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映画録:ファッション・リイマジン

何してる時やったかな。多分ファッション小売についてリサーチしてる最中やったと思う、何かでファッション・リイマジンの宣伝に行き着いた。

こういう映画って結構あって。と思っていて。
パッと思いつくのはThe True Cost。

ただ、The True Costは見たことがなくて。なんとなく表面的な印象を抱いていたから。(見たこともないくせに失礼)
あとは、「We Margiela」がんー微妙。って感じの映画やった印象もあり。
その後に発表された、「マルジェラが語る”マルタン・マルジェラ”」は良かったけど。
つまり、第一印象はあんまよくなかった。まあ半信半疑くらい笑
で、著名人のコメント?みたいなのに、知ってる面々がたくさんコメントを寄せてて、人によってコメントのボリュームが全然違うくて笑
最後のコメントが超長文で、泣いたっていう感想があり、「そんなことある?!」と思って印象には残り。
ただ、最初の方の錚々たるメンバーのコメントがちょっと美辞麗句というか。飾りのようなコメントに(私は)見えんこともないなーっていう感じやったのと、
さらに、Mother Of Pearl?そんな有名やっけ?みたいなデザイナーの印象とで、迷ったけど、タイミングやし、たまたま祝日暇やしたまには行くかー!と思って行ってみた。
(根が捻くれておりすみません)

あと、映画の趣旨が「サステナビリティを追求したブランド、その実現までの道のり描きます!」て感じやのに、ゴテゴテの装飾まみれのプレゼンテーションの写真が載ってて、うそやん?真剣じゃなくない?って感じてしまったのもあった。

↑ゴテゴテやなーって思ったやつ
https://www.flag-pictures.co.jp/fashion-reimagine/

で、見終わってきまして今。なのですが、、、





泣いてしまった笑

途中の馬・羊・アルパカが幸せそうに伸び伸び暮らしている大自然、そこに佇みはるかロンドンからウルグアイまで羊毛生産者を訪ねたエイミー(デザイナー)とクロエ(商品開発担当)の2人が、息を呑んでただ"beautiful"とこぼす場面。

パリの展示会で各国のバイヤーから厳しい現実を突きつけられるも、ロンドンのコレクション・展示会で成功をおさめ、母から素敵な詩が届く場面。

自分たちが納得のいくものを、地球を共有していること、そこに責任を持って物事を実現させていくという熱意で通じ合ったウルグアイの羊毛生産者のペドロがロンドンのアトリエに訪れ、自分たちの羊が美しい洋服に生まれ変わった姿を見て心から目を輝かせていること。

彼ら一人一人の本気度と、実行に移す上での難易度と、心の繋がりを見せつけられ、深く刺されたような気持ち。


ちょうど最近、やはり自分に真っ直ぐに生きようとすると、幼少期の原体験に行き着くよなと、そして幼少期の原体験って、概ね両親の影響を受けるから、やっぱり両親の背中を追った結果の職業が転職であることは多いよな、などを考えてた矢先
エイミーの父は環境活動家。母は生地屋で働いていた環境で、風で自家発電しちゃうような家庭、庭は広大で馬が走っているような家庭、で育ち、さらに昔から何時間でも絵を描いていられた、そこからファッションの道を選んだ理由は潔く、最初はモテのための社会ツールだった、みたいなことを言っていて、
ファッションに最初に傾倒するフックってそういうところだよなーって改めて思ったし、両親の影響を良い意味で受け、生育環境をバックボーンに、だから彼女にしかできない、って思わせる服作りだなと思った。

ウルグアイ訪問後の、ここが自分の生きる道、ここが自分らしくいられる場所、みたいな発言が印象的。
誰にでもそういう、ああここがHomeやなってところがあるはずやなと。

違和感をやり過ごさず、見て見ぬふりをせず、自分の熱心に真っ直ぐで忠実で、困難を苦しみながら乗り越え実現していく様は、どんな大人にも刺さると思う笑

ちなみに最初に言及したパールの海(ピンクの画像のやつ)は、
再生プラスチックを利用していて、化学繊維を洗うたびに流れ出るマイクロプラスチックが氾濫した海を再現しているということと、売上の10%を海洋プラスチック削減のために寄付することのアナウンスもしていて、
きちんとポリシーとインスタレーションが繋がっていて納得。
(もちろん、ブランド名のMother Of Pearlにも繋がっているし)
実際、モデルたちがプールに飛び込んだり、カメラマンがプールから出てきたり、デザイナーのエイミーが下半身パールを模したボールに浸かりながらインタビューを受けたりしていて、ユニークでユーモアがあって良かった。

自分の命題である「新しい小売」を考える良いインスピレーションにもなりました。
素敵な映画をありがとうございました。

2023年11月3日 文化の日

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