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舞台「鬼滅の刃」

2020.1.31 AiiA 2.5 theater KOBE

公式HP https://kimetsu.com/stage/

なんとも麗しい舞台だった。

まず
キャストのビジュアルの美しさ。
原作から飛び出してきたような様はもちろんのこと、さらに、そこに美しさを足したよう。
ビジュアル解禁の時から話題だったが、佐々木喜英さんの鬼舞辻無惨の妖艶さ、凄まじかった。
指を少し動かすだけでも
声が漏れそうなほど色っぽかった…(※声は出してません)

そして、着物
物語の舞台である大正時代は
暮らしの中に、洋装と和装が混ざっていた頃。
炭治郎と無惨が初めて接触する夜の浅草には、
夜の街に相応しい色鮮やかな色柄の着物+名古屋帯の人。そして、スーツやワンピース等の洋装の人。
洋服・和服でめかしこんだ人達が、歌って踊る夜のシーンは、本当に華やかでうっとりした。


キャラクターの着物も、素敵だった。


まず、珠世さま
紫の小振袖、は原作通りだったけれど
舞台の着物は、牡丹(?)や桜が散りばめられた大変華やかなもの。さらに、藤の花の模様も。
鬼でありながら、鬼舞辻無惨を憎む珠世ならではの柄行。(藤は、鬼が嫌う花)

…そう言えば、なぜ珠世さまは小振袖なんだろう。
医者の仕事をするなら、袖は短い方が良さそうなのに…。(医者として動いている時は、着物の上に割烹着を着てるけれど)
利便性よりも華やかさを選ぶモノの考え方が
珠世さまの美しさの秘密かもしれない…
なんて思った。

珠世役の舞羽美海さんの立ち振る舞いの美しさも、目を奪われた…!

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そして、禰豆子。
原作と同じで、麻の葉柄の着物だった。
マンガやアニメでは、ピンク地に麻の葉模様が線で描かれていただけだったけれど、
舞台は、銘仙の着物だった。
銘仙は、一般にいう“平織りの絹織物”。
大正から昭和にかけての女性の普段着として、また、お洒落着として日本全国に普及したもの。

大正時代に流行した銘仙。
2次元で見ていた時よりも、さらに時代背景をリアルに感じられて嬉しかった。


とても賑やかで、奥行のある舞台だと思った。
理由は、アンサンブルキャストの活躍
浅草の街や、最終選別に集まる鬼殺隊候補生たち…。
アンサンブルキャストは、全員で7名。
しかし、それ以上の数のアンサンブルキャストが舞台上に存在していた。

アンサンブルの方のSNSで知ったのだが
どうやら、メインキャストの皆様も
自分の出番が無いところでは、アンサンブルとして、様々な兼ね役を務めていらっしゃったそう。
(確かに、善逸・禰豆子・義勇・白髪・黒髪あたりの役者さんは、違う役で何度かお見かけした気がする)

キャスト全員が協力して、より賑やかに、華やかに魅せる。
だからこその見応え!

しかし、アンサンブルキャストの活躍は、それに留まらず。
殺陣のシーンでも大活躍されていた。
炭治郎の修行で、錆兎と戦うシーン。
最初、炭治郎は錆兎とかなり力の差があって、錆兎の振るう刀によって炭治郎は吹っ飛ばされる。
この「吹っ飛ばされる」をアンサンブルキャストが表現していらした。
黒子に扮したアンサンブルキャストが、振り払われ倒れる炭治郎を、後ろに引っ張って床を滑らせることで、炭治郎が吹っ飛んだように見える!
こんな殺陣の見せ方があるんだと、感動した。

2次元ならではの表現・身体能力を再現するための工夫は、これ以外にも至る所にあった。
(「欽ちゃんの仮装大賞」並みのアイデア表現もあって、面白かった!)

お話も
ピリっとした世界観の中に、ふっと力が抜けちゃうコメディシーンもあって
そのバランスも、まさに原作どおり!

なんて素晴らしい作品を見たんだろう…
と、帰り道がとても幸せだった。

続編、期待してます!


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