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新学期と着物とアイデンティティー

どうでも良い誇りや矜持のために
生きている。

でも、その誇りや矜持が本当は
どうでも良くないのかもしれない。

👘👘👘👘👘👘👘👘👘👘

新学期は異常事態の連続でした。

毎年、春休み前にはお知らせが来る
担当クラスが、
今年は1週間前になっても来ない。

正確には、事前に来ていたけど
「変更あります」のお知らせが来て
その変更が、なかなか来ない。


教室は、当日になるまで
連絡が来ない。

レベルがどの程度か、
授業が始まるまで知らされない。

これは痛かった😭
どうやって授業準備するのよ…。


統括トップの先生の
突然の異動やら
専任の先生数名の辞任やらで
めちゃくちゃのスタートでした。


そんな中
もちろん初日から
着物で授業
しましたよ。


今年は1年生の様相が
かなり違います。

たくさんいたスリランカ人、
ミャンマー人、ネパール人、
ウズベキスタン人が激減
して、

代わりに増えたのが
中国人です。


漢字の分かる中国人と
その他の国籍の学生では
教え方をガラリと変えなければ
なりません。

漢字を使わない国の学生を
私たちは「非漢字圏の学生」と言います。

非漢字圏の学生
大概、積極的で
話が上手で、人懐っこい
です。

スピーチなどの発表も
割と好んでこなします。

一方で読み書きが苦手なので
提出物は苦労しているようです。

文法などを教えるにも
ていねいに、細かく
時間をかけて教えないといけません。

教科書を自分で読んで理解、が
難しいので。


宿題という概念が国に無かった
学生も多く、
「自宅学習」という習慣が
身についていない
こともあります。

「勉強は学校でするもの」と
思っている学生も多いので、
その分、授業中は真面目です。


それに対して中国人は
宿題、提出物は素晴らしい
です。

授業は聞かなくても
教科書に書いてあることを
自分で読んで即座に理解して、
課題を言われる前にさっさとやって
余った時間で内職しようとする。


彼らは、母国で
勉強アレルギーのようにさせられた
学生も多いのです。

中国人は中学高校で寮に入って
7時から22時まで毎日勉強した学生も
多数います。

そのため、
授業も集中して聞きません。

もちろん、学生によりますがね。

出すべき提出物は丁寧に、
指名されたら、それだけをしっかりと。
あとは内職。

成績が取れるポイントを
押さえている
んですね。

要領よく勉強しなければ
国で心身が持たなかったのでしょう。


中国人は人前で話すのが
苦手
な学生が多いです。

共産圏のためか、
自分の意見を言わないような教育を
徹底的に教え込まれてきた
、などと
言われます。

近頃は裕福な学生も増えて
海外の教育を受けて来た子もいるので
一概には言えませんが。

とにかく、スピーチをしろ、
というと喧嘩を売ってくる
のは中国人です。


積極的に挙手して、
と言っても、手は上がりません。

教壇で質問しても
反応しません。

ジョークを言っても
同様です。

昨日なぞドラえもんの絵を描いても
「愛情」ということばを教えるのに
「ウォーアイニー」と言っても、
反応した中国人は、何人いたことか。


授業中はとにかく静かに!と
教え込まれて、
それが習慣になっているのでしょうか。

非漢字圏だと、
ドワーっとウケるのですが。


教師がとても厳しくて
ムチで打たれた
、という話も聞きました。

そのため
教師アレルギーの学生もいて、
にらみつけてきたり
斜に構えて上から品定め
する学生もいます。

個々に話しかけても
完璧に私がそこにいないように
無視
されることもあります。

いわば教師は
家でつけっぱなしにしている
テレビの中の人
みたい。

とにかく「教師」というのは
自分のテリトリーの外の人
なのです。


最初は威嚇するように教師を見て
彼らのお眼鏡にかなうと
大変良くしてくれる
のですが、
そうやって信頼を得るまでが
なかなか難しい
です。

何度も言いますが、
全員が全員、そうじゃありません。


とにかく、今年はメインが
中国人の1年生を3クラス
受け持つことになりました。


彼らは丁寧に進めると飽きるので
スピード重視です。
その分、ちらほら混じっている
非漢字圏の学生に
気を配らないといけません。

また、積極性が全然なくても
ここを伸ばすように
努力し続けないといけない

言われたらやるけど、
指名されなかったらやらない、じゃ
日本で就職してから
困るもの。

この状況が久しぶりなので
疲れます。


だからね、
着物なんて正直洋服より
疲れるから、
着なきゃいいのですが。

※話がようやく
 ここに戻ってきました😅

だけど自分のアイデンティティーだ
とか何とか思って、
慣れていないクラスでも
授業数が多くても、着て行く。

しかも、今年は5階の教室が
多いので
階段往復が大変なのですが。

※この学校はエレベーターが
 コロナ禍中は使えません。

私をよく知らない先生に
階段でお会いして

「みおいち先生!!
 着物で階段で5階まで行くんですか??
 お荷物持ちましょうか?」

なんて言われましたが、
いえいえ。
日本語教師なので
大荷物を持ち歩くのは
慣れていますから。

※日本語教師は荷物が多いです。

着物で5階まで
1日に5往復、しかも急ぎ足も
慣れていますから。


その代わりに
帰宅したら廃人のように
なります。

でも育児が待っています

疲れます。非常に。

だからね。

よく分からないアイデンティティーなぞ
捨ててしまおうか
と思ったのですが、
とても素敵なnoteにて
私の着物記事を紹介して頂けました。

嬉しいですね✨
元気を頂けました。

クラスに慣れるまでの辛抱なので
もうちょっと着物で頑張りましょうか。

私に影響を受けて
着物に興味を持ってくれる方が
一人でも増えれば嬉しい
ですし。


無駄に長い文章になりました。

明日は終日空き時間のない
通し授業なので、
今のうちに明日の着物の写真でも
載せておきます。


「着物で黒板、大丈夫?」と
よく言われるので、
私の万能アイテムの
「袂(たもと)ひも」も
紹介ついでに、ね。

明日は赤い青海波模様のウールで行きます。
完全なる普段着の着物です。

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袂(たもと)はこうやって
ひもの両脇についたクリップで留めれば、
黒板に書く時も邪魔になりません。

画像2

ひもは帯の間に通しておきます。
光沢のあるビーズつきなので
キラキラで可愛いです。

作業中に着物を着たい方、
おススメですよ😉

ありがとうございます!頂いたサポートは美しい日本語啓蒙活動の原動力(くまか薔薇か落雁)に使うかも?しれません。