鈴木美央

O+Architecture合同会社 代表 / 博士(工学) / 東京理科大講師 / …

鈴木美央

O+Architecture合同会社 代表 / 博士(工学) / 東京理科大講師 / 著書「マーケットでまちを変える 人が集まる公共空間のつくり方」(学芸出版社)

最近の記事

【読書ログ】 日本流通史 小売業の近現代 満薗勇著

日本流通史 小売業の近現代 満薗勇著 来月から始まる埼玉県の商店街ワークショップとこれから書く原稿に向けて積読から読んだらめちゃくちゃ勉強になった。 。 商店街は商店街組織の特性として、場所の縁によって結ばれる「所縁型」組織であり、そもそも合意形成が難しい組織であると。これはすごく大事なことだろう。ネガティブな意味ではなく、そもそもそういう特性があり、あたりまえなのだからその中でどう進めるべきかを考える必要がある。 1984年に通産省のビジョンとして経済効率性だけでなく社会的

    • 母のこと

      ずっとやらないとと思っていたことは、この想いを言葉にすること。 でも、やっぱりずっとできなかったんだけど、年を跨ぐ前にトライしてみよう。 母が春に亡くなってから、まだそのことをどう捉えていいのか分からないままでいる。 二年前の春に難しいガンが見つかり、夏にはセカンドオピニオンを含めて手術ができないことが分かった。抗がん剤も効きにくいガンだったから抗がん剤治療も受けない選択をした。 二年前の春からから自分が少し浮かんでいるような感覚をずっと持っている。母が亡くなってから

      • 子育てとテレビとセルフラブ

        リビングで仕事していると「ゆうまくんにふさわしい女の子になりたい!」って言葉が娘が見てるアニメから聞こえてきたので、「ふざけるなー!」と私の想い説明。 テレビを見ている時はこどもたちのムードを壊さぬよう、面白くやったのでうけましたが、見終わってからちゃんと話した。 自分がどうなるかは自分で決めるべき。 「好きな男の子がいたとして、毎日スカート履いてって言われたらどうする?」ってシュミレーションまでしてみた。やりすぎかな。 私が苦手なキラキラ女子系アニメ。 家に一日居るよう

        • 自分の主権を取り戻す、小さなアクションの話

          ある撮影で、複数名の男性と私で写真を撮ることになった。全員プロフェッショナルとしての登場だ。 カメラマンの指示で立ち位置やポーズを決める。何カットか進むと、男性の1人に腕を組むよう指示がある。また何カットが進むと、私に手を祈るように組む指示がでた。 むむむ、私こんなポーズしないし、腕組みの方が自然だ。何より、これ絶対男性にはやらせないポーズだなと思い、勇気を出して声を出した。 めんどくさくてごめんなさいと前置きした上で「女性的なポーズはしたくないんですよ。」と。 もちろん理

        【読書ログ】 日本流通史 小売業の近現代 満薗勇著

          “ふつう”

          夕食前、夫とごはんを早炊きするかどうか話していて、こどもたちにおなかの空き具合を聞いてみた。 あんまり空いていないとうので「じゃあ、普通炊きで!」と私が夫に言うと、横にいた次女(5歳)が「”ふつう”はないよ。」と。 彼女たちが「ふつう」って言葉を使うと私が「"ふつう"って何?」と聞き返すせいだと思うのだけど。 およよ、これはちゃんと説明しておかないとこどもがどこかで困るかもと他の人が使う時は気にするなよという意味を込めて説明した。 「普通って言葉を使う人はいると思うし、

          “ふつう”

          公園の主役は誰か?【もどかしさ → 提案 → 設置】

          誰もが公園の主役になりえるけれど、主役の一人は間違えなくこども。 コロナ禍において各地の公園の遊具が使用禁止になったが、こどもが好きだった遊具には使用禁止のテープが巻かれ、まるで事件現場のようだった。 そこに付随して貼られた看板は、公園が好きなこどもが読んでどう思うかということへの配慮が欠如しているように思えた。 中にはふりがなをふっていない看板もあり、コミュニケーションする気がないのかなとすら思えた。 個人的には遊具の使用禁止自体は違和感がないのだけど、こども不在の一方的

          公園の主役は誰か?【もどかしさ → 提案 → 設置】

          みんな違うんだ。 _ コロナ禍から学んだこと

          みんな違うんだ。 当たり前のことかもしれないけどコロナ禍で私が学んだことの一つはこれだと思う。 身近な人に「今の状況(外出など自粛下の状況)どう?」といった質問をすると「案外楽しんでいる派」と「もうかんべんしてくれ派」の二つに分かれる。 (もちろん、前者の方もコロナウィルスで大変な思いをしてる方々への想いを忘れているわけではなく、自粛の状況自体をどう捉えているかということ) 話を聞いていると、この分かれ道はちょっとした条件の違いによる気がした。 自分、パートナー、こ

          みんな違うんだ。 _ コロナ禍から学んだこと

          こどもにとっての公共空間

          子育てをしながら「こどもにとっての公共空間」と大人にとっての公共空間は必要性の次元が違うんじゃないかってずっと思っていた。 外出が自粛され、遊具が使用禁止になり、一部の公園は閉鎖になった。 大人はリモートワーク、オンライン飲み会、オンラインイベントいろいろ置き換えることができる。日向ぼっこならベランダでもいい。家でトレーニングとかヨガとかして体も動かせる。 でも毎日公園で遊んでいたこどもにとって公園での遊びを置き換えることはなんだろう? 家でできる遊びとはだいぶ性質が違う。

          こどもにとっての公共空間

          「「小商い」で自由にくらす」(磯木淳寛/イカロス出版社)

          二冊の本から見る ”自分でつくる「まち」と「くらし」”磯木淳寛さんの著書「「小商い」で自由にくらす」(イカロス出版社)と私の著書「マーケットでまちを変える  人が集まる公共空間のつくり方」(学芸出版社)のお話しです。 磯木さんの著書の感想を書こうと思っていたのに、やはり考えがオーバーラップすることろが多く、自分の考えもたくさん書いてしまいました。本の感想を人に公開するのは子どもの頃の読書感想文以来で、読みにくいことろもあると思いますがお付き合い頂ければ。 書評からの出会い

          「「小商い」で自由にくらす」(磯木淳寛/イカロス出版社)