思い悩むことがあれば、逃げるように鴨川へ
辛いことがあったり、悲しくてどうしようもなかったり。なんだか言葉にできないモヤモヤがあったり、誰かにそれをぶつけたくなってしまったり。そんなときに、皆さんは何をするんだろうか。
私はそうやって気分が沈んでるとき、自然と鴨川へと足を運んでいることに気づいた。空が広い場所に行って安心したいのかもしれない。走ったり楽器を演奏したりする人たちを見て1人じゃないんだと思いたいのかもしれない。
理由はよく分からないけれど、「これから気分がどんどん落ちていくかもしれない」と認識したら、まずは部屋の外に出て、ただただ広い場所に行ってみたくなる。
向き合うことも大事だけど、たまには逃げることも、同じくらい、大切。逃げるように鴨川へ向かって、ただぼーっと過ごしたり歩いたりしていると、家に帰るときには、表面的かもしれないけれど、心がスッと軽くなっている。
表面的でもとりあえずはいいと思うんだ。どうせ気持ちは落ち込むんだし、解決できないようなことでモヤモヤしているのは分かってるんだし。解決方法を探してあげることだけが、自分自身への優しさ、というわけではなくて。
逃げる、やり過ごす、という一見ネガティブな行動で、まずはモヤモヤ落ち込む自分自身を檻から出してあげるような、広い場所に放ってあげるような、そんなことも必要かもしれない。
鴨川に逃げて、澄み渡る真っ青な空の広さに圧倒されて、川沿いをひたすらに何も考えず歩く。歩くのに疲れたら、いすに腰かけて家から持ってきたコーヒーを入れた水筒に口付ける。余裕があれば本を読んでみる。元気になったらまた川沿いをぼーっと歩く。逃げるように駆け込んだ鴨川に、じわじわと元気にされてゆく感覚が手に取るように分かる。
そんなものの繰り返しなのかもしれない。元気になって、またダメになって、よし頑張ろうと思っては、またモヤモヤして。モヤモヤの正体をしっかりと突きとたいと思うときもあれば、モヤモヤから逃げるようにあえて距離を取るときもある。そのときの感情にまかせて、私は私の機嫌を取ってあげる。
これはきっと、誰かに何かをしてもらう部類で癒やされるものではなくて。私でしか癒やせないものなのだと、ふと思う。思い悩むことがあれば、逃げるように鴨川へ。それを合言葉に、ただただ逃げてもいい。
逃げてもいいし、逃げ込める場所がすぐ近くにある、ということを知っているだけで、気分はうんと軽くなるものだ。
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