【読書ログ】 日本流通史 小売業の近現代 満薗勇著

日本流通史 小売業の近現代 満薗勇著
来月から始まる埼玉県の商店街ワークショップとこれから書く原稿に向けて積読から読んだらめちゃくちゃ勉強になった。

商店街は商店街組織の特性として、場所の縁によって結ばれる「所縁型」組織であり、そもそも合意形成が難しい組織であると。これはすごく大事なことだろう。ネガティブな意味ではなく、そもそもそういう特性があり、あたりまえなのだからその中でどう進めるべきかを考える必要がある。
1984年に通産省のビジョンとして経済効率性だけでなく社会的有効性も同時に追求する必要があるとし、既に「『買い物空間』から『暮らし広場』へ」がキーワードになっていたという。商店街が暮らしの広場、すごくしっくりくる。今回のワークショップでは広場二スト山下裕子さんもメンターに来てくれるし、山下さんと一緒に掘り下げることが楽しみ。
他にも商店街の3つの敵として、外なる敵(大型店、交通体系の変化)、内なる敵(商店街内部の連坦性の欠如)、内々なる敵(商人家族としての性格の希薄化)と分かりやすく解説してくれたり、女性のいない「まちづくり」を解説の中で問題提起していたり。
エピローグではエシカル消費に言及しつつ「日本流通業の未来は、わたしたちの日々の選択に委ねられています。」としめくくる。かっこいい!

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?