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茶道の「入り口」を、教える。

昨日はもう暑かったので
フライングして
7月からの着物である
薄物を着て勤務校へ。


月曜日は大変です。
本当なら洋服で行きたい。


A4の分厚い教科書を4冊
その他たくさんの紙類と
お弁当と水筒。



バッグを2つに分けても
バッグの持ち手がちぎれそうに重い。



満員電車に無理やり乗る。
着物は幅を取るから
肩身が狭いです。


日本語学校が
午前午後の2クラス8コマ。


午前の終了が12:35。
午後の開始が13:00。
教室に着いてからの準備が
専門学校よりかかります。

PCとテレビとDVDとCD。
それから自作の
絵カードやら文字カードやら、
はい、いいえうちわなど。

(yes noまくらではない)


午前と午後で
校舎がかなり離れています。


レストランを二軒、
一般のビルを三軒か四軒越して
Uターン。


速足で進みます。


次の校舎へ行くとき
一般道で
専門学校の学生に会いました。


「先生〜、今いいですか?」

ごめんなさい今
忙しくて、


と言ったのを気にせず
その学生は私を捕まえて
隣にいた美女に
私を紹介し始める。


なんだ、彼女ですか。
可愛い彼女を
私に自慢したかったのね。

こういうのって
何て言うんだっけ?

そうだ、リア充爆発しろ、だ。

※もう死語?


とにかく急ぐ。


午後のクラスは
日本語学校の割に
大人しいクラス。


飲み込みが早いし
指示には従うので
問題ないけれど、
裕福な中国人が多いと
こうなることがよくあります。


つまり、
あまり熱心さが見えない。


頭が良い子が揃ったから
簡単にこなせてしまうし、
日本語が出来なくても
生活に困らないので
頑張らなくてもいい。

大学進学目的の
日本語学校なら
話は違うのでしょうが、
ここは専門学校併設なのでね。


とにかく
裕福に育ったので
素行がよく
教師に逆らうこともしない。

淡々とこなす。
出席日数も
計算して休むタイプ。
ナンバーワンを狙わない。


ビザがあって、
遊べればいい。


初級のクラスですが
学生のレベルに合わせて
4コマ目だけ
N3と N2(中級レベル)を
入れています。


だからと言って
そこだけ熱心に
やることもない。


特に10代の若い子が
揃っているため、
勉強の大切さについて
まだ見えないことが
いろいろあるんですね。


若い分、とても可愛いのですが
教師には距離があるタイプ。

日本人の学生も
こうだろうな。



昨日は日本語教師の皆さんなら
お馴染みの
みんなの日本語
初級Ⅱ34課の会話。


茶道についての会話を
練習して発表します。

日本語教師であれば
なんちゃって、であっても
茶道を教える機会が
必ずあります。


書道、花道、着付も同様です。
嫌なら逃げる、という手も
ありますがね。


私も茶道は
3年しか習っていない
なんちゃって人。

それでも、
母が茶道の先生を
やっていたので
モノだけはひと通り
家にあるのです。


専門の方、ごめんなさい。
入り口に連れて行く役目、
と思って
ご辛抱くださいませ。




ここにあたるとき私は
茶道用のお茶碗を
夏用と冬用、
両方持参するのですが、

今年度はどうも
荷物が重い。


重すぎる。


どうやっても無理だ。


そこで
茶筅と茶杓を持って行って
その作り方を教えました。


それからお茶の飲み方の
動画を見せてね。


茶筅の作り方。




人が手で作ります。
機械を全然使いません。
まず竹をここまで切ります。
この方向も切ります。
ここも、こっちも、
同じ長さ、同じ細さで、切ります。


先が少し
丸くなっているでしょう。

これも人が、曲げます。

下の方に黒い紐がありますね。
これも人が、結びます。

全部手で作りますから
とても大変です。


「先生、どうして機械で
 作りませんか」

あれ。


珍しいね。くいついてくる。


機械だと
細かいところがうまく作れません。
そうするとお茶が
おいしく出来ません。


「それ(茶筅)でお茶の味が
変わりますか」


そうですね。
料理も、良い道具を使うと
上手く出来るでしょう?
同じです。


茶筅と茶杓を
回して自由に触ってもらったら
嬉しそうに眺めている。


茶筅でお茶を(エアーで)
たててみたり、
茶杓の節のところの感触を
確かめてみたり。


次から次へと
質問が来る。


極めつけが

「先生、茶道を習いたいです」


そこで
日本には茶道教室が
たくさんあることを
教えました。


学校でも秋ごろに
茶道体験会を
やることは少なくないので
その話もしました。


失敗したな。


留学生は若いと思っても
日本の伝統文化に
とても興味があるのが
常なんでした。


特に中国人学生は
茶道を個人的に
習っている人もいるんでした。


手が千切れても
お茶碗も持ってくれば良かった。


この授業ももっと
工夫すれば良かった。




お茶の飲み方の動画は
目を輝かせて見ていました。



茶筅の作り方も
職人さんが作っている
動画を探して
見せれば良かった。


休憩時間に
ある女の子が
私のところに着て
写真を見せてくれました。


「先生、見て。
私、着物を来ました。
高かったよ〜。
レンタルで2万8千円」


それはとても
仕立ての良い訪問着を
まとった彼女の写真でした。


おお〜、美しい。
とても似合っています。


私が着物を着ているから
見せてくれたのかな。
嬉しいですね。


淡々としていて
何の問題もなくこなせる
この子たちも
まだ10代から20代前半。


可愛い盛りです。


授業でつまづかないから
問題行動も起こさないから
ついこちらもサラリと
進めてしまうけど、


もっと気をつけて
興味の幅が広がるように
工夫しよう、と思えました。


忙しい日でも
着物を着てきて、良かったな。




そんな感じで
何とか学童保育のお迎えに行って
帰宅するなり、

倒れて夕食も作れず食べれず
今(翌日の11時頃)まで
寝込んでいた私💦


日本語教師になって10数年。
まだまだバランスが取れませんね😅

ありがとうございます!頂いたサポートは美しい日本語啓蒙活動の原動力(くまか薔薇か落雁)に使うかも?しれません。