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2024年2月に読んだ本と、心地のいい読書時間。

2月は7冊の本を読むことができた。ので、今日はその本についての振り返りのnoteです。


北欧時間/日暮いんこ

ああ、やっぱり私は北欧の人たちの生き方、考え方が好きだなぁと改めて思い知らされた本。どれだけ効率的に物事をこなすか、というよりも、どれだけ余白をもってじっくりと味わいながら生活するか、ということを大切にしていたい。デンマークの美しい街や風景の写真もたくさん入っていて、写真集のように眺めてしまった。定期的に読み返して、心を軽くして、また明日からゆるりと楽しもう、と思わせてくれる本でした。

成功したから幸せに「なる」のではなく、「幸せな状態の時間が長い」=「成功している」ということです。(中略)「好きなことをしている」=「幸せな状態の時間を過ごしている」=「成功している」として好きなことや楽しい予定だけで毎日が埋め尽くされているような状態を目指しています。

北欧時間/日暮いんこ

受いれる/加島 祥造

京都・西陣にあるブックカフェ「ことばのはおと」さんでたまたま手に取って読んでみた詩集。ゆっくりと時間をかけて言葉を受け取ってしまうほど、優しい言葉が並んでいて。「受け入れる」って、言葉にすれば簡単だけれども、生きていると、そんな簡単に呑み込めない出来事がいっぱいある。怒りや悲しみだって、受け入れて平然と前を向けたら、って思うけれど、やっぱり難しいこともある。

そんな時にまず「受け入れる」という選択肢がある、ということに気づいた。受け入れると、怒りや悲しみはそれ以上は大きくならない、という言葉にハッとした。無理にすぐ立ち直らなくとも、まずは受け入れて、増幅させないようにする、という選択があるのか、と。もちろんそれは、マイナスな要素だけではなくて、嬉しいことだってそう。受け入れる、受け取るの過程を大切にできたら、もう少し生きやすくなるのかなあ、と気づかせてくれた1冊でした。

月と雷/角田光代

わーーーこの本は面白くて一気に読んでしまった…!誰かに関わったことによる人生の変化の運命について、とても考えさせられた。放浪癖のある母親と、それに付き合わされてまともに1つの場所で生きられない智、そんな親子と一時期一緒に暮らしたことで、考えや生活が変わってしまったと感じている康子。どの登場人物にも共感ができるわけではないんだけど、話全体を通して、長い人生の中で誰とどう関わるか、というのは、そのあとの人生を少しずつ変えているんだよなぁ、と妙に実感した。

あんたね、何かが始まったらもう、終わるってこと、ないの。はじまったらあとはどんなふうにしてもそこを切り抜けなきゃなんないってこと、そしてね、あんたどんなふうにしたって、切り抜けられるものなんだよ、なんとでもなるもんなんだよ。

月と雷/角田光代

〈あの絵〉の前で/原田マハ

街にあるあの美術館、そこに飾られている〈あの絵〉の前で。それぞれの主人公が絵との出会いによって、自分と向き合い前に進んでいく。その気持ちの過程が丁寧に描かれていて、心が洗われた。たった1枚の絵だけれど、その絵を前にして、人が感動し、気持ちを宿して美術館を去っていく、そんな力があるんだなぁと思わされた話だった。

私がこの話のように、美術館で心が動かされ忘れられない〈あの絵〉は、オランダのゴッホ美術館で出会った『ラ・クローの収穫風景』だったな、ということを思い出す。あの絵を前に、動けなくなったこと、その静かで穏やかな絵の風景に心まで軽くなったこと。そんな物語が、一人ひとりにあるんだろうな。

モネのあしあと/原田マハ

大阪中之島美術館で開催されている「モネ 連作の情景」を見に行く前に、モネについてもっと深く知っておきたいと読んだ本。

結果、本当に事前に読んでおいてよかった!!!モネの人生や、印象派がどのように形成されていったのか、モネの特徴である連作に対する想いなど、事前にインプットしておいたおかげで、いつもの美術鑑賞よりも、もっと深い部分で感じ取ることができたように思う。

マハさんの美術解説は、学芸員×作家の掛け合わせで読みやすくて難しい歴史や美術についてもスッと入り込んでくれるから、いい。難しそうだな、と敬遠していたほかの小説も読んでみたい!

整える、こと/広瀬裕子

こちらは大阪にあるブックカフェ「ホンのジカン」さんでたまたま手に取って読んだ本。なんだかやる気が起きないとき、心がざわつくとき、そんなとき、つい適当に過ごすことを選択してしまうけれど。「整えよう」という気持ちを巡らせてみると、「少しでもいいから、自分がご機嫌になる方法を選択してみよう」と思える。すべて整えられなくたっていい。「整えてみよう」という意識をもつだけで、すでに整えられ始めているんじゃないか、そんなことを思わせてくれる内容だった。

丁寧で、心に軽やかに入り込んでくるテキストで、スッと心が軽くなる。そんな文章を私も書きたいなあ~。

なめらかで熱くて甘苦しくて/川上 弘美

川上弘美さん、読んだことないなあ、読んでみよう、と図書館で借りてきた本。短編集で、単に恋愛にとどまらず、ザラリとした感情がたくさん詰まっていて、生々しくも非現実的で、でもリアルで。そんなぐるぐると巡る話たちだったな。私はわりと現実主義なので、途中で浮世離れした展開が始まるとどうも距離を取ってしまうなあ。。

心地いい空間で、心地いい読書時間を

2月は読書時間を意識的に確保し、心地のいい空間で本を読む時間をたくさん作れた1ヵ月だった。ブックカフェでたまたま気になった本を手に取り読んでみる。そもそも、素敵なブックカフェだなぁと思う場所には、足を運んでみる。図書館に本を借りに行く。コーヒー豆を新調して、家で読書を楽しめるような環境を整える。

そういった、さまざまな意識や行動が相まって、本をたくさん読めたのではないか。本を読もうとしてみることで、改めて、私には言葉と自分自身と向き合う余白のような時間が心より大切だ、と思い知らされる。本を読む、ということは、私を心地いい空間に連れ出してくれる、心地いい気付きに出会わせてくれる、そんな行為なのだと。

3月は、あたたかくなってくるので、公園や鴨川でレジャーシートを敷いて本を読む時間を作りたいな~!

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