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憧れの中華せいろを買ったら意外と楽で最高だった話


はじめに

どうもこんにちは。
私の名前は三十と書いて「みそ」と読む。普段は普通にそのへんで働きながら、オタクに精を出したり、出す元気があったりなかったりしながら生活している。
ADHD、虐待サヴァイバーで複雑性PTSDの診断持ち、通院投薬治療しながら生活している、どこにでもいる成人である。
「いきなりそんな重めの個人情報出されても…」と思われるだろうが、息をするように注意欠如や思考多動のエピソードが出てくるのではじめに書いておく。
あと、こういう人間はどこにでも(言うとか言わないとか外から見てわかりやすいとかわかりにくいとかは人それぞれだけど)いますよ、既にあなたの隣人ですよ、という気持ちも込めて。

憧れの中華せいろを買うまでの話

今回は中華せいろの話をする。前回の食洗機の話ほどは長くないので安心して欲しい。4500文字程度だ。

中華せいろ、お分かりだろうか。飲茶のお店なんかでよく見かける竹や杉で作られた蒸し器のことだ。
実は長年中華せいろに憧れてきた。なんでってもう圧倒的に画として良いからである。私は器が好きなので繋がって器周りも好きなのだけど、あの木や竹のテクスチャもいいし、蓋を開けて白い湯気が出るイメージもとてもいい。中華せいろで蒸すという行為自体も、生活を楽しんでいる感じがして格好いい、そんなふうに思いつつもなかなか手が出せなかった。

モダモダしていた理由は主にこの2つ

  • すぐカビさせてしまいそう(手入れが面倒くさそう)

  • コンパクトさとは無縁だし、かさばる

私は無精者だし、食洗機のnoteでも書いたように食器洗いというか食後の片付け全般が嫌いなので、食器よりもさらに手間というか、気を使わなければならなそうな中華せいろなんて扱える自信がなかった。
よく行くTODAY'S SPECIALで毎回変わりもしない値段をチェックしては、「置くところもないし今回はやっぱやめとこうかな…」と見送り続けていた。なんと7年ぐらいずっとだ。年長さんが中学生になってしまう。

それがいろいろあって肉饅なんかを自作するようになった。
いろいろの部分をざっくりいうと、コロナ禍で仕事のない時期に中国の文化に興味をもったため、中国茶を飲んだり現地のレシピで饅頭を自作するようになったのである。
蒸し器は場所を取るからと見送っていたものの、饅頭作りに精を出すようになってからは、いちいち鍋とザルや皿で蒸し器を代用するのに疲れてきていた。
あり物で工夫して少ないもので暮らす生活は物が少なくスッキリしてて素晴らしいけれど、毎回鍋とザルと嵩上げ用の小皿と…洗い物が増える。
食洗機にお願いすればいいんだけど、シンクにたくさん洗うものがあるという状況自体がストレスで、ADHDの先延ばし癖を助長してくる。割と頻繁に作るからなおさらしんどい。
こういう細かい『しんど…』を繰り返し、それにうんざりしてきたため「やっぱり蒸し器、それもどうせなら中華せいろが欲しい!と」購入を決意した。

ところがあんなにせいろを眺めていた店に買いに行くと、中華せいろは姿を消してしまっていた。私がウジウジモジモジしている間に取り扱いが終了してしまったのである。欲しいものがいつまでもお店にあるわけではないんだな、と当たり前すぎる教訓と共に項垂れつつ楽天市場をタップした。

うちにある鍋との相性や作りたい料理を考慮し、キッチンになんとか収まりそうで、なおかつ饅頭を作るのにちょうど良さそうな21cmサイズを選んだ。あとはワクワクそわそわして待つだけだ。

数日後、うちに届いた段ボールを開くと、梱包された中華せいろには衝撃の注意書きが貼ってあった。
『中華せいろのお手入れ』と書かれたその紙には、私を大喜びさせる一言が踊っている。曰く、『お手入れは水で流さず、固く絞った布巾などで拭いてください(ふんわりとした記憶)』

せいろ、洗わなくてよかった!

無精者の私は大喜びした。あんまりに嬉しかったのでちょっとぐらい浮いていたかもしれない。エッ、洗わなくていいの!?と思った。
かなりうろ覚えだが、カビが繁殖する原因になるのでむしろ洗わないでくれ、ぐらいのニュアンスがその文章にはあった。製造販売元がそう言うなら、それが正解じゃん!
手入れに関してのもやもやを吹き飛ばすこの一言、すこぶるありがたかった。そういうちょっとよくわからない部分に頭を悩ませたり、不安なまま使うというのは私にとって地味〜〜にチクチクダメージとなるからだ。それらが蓄積すると道具自体を使わなくなってしまう。
少し調べると、濡れた状態が長く続くとカビの原因になってしまうのでとにかく乾燥させること、風通しの良い保管場所を用意することが一番重要なようだった。
ちょっと悩んだ保管場所は、無印良品のアクリル台を駆使してキッチンの窓の前に確保した。この棚の上に受け皿とせいろを置いて、下に平ざるやトレーを重ねて収める。ものは増えたけれど、棚自体がクリアなので圧迫感もなくスッキリ収まった。

乾燥が重要と言いつつも、せいろは焦げ防止のため使用前に濡らす。ところが蒸すことでせいろ本体に含まれた水分の温度が上がるので、比較的スムーズに湿気が蒸発するようだった。お湯ですすいだ食器はすぐ乾くのと同じ原理だ。
おそらくだが、使用後に洗うと本体の温度が下がったままになってしまうからカビやすくなるのだろう。

料理を蒸してそのまま食卓に出せるので、食べ終わった後に絞った濡れ布巾で油分や小麦粉生地なんかを落としてやって、うちの場合はそのままエアコンの風が当たる場所に干して終わりである。
すごく油が付いたり汁物がこぼれたりしたらぬるま湯で洗い、しっかり水分を拭いて干す。
当たり前だが洗い物も減る。残るのはお湯を沸かした鍋と中華せいろ用受け皿だけだ。
(余談だが中華用せいろを導入する人は絶対に受け皿を買ってほしい。そのまま鍋に載せるより安定するし、せいろが焦げることもなくて安全なため。)

洗剤がNGとされているので一瞬雑菌の繁殖とか衛生面が心配になったが、そもそも蒸し器なので沸点以上の蒸気で常時煮沸(に近い状態に)されている。
ようは乾燥状態さえキープできれば、雑菌が繁殖する隙がない。

これが私にはめちゃくちゃ楽だった。小皿もザルも鍋のフタも洗わなくていい。工数が下がるのだから最高以外のなんでもなかった。


蒸し器兼食器としての機能性の高さ

他にも使ってみて嬉しいポイントはあった。なんと言っても蒸し器としての機能性が抜群に高い。
普通のアルミや、おしゃれなガラスの蒸し器の蓋は機密性が高い。蒸気穴は空いているけど蒸気はしっかり蒸し器の中に閉じ込められる。それに比べて中華せいろの蓋はだいたい薄く割いた竹で籠状に編まれている。この蓋がすごい。
必要な蒸気はしっかり閉じ込めるけど、不要な蒸気はじんわり逃してくれる。結果、蒸し物に蒸留された水滴が落ちにくい。
普通の蒸し器を使う場合蓋に布巾を掛けて水滴が落ちるのを防いだりするが、中華せいろには必要ない気がしている。料理にはよるが。
もう一つ私にとって大事な機能性は『軽い』こと。当たり前だがステンレスやガラスでできた蒸し器よりも軽い。アルミと同じぐらいかな?と思う。
ガラスや鋳造もの、金属にはそれぞれ特性と良さがあるが、私は腰痛持ちだったり日々寄る年波を感じたりしているので、重たい調理器具は極力使いたくない。調理器具が重たいことで自分のやる気が削がれることが大問題なのだ。
また、せいろのまま食卓に運べるので料理の保温性が高い。
うちの中華せいろの外周は1mm〜2mmほどの杉板が層になっていて、ここにしっかり熱が留まってくれる。
先に食卓に運んでおいて副菜なんかを用意している間も蓋をしておけばしっかり保温してくれるし、食べようと蓋を外した瞬間にふわ〜…っと湯気と、それからせいろの本体の杉が蒸されたいい香りが立ちのぼる。
部屋にとけていく湯気と香気ともに、私の気分までふんわ〜〜と上がっていく。こういう小さな『嬉しい』の積み重ねが自分の機嫌をとるためにかなり重要なことを私は知っている。

何より素晴らしいのは出来上がったものの味が良いことだ。

これは自作の肉饅。蒸した饅頭はふかふかじゅんわり、とっても美味しい。

誇張ではなく野菜の味が変わる。

中華せいろを愛用している人のTwitterやVlogを見ると、120%ぐらいの確率で蒸し野菜をモリモリ食べている。私は捻くれた陰険な人間なので、「ハイハイ映えますもんね」などと思っていた。よく知らない人にこのバイアス、最低だ。かなり反省したほうがいい。本当にすみませんでした。

使ってみてわかったけれど、みんながこぞって中華せいろで野菜を蒸すのは映えるからではない。いや紛れもなく映えるんだけど、それはそれとして一番の理由ではないと思う。単純に、野菜の味が違うのである。
レンチンでも蒸し野菜は作れるが全く違う。電子レンジで蒸したものは何故か冷めやすいし、水分が持っていかれるのでちょっぴり硬くなりやすい。
色んな点で電子レンジには電子レンジの良さがあり、下ごしらえであるとか、そのあと汁気を足して和え物にするとかには非常に良いんだけど、蒸し野菜をほぼそのまま食べるならばどうしたってせいろで蒸したほうに軍配が上がる。蒸すことに特化した調理器具なので当たり前といえば当たり前なのだけれども。
せいろで蒸すと蒸気で調理されているので硬くなりにくいし、すごく不思議なことに冷めにくい。勿論火の通りにムラもない。器も電子レンジで温められてアツアツになるのと蒸し器で蒸されてホカホカになるのではなぜか冷めにくさが違う。
茹でるのとも違って葉物やきのこ類は水っぽくならないし、根菜なんかは色も抜けない。アクが強い野菜なら茹でたほうがもちろんいいが、アクが少なめの根菜や葉物は、蒸すととにかく味がぎゅっとするのである。
野菜だけで食べるのも勿論美味しいし、野菜の上に塩漬けにしたお肉なんかを載せて蒸せばそれでもうメインになる。
野菜の甘味やそれぞれの香り、苦味なんかが強く感じられてすばらしく美味しい。
以前、友人がとても美味しいオリーブオイルを持参してくれたことがあり、このオイルと蒸した菜の花と塩、冷蔵庫にあったマーマレードでサラダにしたらとんでもないごちそうになった。その場にいた全員が目を輝かせてうまいうまいと感動しながらお皿を空にしていった。
中華せいろは野菜をごちそうに変えるのだ。

さて、長々話してきたけれど、私的には以下の人に中華せいろをおすすめしたい。

  • 自炊で美味しいもの食べたいけど手の混んだものを作る時間や体力なんかの余裕がない人

  • 風通しの良い場所が確保できる人(重要)

意外と手軽に扱えて、ごちそうが食べられるので、もし中華せいろ導入にハードルを感じている人がいたら参考になれば嬉しい。

おまけ

蛇足として私が使っているせいろ周りアイテムのリンクを貼っておく。
これを読んでいる人がリンクを踏んでも、悲しいかな私にはビタ一文入らないので安心して値段や構造のチェックに使ってほしい。

中華せいろはこれ

せいろ用受け皿はこれ

せいろの中敷きによく使う平ザルはこれ


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