の部分にはどんな言葉を入れたらいいでしょうか?
この場合なら「満喫(まんきつ)した」、あるいは「堪能(たんのう)した」という日本語が当てはまります。両方とも「心ゆくまで味わう」という意味です。
このような訳は、言葉をたくさん知っておかないと難しいですね。地道に語彙力を磨いていくしかありません。
・「恩恵を○○する」
さて、今度は “enjoy benefits” という表現の訳を考えてみましょう。
“benefit” は「恩恵・利益」という意味ですね。自分にとって良い結果や効果をもたらすものです。
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