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隣の芝生が目に沁みる <大黒柱の結婚・8>
婚姻届の提出を無事に終えホッと一息ついたのも束の間、またもや撃沈を味わった。
別に誰かにくわらされたわけでもない、私はいつも自分で苦しみをつくって自分で苦い思いを味わうことになる。
ジェットコースターとは上がってから下がる一往復のみで終わるものではない。
入籍日となった閏年のある日の翌日、
ユーチューバーが婚約発表し、ネット上では若い子を中心に大盛り上がりだった。
10歳近く下の子の話題だ
てるてる坊主の仕事 <大黒柱女の結婚・7>
意味のないことにこそ意義がある。
「坊主にしよっかな〜」とは少しから聞いていたけれど、まだ寒すぎるという理由で延びていた。
すべり込み入籍の失敗から年が明け、リベンジの日を2月29日とした。
閏年だしおもしろいよねという理由で、友引とか仏滅は知らないまま入籍することに決めた。
2月29日が未だにどれに当たる日なのかは知らない。
「もうそろそろ髪切らなきゃなぁ〜」と言ってるときくらいの髪の長
年末すべり込み入籍の運命やいかに <大黒柱の結婚・6>
そうだ、そもそも。
配偶者控除を受けるには前年の12月31日時点で入籍の状態にしなければならない。
現在、12月5日。
役所があいているのは12月29日まで。
ヨッシャ余裕だな!
なんて言いながら婚姻届の欄を埋めていく。
実家が県外にある彼は、証人欄に母親の署名をもらうため郵送をする。
そういうところは真面目だな。
返送までにかかる時間も考え、年内入籍は間に合うだろう。
なんて悠長に過ご
薔薇みたいな花束 <大黒柱の結婚・5>
女にプロポーズさせてしまう男。
SNSにぽつりとつぶやいたら大量の野次が飛んできそうだ。
最近は無名の一般人だろうとそういう標的にされるらしい。
港区女子からは同じ女性として憐れまれたり叱られたりするんだろう。
分かるよ。
誰にも取られたくないって思わせてプロポーズさせるんでしょ?
されないってことはそこまで大事に思われてないんだからそんなやつ捨ててさっさと次に行けってことなんでしょ?
確か
乙女心の襲来 <大黒柱の結婚・4>
なんとも中途半端な提案をしてしまった。
男が言う「じゃ、付き合う?」
疑問系のあれは絶対にダメだよ。
私はあれが大嫌いだ、というか多くの女性がそうだろう。
男前に生きたい私があの疑問系のやつをやってしまった。
まぁでも、私は女だからギリ許されるよね?
そんなわずかなモヤモヤを伴いながらも、結婚方向ににつま先を向けることになった私と彼のこの状況が嬉しくて、翌々日くらいまではルンルンと浮かれてい
私の配偶者になりませんか? <大黒柱女の結婚・3>
母は父の5つ上で、いわゆる姉さん女房。
博士課程かポスドクだったかで収入も少ない父との同棲生活は、仕事が好きでバリバリ稼いでいた母が支えていた。
数年後、「ねぇ、まだ結婚してくれないの?!」のひとことにより母は父というのちの三高をゲットした。
なんとも父と母らしい。
そんなエピソードが身近にあったことが、私のこの人生をかけた思いつきワクワクハッピーサプライズチャレンジのハードルを下げてくれた
適齢期オンナが岡本太郎を読むと爆発する <大黒柱女の結婚・2>
結婚したい理由がなくてこのまま平和が日々が過ぎてくれればそれ以上求めるものが私には見つからなかった。
指輪?
ネイルすらしたくない私が手元の装飾するわけないじゃん。
ドレス?
きれーい!おめでとぉー!ありがとぉー!を強制的に言い合う茶番でしょう。
祝福?
毎日幸せに生きてるから改まって祝われることがなにもない。
五体満足の健康な身体。
雨風凌げるお家。
やりがいのある仕事。
優しくユーモ
結婚はしたくないけどプロポーズはされたい <大黒柱女の結婚・1>
「執着がないから一緒にいられるのかもしれないね。」
なぜだろう、おしゃべりって向かい合わせよりも隣に並んでいる方が進みやすい。
「えっ」
布団に入ってから眠りにつく前の数分間または数十分間、私たちは他愛のない話から将来の話まで適当に思いついたことをぽつぽつと話す。
特に何も話すことがないときはそのまま眠るし、はたまた小学生みたいなくだらない話題で抱腹絶倒ののちなかなか眠れなくなったりもする