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心を奪われた世界の絶景

旅が好きになったきっかけはある映画がきっかけだった。はじめて海外を訪れた時のあの時の感動、衝撃を忘れることはなく、もっとたくさんの世界を見たいと、その願望が私の身体に染み付いていてずっと求めてくる。

これまで訪れたのは45ヶ国だけど、世界の国数からみるとまだまだ。世界一周前にはじめたブログも、5ヶ国目のボリビアで終わってしまったので、旅の思い出を振り返るとともに印象深かった場所のことを残しておこうと、ざざっと書き記すことにした。長くなります。

旅の目的は基本「世界の絶景をこの目で見ること」なので、心に残ってる景色を10ヶ所選んだ。これからまた変わるかもしれないけれど今ランキングを決めるとしたらここかな。

世界一周した時は主に絶景と呼ばれる景色を点で結んで旅のルートを考えていた。絶景にたどり着くまでの過程やその場所の気温、音、空気、一緒にいたメンバー。五感で感じながら自分の目に映った景色はテレビやネットで見るのとは、全然違っていたのだ。

「来てよかった!」と、景色に出会えるたび何度心の中で叫んだかわからない。思い出の写真とともに振り返る10ヶ所の景色たち。


10、イグアスの滝/アルゼンチン

ブラジルとアルゼンチンにまたがる、世界三大瀑布のひとつ。パラグアイからバスに乗って国境を越えてアルゼンチンに向かった。南米のバスは日本よりも座り心地が良い。カマ、セミカマとランクが分かれていて、カマの席はフカフカでブランケットや食事もついていて長時間の旅もそこまで苦にならない。ご飯は美味しくない。

国立公園付近の宿をとって、翌日広い公園の中を走る電車に乗って向かうは「悪魔の喉笛」。「悪魔の喉笛」の名を持つ最大の瀑布は、遠くからでもその地響きのような音が聞こえてきて近づけばびしょ濡れに。

別の場所では滝壺に突撃するツアーがあって、こんなことはもうできないだろうとすぐに決断して参加。こういう時は積極的になってしまう。泳げないくせに、ひっくり返ったらどうするの?なんてことはこういう時は考えない。


9、ニューヨークのカウントダウン/アメリカ

これは絶景?って思われるかもだけど、カウントダウンが終わった後の光景がまだ目に焼き付いている。正直なところ、一生に一度あるかないかの罰ゲームのような体験だった。

寒いし動けないし、トイレも行けない。そんな環境の中午後14時くらいからタイムズスクエアに集まって、夜の12時までじっと堪えて待ち続ける。毎時0分に花火が上がり軽いイベントがあるけれど一瞬で終わる。何時間もよく待っていたなぁと思う。

0時直前、会場ではジョン・レノンの『Imagine』が流れ大合唱が始まり、やっとのことでテレビでよく見たことがあるカウントダウンのシーンへ。60秒のカウントダウンから始まり、

「5!4!3!2!1!……Happy New Year!」

大歓声と共に打ち上げられた花火、舞い上がる紙吹雪。恋人たちは抱き合いキスをして。日本人になじみのある『蛍の光』が流れたかと思ったら、次はフランク・シナトラの『ニューヨーク・ニューヨーク』。あのハッピームード溢れる光景が大歓声とともに目に焼き付いていて、あれほどにも気持ちが昂って年をまたいだ経験はありませんでした。

そういう意味で絶景だったとチョイス!


8、カッパドキア/トルコ

「世界一周に行ったらこの場所であの体験をしよう!」といくつか計画していて、トルコに行ったら絶対にやろうと決めていたのがバルーン体験。料金は1万円ほどだったかな。

ちょっと怪しそうな人からチケットを買ったもんだから、早朝のバスが迎えに来るのか不安だったな。旅中そういうことが何度もあった。バスが来なければ自分でなんとかしなきゃいけない。おじさんからチケットを買ったのは自分だから嘆いても仕方ない。腹をくくって待っていたらきちんとお迎えがきた!安堵。

真っ暗の中膨らんでいく気球。太陽がのぼる前はそこら中に気球があったなんてわからなかったな。ゴーと音をあげながらどんどん上昇していく気球。気球には10人以上乗っていただろうか。割とぎゅうぎゅうだった。

太陽が顔を出し、カッパドキアがあるギョレメの街はうっすらとピンク色やオレンジ色に染まっていく。カッパドキアの街は奇岩でできていてそれを利用した洞窟ホテルがあるぐらい。

気球の体験も、ある程度天気が安定していないと実行されないらしい。後から知ったけど、乗ったその日は風の流れも天気も最高だったらしく、一日前後していたら開催されなかったらしい。とにかく、この世界一周はついていることばかりだった。


7、グアナファト/メキシコ

メキシコってどんなイメージがありますか?私は正直「危ない」「薬やってる人が多そう」「女性一人で行くのは本当に危険」そんな、ネガティブな印象しかなかった場所。

でも、そんな固定観念をぶっ壊してくれたのが世界一周3カ国目で訪れたメキシコだった。3カ国目でいきなりのスペイン語圏。英語だってまともに話せないのに、知っている単語は「オラ」「グラシアス」の二言だけ。心配性なのかそうじゃないのか本当にわからない。

メキシコで訪れたのはグアダラハラ、オアハカ、グアナファト、メキシコシティ、カンクン。その中でも忘れられないのがグアナファトだった。

カラフルに塗られた家を眺めているだけで心が明るくなり、広場ではマリアッチの演奏。陽気な笑いがそこらから聞こえ、暗く危ないイメージがどんどん払拭されていったのだ。ピピラの丘に登ると、まるでキラキラ輝く宝石を散りばめているかのような景色が待ち受けていて、おもわずため息。

人が陽気で、魅力的な景色もあり本場のタコスは美味しい。表面だけしか見えていなかったかもしれないけれど、固定観念だけであの国や宗教は危険だと、きめつけてしまうのは良くないとわからせてくれた国だ。旅の近況報告をSNSでしていたら「メキシコのイメージが変わった!」と言ってもらえて、伝えたり発信の大切さを感じはじめたのがこの頃かもしれない。


6、マチュピチュ/ペルー

死ぬまでに絶対に見たかった世界遺産第1位といっても過言ではない場所。WEBや雑誌であの景色を見すぎていても、現地で見たときの感動は薄れることはなかった。

運動は好きではない方だけど、上記写真の後ろにそびえるワイナピチュへの登山は即決で決定。マチュピチュ村までも、電車を使わずスタンド・バイ・ミーコース(南米行った人ならきっとわかるはず)を歩き、翌日にはワイナピチュに登るというハードスケジュールにも関わらず、自分でもよく歩けたなと思う。旅中はアドレナリンが全開なんだよな、きっと。

到着したときには、霧まみれだったマチュピチュも、ワイナピチュから下山してきたら霧も晴れて視界良好。最後には雨が降ってきたけれど、もう、この景色をやっと自分の見ることができた時の感動たるや。ワイナピチュはまた登ってもいいと思えるくらいに、辛かったけど心地よい疲れが残っていた。


5、ペリトモレノ氷河/アルゼンチン

パタゴニア地方は、当初行く予定がなかった場所。でもよくある旅人の話を聞いてたら行きたくなっちゃう現象にまんまとかかり、行ってみることに。

エルカラファテでペリトモレノ氷河を見て、エルチャルテンでフィッツロイ(アウトドアブランドPatagoniaのロゴモデルになった山)を見に行った。

パタゴニアの何がすごいって、もう日本じゃ見られないような大自然が広がっていること。南米にいくならば絶対に足を運んでほしいと思う。フィッツロイもそうだった。「山ってあんなにかっこいいの?」そんなことすら思ってしまったほど。「地球に住んでいる」ことを痛いほどに感じた場所だ。

早めに予約すれば、氷河トレッキングツアーにも参加することができる。私は直前過ぎて参加することができなかった……。

余談だけど、目の前に広がる水色の氷河はとても美味しそうで、かき氷にしたかった。絶対、美味しい。


4、イエローナイフのオーロラ/カナダ

一度でいいから見てみたい。そう願う人も多いオーロラを見るため、イエローナイフを世界一周のスタート地点に選んだ。調べてみると、オーロラの発生を追いかけながら探す移動型のツアーがあったのでそちらに決めた。

イエローナイフはオーロラが発生しやすいオーロラベルト地域にあるため、3日間ほど滞在していたら見える確立は95%と高め。到着した空港ではしろくまが出迎えてくれて、雪が降り積もるマイナスの世界だった。12月なのでイルミネーションで装飾された家も多く、あぁ、やっと旅が始まったんだなと実感させてくれた。

オーロラツアーがスタートし、「オーロラが出てる!」そう言われた見上げてみると見えたのは白い煙のようなものだった。よくテレビで見る緑色でゆらゆら揺れるものではない。ただ、カメラで撮影すると緑色になる。オーロラの光の力が弱いと肉眼では白く見えることがあるのだとか。

あの揺れるオーロラを期待していただけに、これは世界3大がっかりにいれるべきだと思いながら初日が終了。

そして、二日目。今日は発生しやすい確立が出てますよ!とガイドのお兄さん。お兄さんの言葉に胸が高鳴るツアー参加者たち。中には同じように世界一周中の夫婦がいた。(うらやましい)

凍った湖で待っていると突如光のカーテンが現れる。期待していた緑色のゆらゆら揺れる空のカーテンだ。それは勢いよく次から次へとオーロラを発生させていった。さまざまな形があり、よくみると緑色だけでなく紫や赤色も混ざっている。ブレイクアップと呼ばれる、オーロラの爆発だったらしい。

これは、もってる!!本当に幸先のよいスタートが切れて、大満足。世界一周だけど宇宙を感じることができた長い夜だった。


3、ドブロブニク/クロアチア

ドブロブニクの親善大使をしたいくらい大好きな場所。一周のルートを決めるとき、絶対外せない場所として、楽しみにしていた場所5本の指に入る。

なぜ、これほどにクロアチアのことが好きになったのか。景色が美しかったこともさることながら、私の旅のモチベーションを救ってくれた場所でもある。詳細はこの記事に。


オレンジの屋根とアドリア海のブルーのコントラスト。これほどにも絵になる場所が他にあるだろうか。眩しい太陽の日差しにアドリア海が笑っているかのようにキラキラと輝いていた。この時に見たアドリア海をこえる美しい海に、まだ出会えていない。


2、コムローイ/タイ

ただ一瞬の瞬間に全身鳥肌が立ち、その興奮から涙が出てきた景色。大自然でもなく、人間の手によって行われているお祭りではあるけれど、一斉にランタンが空に舞い上がるあの光景は、なんと表現したらいいのだろう。

この美しさはきっと写真では伝わらないし、言葉でもあらわすことができないんだよな。現地であの光景を見てもらいたい。

景色をみて涙を流したのは1位の場所に続いて2回目だった。世界一周中に訪れてはないけれど、ここはまた絶対に訪れたいし大切な人と一緒に眺めたい景色。


1、ウユニ塩湖/ボリビア

世界一周を決めた理由でもあるウユニ塩湖。写真を見すぎて感動がなかったという旅人もいるけれど、ここはいまだに自分の中で不動の絶景ランキング1位だ。

見渡す限りに広がる鏡張りの世界。もう、いろんなWEBメディアや書籍にテキストがあふれすぎてて表現の仕様がないのだけれど。人間、感動すると本当に言葉が出ない。「綺麗、すごい、やばい」そんな陳腐な言葉しか出てこなかったんだけれど、その代わりに涙があふれてきた。景色を目にして涙を流したのは、生まれて初めてだった。

きっとそれは、やっと出会えた最高の景色にただ感動したこともあるし、あのとき決断してよかったねって、もう一人の自分が囁いてくれたんだと思う。考えすぎる性格だから、旅に出ようと決断してからも悩んで考えて、でも答えは出なくて。世界をみたい気持ちだけで日本を飛び出してきた自分に、よくやった!って褒めてくれてたんだと思う。ずっと張り詰めていたものがぷつんと切れたような感じがした。

圧倒的に、中南米の大自然に心奪われたみたい。地球にはこんな景色があったんだって自分の目で見ることができたあの9ヶ月は、何にも変えられない人生の宝物だと強く思う。それも、あのタイミングで行けたこと。結果論になってしまうけれど一日でも選択がずれていたら怖いなと感じることもある。

生きてるうちにもっとたくさんの場所に訪れたいな。WEBで検索したら写真や動画はたくさん出てくるけれど、やっぱり自分の目で見てみたい。初めて海外に行った時に「アメリカってほんまに存在してるんや!」と感じたみたいに、存在を五感で感じたい。

旅、したいね。



ありがとうございます!これからも旅先や日常で感じたことを綴っていきたいと思います。旅で世界を、もっと素敵に。