見出し画像

2024年1月に読んだ本と、読書時間を日常に取り込むことについて。

1月に読んだ本は、5冊。もっと読めるかな~と思ったけど、夜の時間に少しずつ読んでいただけだったので、毎日コツコツと読んでいた感じになった。そんな1月に読んだ本を紹介します。

夫婦間における愛の適温/向坂くじら

ずっと読んでみたかった、夫婦がテーマになっているエッセイ本。相手への愛とか、愛ゆえに苦悶する様子とか、相手は結局は自分とは別の考え方や性格をしていることを認めることとか。夫婦という限りない近い存在でありながら、それゆえにどのような距離感を保ち、どのように一緒に暮らしていくのか。結婚後、私自身どのような距離感でパートナーと接すればいいのかはとても悩んだので、心に留めておきたい言葉にたくさん出会えてよかった~!!

実際、夫はわたしとは別の、かつ日々変化し続ける人間であって、夫がなにをするとも、なにをしないとも言い切れない。私がそのことについて予測を立てようとしても意味がない。だからどこかで覚悟を決める。これまでが大丈夫だったからと言って、この次も大丈夫であるわけがないが、思い切って「これまで」が続くように賭けてみる。これは、ほとんど信頼といっていいのではないか。

夫婦間における愛の適温/向坂くじら

この言葉がグサッと刺さった。人が変わっていくことは当たり前で、どれだけ近くにいたとしても、その変化は本人以外が関与しきれないものだ。ただそのなかでも、これまでに賭けて信じてみる。「これまで」の積み重ねで続いていく方の未来を信じる、という覚悟こそが信頼なのかな、って。とにかくどのお話もクスっと笑えたり、グサッと刺さったり、ふんふんと納得したり、たくさんの言葉を吸収できた1冊でした。

一人称単数/村上春樹

久しぶりの村上春樹。過ぎ去ったこれまでの出来事を振り返ると、人生を変えるような大きな出来事や出会いは鮮明に思い出せる。一方で、人生を変えるまでもない、あってもなくても変わらなかったであろう出来事や出会いも、ふとしたときに思い出されることがある。そんなとるにたらない、けれどなぜか心に在り続ける出来事について書かれている。

それらは僕の些細な人生の中で起こった、一対のささやかな出来事に過ぎない。今となってみればちょっとした寄り道のようなエピソードだ。もしそんなことが起こらなかったとしても、僕の人生は今ここにあるものとたぶんほとんど変わりなかっただろう。しかしそれらの記憶はあるとき、おそらくは遠く長い通路を抜けて、僕のもとを訪れる。そして僕の心を不思議なほどの強さで揺さぶることになる。

一人称単数

散歩をしているとき、誰かと話しているとき。ぽっと思い浮かぶ何でもない出来事がある。その出来事があったからといって人生が大きく変わったわけではなかっただろうけど、なぜかふとした拍子に思い出して、心を揺さぶってくる、そんな思い出について。

カフェで2時間くらいぶっ通しで読んでいたこともあり、深く深く言葉を受け取ることができた、印象深い1冊。

約束された移動/小川洋子

美しい表紙に惹かれて手に取った本。現実にありそうでない、少し不思議な話が集められた1冊。どれも味わい深く、読みごたえがあって面白かったな。とくに、ホテルのスイートルームの清掃係とハリウッド俳優の秘められた本の交換から生じる話が異国の雰囲気があって好きだった。ひっそりと綴られたストーリーに引き込まれて、ついつい読み進めてしまった。

こぽこぽ、珈琲

珈琲にまつわる数ページのエッセイが集まった本。このシリーズ初めて読んでみたけど、1つのテーマであるはずなのに、それ以上にそれぞれの作家の珈琲にまつわる情景が違っていて、読んだ後には丁寧に珈琲を入れて飲みたくなっていた。喫茶店で1杯の珈琲を口にするときのこと、部屋でゆっくりと珈琲を飲んで考え事をするときのこと、さまざまな種類の豆に思いを馳せるときのこと。それぞれのストーリーに深みがあって、あたたかい気持ちになれたなあ。

夢に迷って、タクシーを呼んだ/燃え殻

自身の日々の体験を基に、いつか忘れてしまう、でも心のどこかに留めておきたい記憶の断片を、抒情的に、時にユーモラスに綴った、燃え殻による断片的回顧録・完結編。

あらすじ

私にはほとんどない体験や気持ちが書かれていて、愉快に面白く読み進めることができた。きれいじゃないことも、恥ずかしいことも、言葉にして受け入れると感じることがある。そういったものが丁寧に書き起こされていて心地よかった。

本を読む習慣と仕組みを取り入れること

今月は、とにかく「本が読みたくなるような仕組みづくり」を意識して過ごしてみた。たとえばやったこととしては、

・眠る前の15分(もしくは寝落ちするまで)は本を読む
・図書館に行って本を借りる(月2ペース)
・カフェで本を読むだけの時間を作る

ということ。去年はただ「今月は◎冊本を読む」と目標だけ立てるものの、毎月挫折し、結局目標の本の数は読めなかった。なので、今年はまず「本を日常的に読みたくなる環境づくり」を心掛けた。

まず、本をそろえること。”目の前に読みたい本がある”状態を作っておくと、おのずと「読もう」という気持ちになる。逆に本がない状態のまま日常を送っていると、まず「読む本を探す」という行為から始まっていく。それだと忙しい日々のなかでは「本を探す時間」をねん出するのが難しくて、結局読めなかった、となるから。

そこで私はまず1月年始があけてすぐに図書館に向かった。7冊くらいを同時にバーッと借りて、そのなかから読みたい本を選んで読み進めていく。図書館に行くことによって「読む本を探す」行為から解放されて、自然に本に向かうことができるようになった。まずは、”次読む本が日常的に部屋にある状態”をつくるのが本が読みたくなる一歩になる気がする。

また、カフェで本を読むだけの時間を作ったり、寝る前に15分だけコツコツ読む時間を作ったり、意識的に”本を読む時間”を日常的に取り入れるのが大切だとわかった。意識的に時間を作らないと、あまりにも本を読む時間がなさすぎる。静かでひとりで入りやすいカフェに行ったり、個人の書店に足を運んだりして、本をグッと日常に取り込むのがいいのかも。

本を思うように読めなかった2023年の反省を生かして、まずは本が読みたくなるような仕組みづくりから取り組んだ1月。こうやってどんどん日常の延長で本が読めるようになったら。読みたい本はまだまだあるからこそ、日々のさまざまな断片で本を読む時間を作っていきたいな。

この記事が参加している募集

読書感想文

今月の振り返り

最後までお読みいただき、ありがとうございます🕊 サポートいただいた金額は、エッセイ本を作るためのお金に充てさせていただきます𓂃𓈒𓏸 よければスキ&記事のシェア、よろしくお願いします🕊 あなたにとっていい1日になりますように☕