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自分の主権を取り戻す、小さなアクションの話

ある撮影で、複数名の男性と私で写真を撮ることになった。全員プロフェッショナルとしての登場だ。

カメラマンの指示で立ち位置やポーズを決める。何カットか進むと、男性の1人に腕を組むよう指示がある。また何カットが進むと、私に手を祈るように組む指示がでた。
むむむ、私こんなポーズしないし、腕組みの方が自然だ。何より、これ絶対男性にはやらせないポーズだなと思い、勇気を出して声を出した。
めんどくさくてごめんなさいと前置きした上で「女性的なポーズはしたくないんですよ。」と。
もちろん理解はしてくれたし、言えてよかったと思う。

だけど、なんだかもやもやする。
被写体になっている他のメンバーが私がジェンダーの話に敏感であることを知っていて、尊重してくれていることが分かっていても、言い出すことに勇気が必要だったし、妙な前置きをしたし、なんか申し訳ないと思う自分がいた。

他者が提示した自分の役割が、自分が思うものと違うなら、堂々と言っていいはずなのに。

自分のことに自分が主権を持つはずなのに、私たちは簡単に誰かに譲りすぎているのかもしれない。

違和感があっても、言われたようにやれない訳じゃない。
でも、それはやっぱり良くなくて、自分の足元から行動していきたい。
こういう小さなアクションが社会を変えるのじゃないかと、ほんとうに思う。
少なくとも、あの場にいたメンバーの中には、小さな気づきがあった人もいたのではないか。

短いあの瞬間に背中を押してくれたのは、noteやポッドキャストを通していろんな視座を教えてくれる、佐久間裕美子さんの存在だった。

自分を大切にすることが、結果として周りの人に「自分を大切にしていいんだよ」というメッセージになるのかもしれない。


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