記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

BOOK#33「2025年、人は「買い物」をしなくなる」

●今回読んだ本

「2025年、人は「買い物」をしなくなる」―望月智之著(出版社:クロスメディア・パブリッシング |2019年11月15日発行)

●内容メモ #ネタバレ

▽「買い物」とは?
人々は間違いなく「買い物をしなくなる」。
もちろん、お金を支払って何かを買うことがなくなるわけではない。なくなるのは、これまでの買い物におけるさまざまなプロセスだ。

店に行くことや、現金を用意すること、商品の現物を見ること、さらには商品を自分で選ぶことも含まれる。これまで当たり前だったプロセスが次々に省略され、そのうち「買い物をしている」という感覚さえなくなっていく。

「買う」という行為は、思いのほか面倒くさい。まず、店に行かないといけない。そのための身支度も整えないといけない。買うものが決まったらレジの列に並び、ようやく支払いを済ませる。店に着いたら今度は売り場を探さないといけない。目的の売り場に着いても、類似商品がたくさん並んでいる。そこから自分が求めているものを選ぶのも、けっこう大変だ。品質や機能をチェックしたり、値段を見たりと、比較検討することはいろいろある。買うものが決まったレジの列に並び、ようやく支払いを済ませる。買った商品を家に持ち帰るまでも買い物である。

▽近年の買い物における消費者行動
「ウェブルーミング」…商品探しをまずネットで行い、実際の購入は実店舗でするという消費者行動。
「ショールーミング」…実店舗で商品を探し、ネットで購入するという消費者行動。
※これらの消費行動が増えることで、従来の店舗の役割が奪われていることは確か。

▽今後の買い物における可能性
(1)傾向
今後は、「体験型」の店舗が生き残る時代になる。
その地方にしかない食材やイベントがあれば、物欲よりも“体験欲”が旺盛な消費者が、わざわざ足を運ぶことも増えていくかもしれない。

(2)魅せ方
ネットショッピングは、実店舗に買いに行くより便利だが、慣れてくると、いちいち見て比較するのが面倒になってくる。
情報が多すぎるのも、消費者には正直しんどいのだ。
そのため最近のECサイトは「情報をたくさん見せる」のではなく、「すっきりとわかりやすく見せる」傾向にある。

(3)顧客との接点
現在は多くのハイブランドも、「Unboxing(アンボクシング)」=「届く瞬間、箱を開ける瞬間のユーザー体験」を最も重要視している。

(4)若年者の検索行動
・若い世代は、インターネットブラウザから探すのではなく、スマートフォンのアプリから探している。
・彼らにとっては、「アプリから入らないとわかりにくい」という事情もある。ググってたくさん検索が引っかかっても、情報が多すぎてわからない。取捨が面倒くさいのだ。専用アプリ内であれば、安全性も高い。ググって検索して、怪しいサイトに飛ばされてしまうようなこともない。
・重要なのは、これからはこの「ググらない世代」が購買力を持つようになるということなのだ。今の10代が働き始める頃には、少なくとも買い物では、「ググる」はもはや死語になっているかもしれない。

▽プロモーション
・質よりも共感できるストーリーで売れていく(「共感」は「ストーリー」から生まれる)。
・個人がメーカーに。

【セオリー1】WhatよりもWhyとHow
「Wha/何をつくったか」よりも、「Why/なぜそれをつくったか」&「How/どのようにつくったか」が重要。この2つが語れないようであれば、そのビジネスは始めるべきではない。
【セオリー2】ストーリーは長いほどいい
たくさんのプロセスを細かく丁寧に見せた方が共感を得やすくなる。特に女性はその傾向が強い。

▽まとめ
買い物は、「自分で探して選ぶ」という形ではなくなり、AIが勝手に探してきてくれる、あるいは人からすすめられたものだけ欲しくなる。あとは、それを決済するかどうか。

サブスクの隆盛で、私たちは「モノを持たなくなる時代」に突入する。家には今使うものだけがある状態となり、住宅事情も大きな変化が起こるかもしれない。物置やクローゼットはなくなり、団らんのスペースが拡張されて、VR用の部屋が新しくできる。そして家そのものがサブスクになり、賃貸よりも容易なかたちで、自由に自分の好きな場所に住める時代になる。さらに流動化が進めば、「住む」という概念すら失われるかもしれない。

●その他

▽なぜ読みたいと思ったのか
タイトルに惹かれて

▽興味を持ったきっかけ
kindleunlimitedにあったので

▽この本を読むことの意義
時代に合わせたマーケティングの在り方のヒントを得たい

▽どんな本の内容だと思って手に取ったのか
買い物行動の変容と今後への提言

▽実際読んでみてどんな本だったのか
買い物という行動が因数分解されて、面倒と感じる要素がある部分が削り取られていくという話だった。中でも「若い世代は、インターネットブラウザから探すのではなく、スマートフォンのアプリから探している」という部分が、ハッとさせられた。言われてみれば確かに自分自身もそうなりつつある…!という驚きと衝撃と気づき。

▽タイトルをつけ直す(要約)とすると?
ググる時代は終わった

▽知らなかった単語(用語)について
・Unboxing(アンボクシング)…新しく入手したばかりの製品を箱から 取り出す一連の行為や経験を表す英語のスラング。日本語のインターネット スラングである「開封の儀」と似た意味で用いられる。
・ウェブルーミング…商品探しをまずネットで行い、実際の購入は実店舗でするという消費者行動。
・ショールーミング…実店舗で商品を探し、ネットで購入するという消費者行動。

●Amazon


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?