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【映画】-ダサくても不器用でも「自分」を生きる-『百円の恋』における引きこもりの起死回生物語

【映画】-ダサくても不器用でも「自分」を生きる-『百円の恋』における引きこもりの起死回生物語

※映画のネタバレを含みます。

『百円の恋』を観て思ったこと映画『百円の恋』は、安藤サクラ演じる一子(いちこ)が、無職から脱却しボクサーになるという物語である。あらすじだけ見ると、よくありがちな逆転成功ストーリー。しかし、映画の中で描かれているのは綺麗事だけではない。

主人公である一子をはじめとして、彼女を取り囲む人たちもどこか変で、ぎこちない。

ボクシングを引退し、無気力になったボクサー

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【映画】前澤友作の命を懸けた挑戦−『僕が宇宙に行った理由』−

【映画】前澤友作の命を懸けた挑戦−『僕が宇宙に行った理由』−

かっこいい。

この一言に尽きる。

文字通り、命を懸けて宇宙旅行に挑戦して、自らの手で夢を掴んだ男、前澤友作。

さっき、『僕が宇宙に行った理由』という映画を観た。ZOZOの元社長である前澤友作が、日本人初の民間人として宇宙旅行に行くまでのドキュメンタリーである。

と彼は言っていた。

日本人初の、民間人の宇宙旅行。

彼の大きすぎる挑戦は、どれほどたくさんの人に勇気を与えたことだろう。

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【映画】木漏れ日という生き方-『PERFECT DAYS』における新しい労働者階級の描き方-

【映画】木漏れ日という生き方-『PERFECT DAYS』における新しい労働者階級の描き方-

※この記事はネタバレを含みます。

描かれる対比この映画では様々な対比が描かれているが、主にそれは主人公の「平山」と彼の姪である「ニコ」を通して描かれる。

平山は労働者階級であり、ニコは上流階級の家庭で育つ。平山がアナログでガラケーやカセットテープなどを愛用しているのに対し、ニコはデジタルを使いこなす現代っ子で、スマホを持ち歩きサブスクの音楽を聴く。「住む世界が違う」と平山が劇中で発言する通り、

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【映画】人生という旅路 -『青春18×2 君へと続く道』-

【映画】人生という旅路 -『青春18×2 君へと続く道』-

観ているうちに、猛烈に旅をしたくなる

そんな映画だった

台湾の熱い風を感じ、福島の雪景色にしんとした冷たい空気を感じた

自分もアミと一緒に旅をしたようだった

旅先では新しい出会いがあり、別れがある

また会う人もいれば、二度と会わない人もいる

再度訪れる場所もあれば、二度と訪れない場所もある

私は旅特有のその刹那が好きだ

知らない人に会い、見たことのない景色を初めて見る瞬間が好きだ

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