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75.下馬評

目次

前回の「74.勇者転生」の最後、
次回からいよいよ箱根駅伝予選会当日編、はじまりまーす!!!
と勢いよくお知らせしたのですが、まだ書き残したトピックがあったので、当日編はお預けです(笑)。スミマセン。

2019年10月時点における、陸上関係者や駅伝ファンの筑波大学に関する評価、いわゆる「下馬評」はどのようなものだったのか。
それを知る手がかりがマスコミ記事に残っている。
予選会に先駆けてスポーツ報知が発表した、第96回箱根駅伝予選会の順位予想記事を紹介しよう。

歴史的な大混戦だ。95回記念大会だった前回から出場枠は、関東インカレ成績枠(日大)を含め2減。予選会の上位10校しか本戦に進めない。今年新春の箱根路を駆けたチームが少なくとも2校は敗退する。優勝回数ランク1位中大(14回)、2位早大(13回)、3位日大(12回)、5位日体大(10回)、6位明大(7回)の伝統校も予選会の参戦を余儀なくされている。
(中略)
 かつては常連校だった専大、亜大などはボーダーラインよりやや下か。【苦戦】は免れないだろう。

スポーツ報知2019.9.28(上記リンク先)より引用

学生時代に箱根駅伝予選会を4回走ったという「予選会の悲哀」を知る男、竹内記者による筑波大学の評価は「苦戦」ライン。
前年の第95回は記念大会で、通常より2枠多い22校+関東学生連合チームの23チームが出場していた。前年より単純に2校減るうえ、伝統校・常連校も予選会に回ってきている。ボーダーラインまでの大学のうち、麗澤大学以外は2000年代に入ってからも本戦出場経験のある大学だ。
苦戦というランクに入れてくださってはいるが、本文に大学名を取り上げられていない時点で、その注目度を察してほしい。

記事中の「本誌予想」図だけだと定量的な情報がないので、陸上に詳しくない人は、実力の差がわからないかもしれない。
ある陸上長距離ファンの方が、エントリー選手の資格記録(予選会申し込み時に申請した、対象期間内の10000mベストタイム)をもとに、わかりやすいグラフを作ってくださっているので、合わせてこちらも見てほしい。
これによると、筑波大学は上位10名の平均タイムが20番目だ。

これを見て、筑波大学が予選会を突破すると予想できた人がいたらだろう。
つまり、まったく「ノーマーク」だったのである。

マスコミだけではない。駅伝ファンの中には、各校の選手のデータを分析して、自分なりの順位予想を立てている方も大勢いた。夜月蓮さんもその一人だ。

筑波大学の評価は、大方このような感じだったと思う。

【筆者注】「看板争い」とは、結果発表のとき、ステージ上の大きな結果発表ボード(看板)に大学名が掲げられる、15位までの順位争いを指す。

3か月前の7月に駅伝主将交代という大事件が起きたこと、さらに、持ちタイム上位だった一部の選手がこのプロジェクトから離脱していることを、駅伝ファンはみな知っていた。
ネット上には様々な憶測が飛び交い、筑波大学の印象は決して良いとは言えなかった。コーチを務める弘山勉さんへの風当たりや批判も強かった。
予選会突破を信じていたのは、当事者である筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトの面々だけだったと言っても過言ではない。
私も信じたい気持ちはあったけれど、予選を突破するかどうかは、正直どうでもよかった。彼らが自分の信じる道を全力で突き進み、その結果を誇らしく思えるのであれば、それでいいと思っていた。

私にできるのは、ただ彼らを信じて応援することだけ。

それから、筑波大学が本当に「生まれ変わった」チームであることを伝えること。そのために、何にも知らない陸上シロートが、勇気を振り絞ってつくばまで会いにいったのだから。
この目で見た彼らの雰囲気を一人でも多くの人に伝えようと、かなり踏み込んだ内容もTwitterでつぶやいた。

もしかしたら、何かをうっすらと感じていたフォロワーさんもいたかもしれない。

補足だが、大土手主将に関する私の発言については、筑波大学の予選会エントリー表を見ていただきたい。

第96回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会 エントリー一覧より抜粋

この時私は、実態とは少しかけ離れた解釈をしていた。エントリー表には入っていないが、資格記録だけで見ると、彼より記録がよいメンバーもいた。だから彼がエントリーされているのは「主将」だからだと思いこんでいたのだ。
彼がこの時点で急激に調子を上げてきており、実力でエントリーされていたことを、後に知ることになる。
本当に、目に見える数字だけで判断してはいけない。

***

このエントリー表によって、またもや筑波大に関するちょっとした「さざ波」がネット上に立った。
川瀬宙夢くんの学年欄に燦然と輝く「5」の数字を見て、「筑波大学は、留年している学生が予選会に出るのか」という趣旨の発言がチラホラ。
ちょっとお待ちを。留年してたら「5年生」にはならないでしょ?5年生がある学部ってご存じですか?
スルーしておけばいいのに、おせっかいオバちゃんよろしくいそいそフォローアップ。

まぁ私もね、川瀬くんのことを知るまで、無知だったんですよ。

医学群(部)が6年制だってこと。


……というところで、もういっこ、予選会前日にものすごい事件があったのを思い出した!
続きは次回で!

ひさびさに次回タイトル予告:

頭文字D(イニシャル・ディー)

※とうふ店ではありません。


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