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ピンチをチャンスに!かにクラブの場合。
ミサイル・クーパーです。
それは先月、僕のバンド「かにクラブ」のライブ前に突然起こった、なかなかピンチな出来事。
何とライブの数日前に、ドラムの「セーフ」がコロナ陽性になっちゃったんですよ。然るべき待機期間を考えると出演は不可。完全に「アウト」。
「セーフ」なのか「アウト」なのかややこしいのでちょっと解説しときますね。
セーフというのは、かにクラブのドラマーの「ステージネーム」なのです。
ついでなので、かにクラブのメンバー全員の「ステージネーム」を紹介しておきますね。
・ミサイル・クーパー(ボーカル:カナダ人)
・ナイス・リー(ギター:中国人)
・チョイス・スペクター(ベース:アメリカ人)
・セーフ・ウゲレステ(ドラム:アフリカ人)
話を戻そう。
そのライブの数日前に、ドラムのセーフが「コロナ陽性」と判明しました。
さあどうする?
急遽アコースティックアレンジに変えてドラムなしでやるか?っていう案も出たけど、今からアレンジを変える時間はない。とは言え、イベントに穴をあけるわけにもいかない。
その日の対バン(一緒に出演するバンド)が友達バンドだったので、そのドラマーにヘルプを頼んでみる?という考えもよぎったけれど、何しろたった数日で他人のバンドのオリジナル曲を覚えてもらうのはとても酷な話。しかも7曲。
それに、引き受けてもらったら「1晩に2ステージドラムをたたく」ということになる。体力的にもハードな話だ。
やっぱりヘルプは難しいだろうなと、本当に「ダメ元」で話を持ち掛けてみたら、
即オッケー。
オーマイゴッド。まじですか。
この世に神は居るとは思っていたが、それは君だったのかい?
ちなみにその神ドラマーは「Sprkin’ Blue(スパーキンブルー)」というロックバンドの「ムギちゃん」。
そうと決まったらアレだ。
ムギちゃんの参加は一夜限りとは言え、かにクラブのメンバーとして迎えるので、やはりかにクラブの「儀式」として、
ムギちゃんにも「ステージネーム」を付けねーと。
というわけで、たまたま身近に、最近ペルーに行ってきた人が居たのを思い出して、まずはムギちゃんを「ペルー人」ってことにしようと決めた。
次に「ペルーに多い名前x男性」を検索して、悩むこと10分で「ムギー・ガルシア(ペルー人)」と命名。何かそれっぽい響きじゃん。
さっそく、かにクラブのグループチャットに「ムギちゃんのステージネーム決めたから、当日メンバー紹介もしようぜ」と送信。
みんなペルー人の顔の系統は良く知らないのに
もうムギちゃんが
ペルー人にしか見えねえ。
と盛り上がる。ピンチなのに。
こんな緊急事態に「ステージネーム」なんてどうでも良いことかも知れない。でもこんな時こそ「どうでもいいけど自分たちにとって楽しいこと」を「普段通りやること」で、ピンチの中にも、ちょっとした楽しさが生まれるのかも知れない。
ライブの方は、ムギーの奇跡的な吸収力のお陰で、無事決行することが出来ました。
しかもいつもと勝手が変わったことで、そのステージ上で、偶然これまで無かったかっこいいアレンジが生まれるという「嬉しい誤算」まで手に入れることができた。これもオリジナルソングを作る醍醐味のひとつなのかも知れない。
最後に、楽屋でのこぼれ話をひとつ。
出番直前、楽屋でムギーを迎えて曲の打ち合わせをしたのですが、僕とナイスとチョイスは椅子に座ってるのに、ムギーはずっと立ったまま打ち合わせをしてたんですよ。
何か自分たちが「お客様を立たせて自分たちは座ってるダメ社員」みたいな気がしてきて「あ、ムギーも座りなよ」と言ってみたところこんな答えが。
大丈夫。
このあと座るので。
そう言われてみれば確かに、ドラマーってライブ本番では座ってるんだね。
だとしてもですよ。
本番で座るからと言って「それまで立っとく」っていう発想のドラマーは見たことねーし。
神は言うこと違うよね。
焦りながらもしっかり計画を立てつつ、いつも通り楽しむことも忘れないように振る舞ったお陰で、僕らはストレスもなくピンチを乗り越えられた。
ってゆーか
むしろ楽しいピンチだったかも。
僕らはピンチに「ちょっと得した気分」になったのでした。ロックンロール。
横殴りの雨の中 かにが横に進む
ごらん雨は ただの雨にほら
変わってるだろう
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