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私がここにいる理由 4

こんにちは、NYに暮らしている現無職デザイナー(!)のみさとです。
自分について話すことって最近全然していなかったんですが(FBもほぼ放置)今年に入ってから、自分のために書いています。なんか色々分からなくなってきたもので...。
そうです、全くもって究極の自分のためのブログなんです、が、もし興味持っていただいて、読んでいただけるととっても幸いです。ありがとうございます。

さて、1、2、3と書いてきている「私なんでNYにいるんだろうな、しんどいのに。」っていう話です。そろそろ終わりにしたい(笑)
前回は、心がちょっと病んだ後のリハビリ的な期間を経て、晴れて照明デザイン事務所の職にありついたところまででした。

NYの一流照明デザイン事務所

 知人のリレーを繋いでいただき幸運ながらゲットできた照明デザイン事務所での照明デザイナーとしてのポジション。
ニュースクールでのインテリアデザインの授業の際、先生(現職インテリアデザイナー)も、ここは素晴らしいわよ!と候補に挙げていたNYの事務所のうちの一つでした。
照明の仕事を海外でもしたい!そのためにあわよくば海外で就職して経験を積みたい!という全く計画性はないぼんやりとした目標を立てて日本から出てきた私としては万々歳です。
オフィスはダウンタウン、ソーホーやチャイナタウンの近くです。そこらへんは結構デザイン事務所なんかも多いんですね。
社員は40人程度、そのうちアメリカ人はたった4〜5人でしょうか。非常にインターナショナルな会社で、その他の社員はみんな他国からです。フランス、スペイン、中国、タイ、コロンビア、フィンランド、韓国、チリ、イギリス etc... 私は社内で唯一の日本人でした。
入社してすぐに放り込まれたのはアブダビと東京のプロジェクト。
扱うプロジェクトのアーキテクトもスター級の超有名事務所揃いです。

正直ビビりました。
なんかすんごいところに入っちゃったな。
もちろんすごくワクワクもしていました。
アメリカは実力主義で、使えなかったらすぐクビになるだろうからとにかくクビにならないように頑張ろう...と強く思いました。笑

私と同じような若手のデザイナーは5、6人いて、聞くとみんなインターンシップからの社員雇用でした。私のように途中からフルタイムのデザイナーとして入ってきたわけではなかった。だからみんな会社の雰囲気や仕事の手順なんかもすでにインターン時代で掴んでいる。
英語もままならない、アメリカの企業で働いたこともない私。
会社には常に短期〜一年ほどの期間で入れ替わるインターンの学生さんが数人いるのですが、私は遙かにインターンの学生さんよりも使えない。
焦る焦る。

まぁでもやるだけベストを尽くして、クビになったらクビになったでしょうがないですよね。
そこらへん分かって向こうも採用しているわけだし(開き直り)

とにかく、英語が下手とか言ってる暇もないくらい、どんどんプロジェクトに放り込まれて、仕事を振られていきました。今思うとよくこの英語力で仕事していたな(笑)と思いますが、とにかくこなしていました。
私が配属されたチームは会社の中でも一番大きな物件を扱う一番忙しいチームでした。美術館とか、超高層ビルのファサードライトアップとか、カジノとか。

社員はみんな超優秀で、そして仕事がめちゃくちゃ早い!
仕事量に加えてスピード、しかもかなり高い質まで求められる!!
例えば今日中に数十ページの提案書、コンセプトデザインからある程度のディーテールまで作りあげて、明日のお昼にクライアントとミーティングあるから!みたいなノリですね。

嘘でしょって感じです。
それがNYかぁ...(呆然)なんて。

私は日本での仕事の経験的に、仕事が早いと言われる方が多かったので、自分はそんなに悪い方じゃないと思っていたんですが、完全にその考えは打ち砕かれました。

それから、前に日本で働いていた時と比べて、プロジェクトの種類や、仕事内容は大きく次の点で違いました。
まぁこのNYのデザイン事務所が通常の照明デザイン事務所の仕事内容で、前回の日本での仕事がちょっと特殊だったんですが。

根本的なデザイン作業に携われるのは社長のみ。

社長がスターの照明デザイナーなので当たり前といえば当たり前なのですが、この空間をどんな光でデザインするのか、どんな雰囲気にするのか、という根本的なデザインについては、全て社長の考えに基づきます。
ジュニアはそのデザインミーティングにも参加できないという、ちょっと極端な感じでした。ミーティングで方向性が固まると、シニアデザイナーが情報を整理して、実際に器具や配置等をデザインし、ジュニアに作業内容を伝えます。
ジュニアデザイナーの作業内容としては、照度計算ソフトでシミュレーションが7−8割、その他に、照明デザインの完成イメージのレンダリング、提案書をまとめる、モックアップを作る、現場での作業等です。

東京で照明デザインの仕事をしていた時は、デザイン出来て、色々アイデアをチームと話して、クライアントにプレゼンして、レンダリング、提案書作成、現場慣習および現場作業と、初めから最後まで全部携われていました。自分のアイデアにお金をかけてもらうという責任感と不安はあったし、しんどいこともありましたが、何よりデザイン出来て、気に入ってもらって、それを形にするところが最高だった。そしてイベント系の仕事ばかりだったので、来場者に喜んでもらい、その笑顔を見ることができるのは何よりのやりがいであり、ご褒美でした。

NYの事務所では、分業とは言え、どのようなデザインコンセプトで、どのような狙いで、というところも上からは細かく伝えられないまま、ひたすら照度計算ソフトで器具を配置して、照度計算をする日々。
昨今はみんな建築データを3Dでやりとりしますが、複雑さを増すばかりでデータが重く、その割に照度計算ソフトがお粗末で、まぁクラッシュするわするわ。30分以上計算待たされた挙句クラッシュすると泣きたくなります。笑

前の会社とは内容や出来ることが違うことは理解した上で入社しました。
その事務所を離れるまでの1年間、少し短い時間とはいえとてもとても良い経験になりました。まさに過酷な修行、スパルタ的に沢山のことが身につきました。
しかしやはり常にデザインするということに対しての恋しさを感じていました。

そんなこんなの中、2020年の頭からコロナ、NYも緊急事態宣言のロックダウン。リモートワークが始まります。
リモートワークで鬼のように働かされた半年後、燃え尽きます。(あ。)

つづく!

あー、今回で終わらせたいと思っていたのに終わらなかった!!
読んでいただきありがとうございます。(; _ ;)



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