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大人も子どももまっすぐでいい、ジュブナイルRPG / 「ペルソナ5」レビュー[PS4]

クリア時間、88時間。長かった~!頑張った~!!笑

自分にお疲れ様と言いたくなるプレイでした…。それでも、ボリュームたっぷりのシュミレーションパートと、うまく立ち回れば爽快に進むアクションパート、楽しみ尽くすことができました。

ぜひやったことのない人にはやってほしいタイトルなので、今回はネタバレなしでレビューしていきます!
作中スクショができないので、公式のスクリーンショットのみでご紹介。


ペルソナシリーズとは?

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現代日本の街を舞台に学校生活や友情、恋愛などの身近な出来事を体験しながら、同時に不可思議な噂や都市伝説などオカルティックな事件に立ち向かうジュブナイルRPGシリーズ。
『ペルソナ能力』に目覚めた少年少女たちが出会い、幾多の困難に抗い、成長していく物語が描かれます。
近年、TVアニメ、劇場版アニメ、武道館での音楽ライブ、舞台、漫画など
さまざまなメディア展開も行われ、日々拡大を続けています。
表題の『ペルソナ』とは、自分の中に眠る『別人格』が『伝来の神や悪魔』の姿となって出現したもので、強大な力を持つ『もうひとりの自分』です。

ペルソナは、タロットカードのアルカナによって大きく22種類(+α)に分類され、同じアルカナのペルソナはある程度似た性質を持つ。ペルソナには固有のランク(レベル)が存在しており、それに伴い能力値の上昇、新しい魔法・スキルを習得していく。また、成長システムやステータス設定に関しては作品によって大きく異なる。

ペルソナシリーズ初代「女神異聞録ペルソナ(PS、Win95/98)」が発売されたのは1996年。「女神転生」シリーズの派生として生まれたシリーズでした。当時のRPGはいわゆる王道のRPGが多く、勇者が北欧神話などをモチーフにした世界を冒険するものが多かったのに対し、「女神転生」や「ペルソナ」のような東京を舞台にしたRPGはかなり珍しいモノ。

中でもシュミレーション要素がある日常パートで、【コープ】とよばれるアルカナに対応する絆ランクがあり、深めていくと戦闘が有利になったり、ゲームが進めやすくなるというのが面白かったです。
コープイベントも人柄のよくわかるシナリオだったりと、愛着が沸くキャラクターも多かったです。

やりこみ要素もたくさんあるためクリア時間はかなり長くなりましたが(ラスボスの戦い方が下手&耐久戦&2回うっかり全滅したのでそれで2時間ほどロスしましたが…)、きちんと考えながら日常パートをこなすと戦闘はサクサク進むのでストレスなくプレイできる印象でした!

詳しくレビューしていきます!

頭を使うほど爽快な戦闘アクションが楽しい!

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プレイするまでは戦闘の仕様を調べていなかったため、あまり好きではないコマンド戦闘と気づいて、かなり落ち込んでいたのですが笑
そんなコマンド戦闘へのとっつきにくさを忘れるほど、戦闘が面白かった!

シンプルに敵と交互でアクションがあるのではなく、相手の弱点の属性で攻撃をすると相手をダウンさせることができ、「OneMore攻撃」となるのが特徴的な戦闘。こちらのターンが増えて敵をすぐ倒せるのが楽しく、弱点をなるべく付けるようにペルソナの技をいろんな属性にして…と考えたり。

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OneMore攻撃を続け、と「Hold Up状態」となる。全員で「総攻撃」を出して大ダメージを与えることもできるし、こちらのペルソナになってもらったりアイテムやお金を出してもらうよう「交渉」もできる。

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総攻撃で倒せなかったら攻撃を受けたり無駄にSP(攻撃を出すためのポイント)を使ってしまうし、経験値を重視するか、もらうお金の量を重視するかなど、その時々の攻略したいことによって、戦闘をどう終わらせるかを選べるのがほかにはないシステムで面白かった!

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戦闘は"パレス"と呼ばれる歪んだ認知が生み出した架空の世界で行われます。若干パレスは長すぎたり、ギミックが面倒なところもありましたが、後述の音楽によって楽しめたかなと思います。ただダンジョンが長くてここでやめた人もいるだろうな~というパレスも何個かありました。笑

痛快ジュブナイルRPGらしいストーリーは見どころ満載

プレイ前、私のペルソナのイメージは「勧善懲悪」。
ゲームのおすすめ動画やブログにもよく書いてあったのですが、逆にそこがストーリーに惹かれていなかった理由でした。

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勧善懲悪といいつつも、「私たちのやってることって、大人たちみたいな勝手なことと一緒なのかな?」と高校生らしく悩む展開もあったり、思ったよりもきちんと心情を描かれている感じがしました。なのでプレイ前に感じていた「ヒーローものっぽい勧善懲悪だったら感情移入できないだろうな」という予想はいい意味で外れてくれました

「心の怪盗団」として、悪い大人たちに搾取される子どもたち(一部大人たち)のため、悪い敵を「改心」させるというのが本作の目的。
どのキャラクターも大人たちの権力や欲に搾取されているバックグラウンドが多く、過去を乗り越えて自分の本音に素直になった瞬間(=自分のはめていた外面である仮面をとった瞬間)にペルソナを発動します。

若干かなり思い切った展開もありましたが、若々しく自分たちの正義によって突き動かされていくのが「ジュブナイルRPG」と呼ぶのがしっくりとくるストーリーでした。

最近は鬱っぽいダークファンタジーや、主人公の自己犠牲エンドのRPGを多くしてきたので、「俺たちにとっての正義を貫こう!困っている人を助けるのがやっぱ正義だ!」というテンションでできるRPGは久しぶりでした。明るい気持ちでできたので良かったです。笑

また、最初のシーンから回想という形で進むのも、どうなっていくのかワクワクしました。終盤に「そういうことだったのか!」というどんでん返しあり、食い入るように進めていけるシナリオだったと思います。

日常パートが戦闘を有利に!シュミレーションパートも面白い

正直、学生ライフを楽しむ気休めパートかと思っていた日常パート。この日常パートこと無限の進め方があり、とても面白いポイントでした…!

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主人公にはパラメーターがあり、「知識」「度胸」「器用さ」「優しさ」「魅力」の5つを日常パートで伸ばしていくことができます。コープを深めていくイベントの進行に、一定以上のパラメーターが要求されるので、バイトをしたり本を読んだり映画を見るという行動で、このパラメータをあげていきます。

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基本的には”放課後”と”夜”しか行動ができない(しかも夜はストーリーを進めないと行動できない)ため、どの行動を優先的にしていくかも自分次第。

好感度を上げるためにプレゼントを渋谷の地下モールで買って、イベントの時に渡したり、一定のパラメーターを伸ばすことによってさらに多くのパラメーターを伸ばせたりと、奥の深いパートでした。
神ゲ一と言われる要素はここだろうなと思いましたし、プレイしていて一番楽しかった要素です!

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”パレス”や”メメントス”(こちらは大衆の歪んだ認知という野良ダンジョンのようなものです)という戦闘ダンジョンへ行くと放課後も夜も行動ができなくなってしまうので、攻略を頭を使ってしないといけないのが大変でした。

完全版として2020年に発売された「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」ではダンジョン後も夜に行動ができるようになったり、一部攻略しやすくなっているそうです。

特筆したい「音楽」

ソフトを起動し、オープニングが流れ出したときから「なんてかっこいいテーマ曲なんだ!」と感動していたペルソナ5。

アニメーションはProduction I.G。シンガーはLyn(現在は稲泉りん)さん。ソウル系シンガーの声が、ジャジーなサウンドに乗ってどの挿入歌もかっこよかったです。
サウンドトラックをすぐにサブスクでダウンロードしました。笑

サウンドコンポーザーは目黒将司さん。
インタビュー内で話しているように、「主人公のような高校生の世代が『背伸びして大人の音楽を聴いている』と感じるような音楽ジャンル」を狙って作ってる、とのこと。
どの楽曲も日本人の私たちにはかっこよく聞こえます…!笑

戦闘中の曲も歌詞が入っている曲ですが、ザコの戦闘はミスなくプレイすれば4、50秒くらいで終わるように調整しているそうで、その直前に曲のサビが始まるようにしているのだとか。
簡単なバトルだと「物足りない」と感じ、逆に苦戦しているときはサビの盛り上がってる部分を聴けるという工夫をシリーズを通してされているそう。

確かにストレートに終わると爽快だけど、音楽は途中で切れてしまい、長引く苦戦のほうが燃えるような仕様でした。

アトラスで多くの音楽を手掛け、現在は独立されています。


総評


クリア後に「ペルソナ4」のプレイ画面を見たのですが、戦闘や日常パートのUIデザインもかっこよくなっており、進化しているなと思いました。
戦闘のリザルト画面やコープの確認画面は見にくさもありましたが、高校生らしい青臭いスタイリッシュさ(伝わりますかね?)のようなイケてる感じが伝わってくるデザインなのも作品がまとまっていてよかったです。

各ダンジョンは長いのでそこで躓く人もいるかとは思いますが、ストーリー・アクション・音楽・シュミレーション要素のすべてにおいて「面白かった!」と太鼓判を押せるゲームだったと思います!

わかりやすく「子どもを搾取する大人を懲らしめる」というものが、今の日本の社会でもあるようなシチュエーションに織り交ぜられて、それをあくまでも子どもらしく、解決していく。
シナリオは少し長いですが、筋がわかりやすいゲームでした!

完全版の「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」は未プレイですが、私は通常の「ペルソナ5」でしっかり楽しみ、結末がどう変わったのかだけレビューで見ました。笑
価格的には通常の「ペルソナ5」が買い求めやすい(+完全版のストーリーは賛否両論あるようです笑)ので、どちらをチョイスしてもいいと思います。

次回作のペルソナも楽しみです!

▼他のゲームレビュー

おまけ:noteユーザーさんのペルソナ5レビュー

拝読しました。面白いレビューばかりです。




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