病院側の「元気になる」と家族との認識のズレ
入院前までは高齢でもひとりで
生活できていたのに、
入院をきっかけに寝たきりに
なってしまった・・・
認知症が進んでしまった
という話は珍しくありません。
ご家族もそれぞれ自分たちの生活があるため、
仕事や子育て、家族の介護などで
なかなか面会に来れないこともあります。
治療が終わり、病院から今の状態を
伝えられ退院に向けた話が出た時に、
「自分でご飯が食べれなくなっている!?」
「自分でトイレまで行けなくなっている!?」
自分で自分のことができなくなっている。
それを聞いた途端、
命は助かったものの、この状態では
家に連れて帰れない・・・。
そういう現実に直面することは
珍しくありません。
退院が決まり久しぶりに会う家族の姿の
変化に驚き戸惑う家族も少なくありません。
治療をする=元気になる
むしろ、ご家族の中には
入院する前より元気になる
(ご飯が食べれるようになる、
歩けるようになる)を
期待されている方は少なくありません。
病院の役割は基本的には
「病気の治療をすること」
治療を最優先にした環境です。
この環境によって普段の生活よりも
必然的に活動量が低下します。
入院をすることで
入院前の生活能力の現状維持どころか、
それより生活能力が低下することの方が
多いのが現状です。
命を守るために安静が必要な時もあります。
若い方でも、10日ほどベッド上生活をすると、
筋力低下は免れません。
どんな状態でも
「入院さえすれば元気になって帰ってくる」
と入院に期待されるご家族は少なくありません。
病院側の「元気」とご家族側の「元気」の
認識のズレが大きいのです。
病気の治療と、生活するための身体能力の
維持向上させることは必ずしも一致しません。
極端に言えば、病院側は病気の治療が
終わったら退院。
その時に元通りに歩けるかどうかは
別問題なのです。
でもご家族側が退院時の状態として
期待するのは入院前よりも元気、
つまり日常生活を送る上での支障が
減っていることだったりします。
だから退院して足元がおぼつかない、
などがあると
「入院したのにかえって悪くなった」
とご家族が病院に不信感を持ってしまう
こともあります。
でも病院が悪いわけでも、
患者さんやご家族が悪いわけではなく
ただ認識がズレていることが問題なのです。
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