夏の蒸れたがる仲間たち
毎日暑くて暑くてたまらない日本の夏。
9月に入り、少し、ほんの少し、塩胡椒少々くらいには朝の気温は下がった。
年々と気温は上がる。
湿度もおまけ以上についてくる。
そうは言っても動かねばならん。
夏にめっぽう弱い私は、急激に運動不足になる。
元々不足しているところからさらに減っていく。
自転車で行くか、短距離のみ歩くか、いつも葛藤している。
母に「その迷う時間がもったいない!」とよく言われていたのを思い出す。
しかし、玄関のドアを開けた瞬間、その葛藤も無念に終わる。
自転車一択しかない。この暑さの中歩くなんてどんな拷問?
自転車の練習をしてくれていた小2の私、ありがとう。
最近3、4歳くらいの子がよく自転車に乗っているのを見かけるが、本当に驚く。
そんなに小さい頃から乗って大丈夫なの?!
親がついてるとはいえ、道路の危険判断できるの?
道の幅、速度、止まり方、危険予測。
君らからしたらおばさんの私は心配なのよ。
ええ、わかってる、身をもって経験しないと人は学ばないのよね。
(30代を前にした私は、先日夜間にスピードを上げて走行中、ボラードに激突したの。ボラードって知ってる?私もこれを書くために調べて初めて知ったわよ。でも大丈夫。軽いむち打ちになっただけよ。これをネタにできるだけの強さはあるわ。ありがとう。)
人様の心配はさておき、
暑いながらも主婦や女性陣は、夕方のお勤め軍団を避け、日中買い出しに行かねばならぬ。
ええ、日中出かけると言えば、そう、紫外線が気になるお年ごろ。
美白信者の多い日本。
色白は可愛くて綺麗なんだと刷り込みされて育ってきた。
でも暑くて引きこもりがちになると、日光を浴びれない。
日光を浴びないとビタミンDがあああああ!
うずうずしてくる私。
「シミやしわ、たるみにならないのであれば、焼けても良いのにな」
そう思ってるくせに、やっぱり焼けたくないと思ってしまう。
しかし、私よ、高齢になった時に骨粗鬆症で骨折したいか?
たくさん職場で見てきた、細くて色白だけど、骨折しやすい、ひょろひょろした女性高齢者。
95歳の女性患者に「日に焼けるわ。日傘持ってくればよかったわッ」と言われ、この歳でも骨粗鬆症になっても気にするのかと少し呆れたことがある。
そして最近、海外在住の日本人の方や、healthy思考の方が増えてきたこともあり、日焼けなんて気にしないわ♡タイプの方も増えてきた。
日焼け止めは塗ってるんだろうか?気にしていないんだろうか?
食事と運動で防げると聞くが、そうしてるんだろうか?いつもこんな疑問が湧いてくる。
彼女らを真似て、いつもより防備を減らし、意を決して外出する。
すると、向かいから日傘を差した人が歩いてくる。
「うぅ…。やっぱりもってくればよかったかな。」
お豆腐自分軸の私は、向かいから一人完全日焼け対策をした人が現れただけで、倒れてしまう。弱すぎる、しっかり立て!立つんだ!……。
結局間をとって、つばひろ帽子、UVカットマスク、UVパーカーで終止符を打つ。
これでいいんだ、と自分に言い聞かせて自転車を走らせる。
向かいから全く同じ、つばひろ帽子、UVカットマスク、UVパーカー民族がやってくる。
全く同じすぎて、もはや同志に思えてくる。マスクの下でニヤニヤしてしまう。
何人もすれ違う。明らかな不審者たち。
蒸れと紫外線と戦う私たち。見た目を気にしていないわけではない。
でも自分を守るため、すれ違う人にガン見されようが、チラ見されようが、明らかに変な目で見られようが、私たちは諦めない。
暑い、蒸れる、暑い。更年期の方々はもっと暑いに違いない。
夏の同志たちよ。まだまだ蒸れて、群れようではないか。
警察もわかってくれている。不審者上等。
いや、くノ一女忍者として生きよう。
ん?むしろ、くノ一頭巾ってありじゃないか?
ほぼ一緒じゃないか?
逆に、「あ、忍者なんだ」って変に見られないんじゃないか?
全国のくノ一たちよ、懸命に夏を生き抜こう。
ドロン。