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大阪で終電

前回↓

出張で関西を堪能したあと、大阪に泊まることにしてみた。
大阪でたくさん働きたくさん飲んだので、終電で移動する。
そういや、関西で終電に乗ったのは初めてだ。関西にいた小学生時代はもちろん、帰省しててもこんな時間まで出歩くことって基本なかった。仕事の影響で悪い飲みを覚えてしまったなぁ。

大阪の終電、とても新鮮。関西にだって、愚かな飲み方したり大残業したりして、なんとか終電に飛び乗る人間が存在するんだな、東京と生活様式自体はそう変わらんなと思いつつ。やっぱりなんか雰囲気は違う。

まず東京とぜんぜん人口密度が違う。御堂筋線もまあ、そりゃ混んではいるけど、山手線や東武東上線とかの終電の方がはるかに地獄。

ホームまでみっちり人間で満たされてるあの絶望感は、御堂筋線や南海電車、近鉄電車などにはない。しかも駅舎も列車も、ここ数年でまあ大分きれいになったけど、東京みたいな『ありとあらゆるものが最新鋭です!我こそは首都!DX!ICT!がっはっは!』的な感じはなく、新しくする部分もありつつ、古いものをそれなりに使い続けていている感じがある。良い。

そしてまあ、当たり前だけどみんな関西弁。みんながみんな関西人。飛び交う地名ももちろん大阪。淀屋橋とか北浜とか梅田とか難波とか、あまりに懐かしい響き。身体にいいなぁ。やっぱり関西のことは相変わらず好きだ。今更ながら実感した。

中学で東京に引っ越してしまい、関西人としてはキッズの思い出がほとんど。関西人サラリーマンや関西人やんちゃ大学生の暮らしにそこまで思いを馳せたことがなかった。終電で見かけた皆さんのおかげで、ちょっと関西での生活の解像度があがった。ありがとう。

今後、地元にUターンするか否か、という大きな悩みがある。思い出補正なのか、地元愛こそ強いし、関西に残してきた親類も心配。特に祖父母。うちの家業だってどうすんねんという大きな問題もある。

でも、、残念ながら友人は圧倒的に東京に多い。学生時代の友人はほぼ東京だ。彼氏だって生粋の関東人。ジャズ仲間はもちろん東京だし、趣味の合唱については勝手知ったる東京のメンバーや先生以外とは絶対にやりたくない。ざっと、関わりのある人間だけで100人近くいるけど、そんな彼らと気軽に会えないのは結構辛い。

私は友達をどこでだって作れるのが特技。
現にいま転勤で関西でも関東でもない別のエリアにいるけど、自分でもびっくりするくらい友達は増えた。
でもやっぱり、学生時代の友人ってのは一生ものだ。今だって、当時の友人に会ったりジャズのセッションしたり合唱したりしたいがために、週末はほとんど東京にいる。

こんな状況で、関西なんか定住したら、友人に会えない苦しみでどうにかなってしまうかもしれない。彼氏だって関東に友人も仕事も集中してるから、それらを捨ててまで関西に引っ越す理由がなさすぎる。2人で転職までして、生活をゼロから立て直さなくてはいけなくなる。コスパが悪い。

そこまでして、関西にどうしても軸足を置きたい理由を見出せるだろうか。実家の家業はそりゃ心配だし、家族の助けにはなりたいけど、本業にできるだけの覚悟はない。あまりに田舎すぎて病みそうだし。

こんな感じで、全体的に東京にいた方が幸せになれそうなのに、関西への未練がなーんか捨てきれない。
東京の方が絶対便利だし、あまりに大都会すぎて首都圏以外の都市は全部ちょっと田舎に見えてしまうとかいう、やばい感性を手に入れてしまったのに。
小学生の頃は、世界一の都会は難波だと思ってたのに、帰省したら難波すらちょっと規模が小さくて田舎っぽいとか思うようになっていて、我ながら本当に悲しい。難波のことは素直に、めっちゃ人多〜!めっちゃ建物でか〜!めっちゃ都会〜!とか言って、おのぼりさん全開で見上げていたいのに。

こんな状態で、関西に無理してUターンでもしてから、関西へのときめきがただの思い出補正だったと発覚しようものなら最悪だ。街ちっさくてしょぼいなぁなんて思っちゃったらどうしよう。想像しただけで泣けてくる。

だから、今日みたいに仕事とかで滞在してみて、暮らしへの解像度を上げておくことは結構大切だったりする。街の規模や利便性を求めるのではなく、同朋たる関西人達と関西で暮らすその日々に喜びを見出せるようになると、不満もなさそう。今日もたくさん解像度上げられてよかった。

こんなこと言ってるけど、どうせ私は今度の転勤と同時に東京に住むことになるんだろう。親の再婚を機に人生の半分以上を東京で過ごしてしまい、残念ながらもうすっかり関東人だ。

私はちょっと前まで、ifの人生を頻繁に考えていた。
母が幼少期に亡くなっていなかったら。中学生の頃に引っ越していなかったら。多分当たり前に関西を離れることはなく、今みたいなジレンマもなく地元での人生を謳歌したことだろう。それはそれで沢山悩みもあったろうけど、2つに割れた地元のアイデンティティでこんなに揺れ動くことはなかったと思う。

最近は、今の人生の全てがきれいに繋がっていることに気づき、全部必然だったんだなと思えるくらい気に入っている。

ただこの先については、結構大きめの選択肢が沢山待っている。こればかりは、今までの人生経験を参考にしつつも、しっかりと自分で選び取っていかなくてはいけない。関西か、関東か、二拠点どっちもとるか。おおいに悩め、私。

そんなこと考えてたら目的地についた。駅メロが良すぎ。あぁ〜!!関西やっぱ帰りたいよ〜〜〜!!!

↓続きます

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