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【 経営 / マネジメント 】損益分岐点を極限まで下げる

経営者や個人事業主だけでなく会社員でも事業を任されているトップマネジメントは必ず数字を扱う。その時に最も大切な考え方の一つが「損益分岐点」を極限まで下げる事業展開をすることだ。これだけで倒産する確率が格段に減る。何も考えず自分のやりたいことをやっているとリスクはどんどん増加していくだろう。

1 複雑な会計の知識よりも単純にお金の足し算引き算とそのポイントを押さえる

会計学の勉強ではなく経営で利益を出していく経営者、事業主にとっては現実現場で数字を単純に捉えることが大切だと思う。当然、財務会計知識に詳しく理論的にわかっているに越したことはない。というか経営者ならば必ず勉強すべきだ。基本的な会計知識とBS,PLが読めることは必須。ただ経理部長などの役職ではなく経営全体を見ている立場ならば会社にお金を残し会社を倒産させないことが至上命題。そういう観点で言えば中小企業や個人事業の場合は日々の業務においては単純にお金の流れを捉えたほうが経営がしやすいと思う。あまり複雑に考えすぎないほうが財務会計にも馴染みやすいし、あくまで目的はそのお金の知識を経営に落とし込み利益をあげることだ。キャッシュが尽きなければ経営は続く。だから入ってくるお金(粗利)以上のお金(経費)を使ってはいけない。出ていくお金を最小限にして、最大のお金が入ってくるような状態を創り上げる。その時にどうやれば最も少ないお金で最大の利益を実現できるかのやり方を定めることがビジネスモデルであり、その額を最少にしたポイントが損益分岐点だ。単純に言えばそれだけのことで、この単純な話を日常の複雑さのなかでうやむやにしないことがビジネスを成功につなげるコツだ。

2 損益分岐点にのみに集中しろ

上記では直感的に損益分岐点の概念を記したが、まず損益分岐点とは会社でかかる経費を自分たちが生み出す粗利でプラスマイナスゼロで賄える点のことを言う。だからこれ以降の粗利は全て利益になるという理屈。そのプラスマイナスゼロになるための売上高が損益分岐点売上高。要するにその売上を確保できたら会社は赤字にならないという売上が損益分岐点売上高となる。この売上がいくらなのかを明確にしてそこまでは必ず到達する必要がある。もっとわかりやすく言えば、1年間にかかる経費と同じ額の粗利額を稼ぐには自社の商品をいくら売らなければならないかという計算だ。

だからまず知るべきは1年間でかかる会社の運営費(実際はこのような言葉は会計ではないはず)がだいたいいくらかを把握すること。そして自社の商品ならばその運営費=粗利額を稼ぐためにはいくら(いくつ)売らなければいけないかを知ることが大切。販売の作戦を立てる目線で言えば粗利額が大きい商品をメインに売る方針にするなどあらゆる策を社内に落とし込むことにもつながってくる。

注意が必要なのは広告宣伝費や人件費だ。その粗利額を稼ぐために広告を打ちまくったり人を雇いまくれば当然に運営費は上がる。それを見越しておくのが経営だ。広告費をいくら投下すればいくつ売れるのか、一人当たりの営業でいくら売れるのか、これらのデータ把握もしておく必要がある。過去実績がない1年目ならば大体の予測でいくしかないが、次年度からのことを考えてそのようなデータを取っていくことと、計画を立てる時は安全側(楽観的ではなく悲観的数字で)に計算しておくことが大切だ。

3 損益分岐点を極限まで下げて筋肉質な組織を作る

イメージで言うと会社の運営費とは家庭でいう1ヵ月にかかる生活費。家賃、携帯代、保険代、食費、おこづかいなどだいたい1ヵ月でかかる生活費はわかるだろう。1ヵ月に使う額が少なければ給料が少なくても生活はできる。逆に給料が多くても1ヵ月に使う額が多すぎたら貯金や投資ができないだけでなく月末にはお金が無くなる。給料と生活費の関係は粗利と経費の関係と同じ。なるべく少ない額で生活ができるようにすることが経営のリスクヘッジとなる。損益分岐点を極限まで下げた状態で目標となる利益を出せるビジネスモデルを作ることで筋肉質の企業体質を作ることができる。それができれば逆風が来た時でも耐えられる。チャンスの時に貯めていたお金でチャレンジできる。そのような好循環が人を雇う余裕や新しいビジネスへのチャレンジに繋がり会社を発展させていく。当然社員一人一人の年収も増えていく。逆に損益分岐点が必要以上に高い大ざっぱな経営をしていると危機が来た時に耐える体力はない。筋肉質な会社を作るためにも平常時の時こそ損益分岐点の大切さを社員にも伝えてお金とビジネスモデルの作り方を共有しておかなくてはいけない。


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