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キューバってどんな国?②

前回は、キューバがどこにあるのか、何語が話されているのか、そして、その複雑な歴史の一部を簡単にお話ししました。

さて、今回は、革命勝利から現在までの、つまりまさに今の一風変わった国となった歴史をお話ししたいと思います。かんた~んにね。


社会主義となったキューバ

キューバは現在、社会主義国家です。

勘違いされやすいのですが、フィデルは最初、国のトップに立つつもりはなく(別の人を大統領においていた)、また、すぐにキューバを社会主義国家にするつもりもありませんでした。
しかし、アメリカがキューバを取り返そうと侵攻してきたことをきっかけに、社会主義宣言をしたのです。

さて、そんな革命政権による歴史を語ろうと思うと、おそらく何か月もかかると思うので、今回は、その中でもポイントとなるところを絞ってお話しします。


平等な社会

社会主義となったキューバは、平等な社会の構築に努めます。

平等というのは、国民にすべてのことへの平等な機会を与え、経済格差もない社会ということです。

後でも触れますが、キューバは国にある、ありとあらゆるものを国営化(国が管理)しました。
そのため、企業(仕事)も国が管理(現在は自営業も認められるようになった)、つまり国民はみんな国家公務員でになったのです。

国家公務員と聞くと、「収入が安定していて、いい仕事」というイメージがありますが、キューバは経済的に貧しい国なので、低いお給料が国民一律で渡されている、というのが現実です。(2019年の平均月収は約21アメリカドル、つまり約2000円)

つまり、「乏しきを分かち合う」₁ということです。

しかし、平等な社会を目指したことで、良いこともありました。
それは、医療と教育が無料で受けられることです。
その質は、決して経済的に貧しい国だからと言って、「ものすごく悪い」というわけではありません。途上国としてはかなり質が良い方だとは思います。特に医療に関しては、あくまで素人目線ではありますが。
他の途上国へ医師や薬を輸出したりもしています(薬は先進国、敵対するアメリカへも)。

この医療と教育の無償化は、キューバが行った大きな改革であり、大きな遺産の一つだと私は思っています。
フィデルは独裁者だなんだと言われることが多いですが、この点に関しては私は彼を尊敬しています。
教育については、また後日とことん語らせていただきたいです。


アメリカと国交断絶

革命政権になってからの最大の問題は、アメリカとの関係です。

キューバから追い出されたアメリカですが、最初から仲が悪かったわけではありません。
きっかけは、キューバが、国にあるものすべてを国有化してしまったことです。それまでアメリカの物だった土地や、企業、なにもかもです。

これに怒ったアメリカが、キューバとの関係を切り、経済封鎖を始めました。
しかし、これはアメリカとの問題だけではありません。
アメリカが世界の他の国にも圧力をかけ、キューバと関わらないように仕向けたのです。
それにより、キューバは貿易相手を失い、世界で孤立。国にモノが入らなくなり、今でも経済難が続いています。

アメリカとの仲が悪くなったのとは反対に、ソ連が仲良くしようと声をかけてきます。
それ以降、キューバは社会主義圏に頼りっきりの時代を送ります(キューバは砂糖を生産し、食料や工業製品などはほとんど輸入)。

しかし、1990年のソ連と社会主義圏の崩壊により、キューバには何もモノが届かなくなり、ひどい経済危機に陥ってしまいます。
革命軍が勝利して以降、亡命者が相次ぎましたが、この経済危機の間にも多くの人が亡命し増しました。
彼らの多くが自分たちで作ったイカダでアメリカへ向かったため(バルセーロと呼ばれる)、亡くなった人もたくさんいます。まさに、命がけの亡命です。

さて、そんなアメリカとの激しい関係ですが、なんと、2014年12月、オバマ大統領が突然、「仲直りしよう!」と言ってきたのです。

こうして、キューバとアメリカは約半世紀ぶりに国交回復を果たしたわけですが……。

気付いた方もいるでしょう。

そう、トランプ大統領になってから、再びキューバに対する規制が強まり、元の関係に戻りつつあります。むしろ、ほとんど戻ったようなものかもしれません。
英語ガイドになった友達が、「観光客が減って仕事がない」と嘆いていました。


一方、キューバ国内では、フィデル・カストロが2016年11月に亡くなり、継いだ弟ラウルも2018年に引退。
現在は、革命後に生まれた、ディアス・カネルがキューバのトップに立っています。
つまり、世代交代です。革命の時代の人たちは、ほとんどいなくなってしまいました。
この世代交代がどうキューバの政治に影響するのか。
今後のキューバの変化が気になるところです。


だいぶ端折りましたが、なんとなくキューバについて知っていただけたでしょうか? 少しでも興味を持ってくれた方がいれば、うれしいです。


₁『キューバ現代史 革命から対米関係改善まで) 後藤政子 明石書店 2016(キューバのスペシャリストの先生の本でございます。ご本人とお会いしたときは、もう胸が高まりまくりでした。)


次回は、留学中のクレイジーなお話に入ろうかな~と、思います。
お楽しみに~。


読んでくださってありがとうございました~!
是非、スキ♥フォローよろしくお願いします。


Muchas Gracias♥

Chao chaoo


Misa


写真:フィデルが90歳を迎えてから、道路の壁に現れたフィデルの横顔と「90+」の絵。90歳以上生きる、という意味なのだろうか。しかし、残念ながら90で亡くなってしまいました。


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