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【企画参加】誕生日にくれた、チョコレート。

chiyoさんからバトンを頂きました💕

chiyoさん、私をご指名くださって
ありがとうございます😊
楽しくも感動の企画ですね。
参加できて嬉しいです😆

ワンちゃん好き必見の
chiyoさんの記事はこちら。


企画はもちろん!
チェーンナー先生主催のこちらです。

心に残るエピソードですね!
承知致しました〜。

チェーンナー先生とは
日本語教師仲間なので
日本語教育の話で参加致します✌️


🍫🍫🍫🍫🍫🍫🍫🍫🍫🍫

あれは私が
現在の勤務校に併設されている
日本語学校で働いていたときのことです。

1年生のクラスつまり
来日1年目の初級クラスに
ネパール人のスバスくん(仮名)がいました。


スバスくんは
飲み込みがあまり
早い方ではありませんが、
比較的熱心に学び
そして何よりも
太陽のような笑顔が素敵な
学生でした。

彼は最初から
私によくなついてくれて、
英語や日本語混じりで
話をたくさんしてくれました。

彼が2年生になってクラス替えがあり、
私は日本語レベルが一番下のクラスを
担当することになりました。

その中にスバスくんがいました。

あれ?と思いました。

彼はそれほど出来ない方では
なかったからです。


そのクラスは
スリランカ人がメインでした。

学生の国籍の状態で
クラスは大変になる
ことがあります。


例えばネパール人大半の中に
スリランカ人が少数。
これは大丈夫。

だけど、スリランカ人大半の中に
ネパール人が少数。
この場合、クラス運営が
難しくなることが多いのです。


スリランカ人というのは
やんちゃで愛嬌があり
私は好きなのですが、
集まると授業中でもわ〜っと騒ぎ
授業に専念しなくなる
傾向があります。


ネパール人は
積極的で真面目な気質なので
合わないのですね。


さて、
スリランカ人ばかりの中に
入ってしまったスバスくん。

あれほどキラキラした笑顔を
見せることもなく、
しかめっ面をして一番前の席で
腕組みをして座っています。


これはいけないな、と
思いました。


合わないクラスに
入ってしまうと
留学生は
勉強をしなくなる傾向があります。

初級のうちから
そんな習慣をつけてしまうと
将来の可能性を
潰してしまいます。


そこで、
そのクラスで教えた初日、
ブスッとした顔をしている
スバスくんを捕まえて
このクラスはどうか
聞いてみました。

「先生、とても簡単です。
 にぎやかで(うるさくて)勉強できません」

「そうしたら○○先生(専任の先生)に
 話をしてください。
 クラスを変えてくださいと
 言ってください」

次の機会にそのクラスへ行ったら
まだスバスくんがいました。

苦虫を潰したような
嫌そうな顔をして。

どうしたか聞いてみると

「○○先生に言いました。 
 でも、クラスは変わりませんでした」

きっと、
日本語能力がまだ足りないので
クラスを変更したい
じゅうぶんな説明が出来なかったのでしょう。


専任の先生に
スバスくんのわがままに
取られてしまったのかも
しれません。

初級クラスの場合
こういうことはよくありました。

だけど、
スバスくんは
クラスが良ければ真面目に学ぶ学生です。
ここで彼の一生を
潰してしまったら大変です。


そこで私は
けっこう忙しかったのですが
スバスくんに合いそうなクラスを探し、
そのクラスがもう1人受け入れても
問題ない人数かチェックし、
そこのクラスの担任の先生に
相談してみました。


スバスくんならいいよ、
とのことだったので

今度は専任の先生に
こういう理由だから
彼をこちらのクラスに
異動出来ないか、と相談しました。

「もう一度本人に
 言いに来させてください」

と、専任の先生。


再びスバスくんに言うと
仏頂面を少し
歪めて笑顔を作り
「わかりました」と言いました。


次の授業で
彼はいなくなっていました。 

無事にクラス移動が出来たのです。


私は移動先のクラスで
教えていなかったので
少し寂しく感じましたが、
これでスバスくんが勉強してくれるだろうと
安心した気持ちの方が勝りました。


彼と会わなくなって
数ヶ月したある日の朝。


私はその頃
授業開始の30分以上前には
教室に入っていたので

1限の授業に向かう途中の
学生ホールには
いつもは誰もいません。

ところがその日は
まだ早い朝の光の中に
スバスくんが一人で
誰かを待っているように
座っていました。


私を見つけると
あの、今度は自然に戻った
輝くような笑顔で

「先生!」と、寄ってきました。

一瞬、
嫌な予感がしました。

また何か問題があったのかな。
私、今彼のクラスを教えていないから
親身になって助けてあげられるかな。


忙しかったので
そんな嫌なことを考えてしまいました。

「早いですね。どうしましたか?」

すると彼は満面の笑みで
こう言ったのです。


「先生を待っていました。
 先生は朝早くここを通ります。
 友達に聞きました。」

「先生、私は今日で20歳になりました。
 一番最初に先生に教えたいでした。
 先生はいつも、素晴らしい先生です。
 ありがとうございました」

そうして彼は
持っていたものを私に
差し出しました。


それはチョコレートでした。


彼の国では決して
安くはない部類のものでした。


ましてや初級のうちは
時給の高いアルバイトは
出来ませんから、
そのチョコレート一つ買うにも
大変だったと思います。

わざわざお礼と
チョコレートを渡すために
朝早く来て
待っていてくれたの?


ねえスバスくん。

今はこの学校も
日本全体的に留学生がいないから
倍率ががくんと下がりました。
というより全入学です。


クラスによっては
心が折れそうになるところも
あるんですよ。

何を言っても
誰も反応しない。

問題をやるように
促しても
誰もやらない。

指名しても無視する。

机をまわって
個々に話しかけても
反応してくれない。

まるで売れない芸人のように
私の声は誰にも
届いていないんじゃないか、
そう思うんです。

だけどね、スバスくん。
貴方がちゃんと返してくれたから。

忙しい中でクラス変更を
してもらえるように
働きかけたことを、
感謝という気持ちで
返してくれたから。

そんな感謝が出来るのは
貴方の人柄なんでしょうけど、

きっとこの今の
静かすぎる
何にも反応しない子たちも

だからと言って適当に
授業をやればいいわけじゃなくて

返って来ないだけで
大切なことを言えば
数人の心にはきっと
何かが残るって、

返してくれる訳じゃなくても
ちゃんと心に届くって
信じてまだ、頑張れるんです。


スバスくん、
熱心に何かすれば
相手は必ず分かってくれるって
貴方が教えてくれたから。


ありがとう。


専門学校の卒業式でも
私を見かけて
久しぶりだったのに

「素晴らしい先生!」って
声をかけてくれて、ありがとう。


私、まだ頑張るね。
貴方が恥じない、教師でいるね。


🍫🍫🍫🍫🍫🍫🍫🍫🍫🍫


〜企画概要〜

chiyoさんのところで拝見した
ゆずさんの概要まとめがわかりやすかったので
私も引用させていただきます😆


※期間は 9月30日(金)まで 

1.記事を書いてほしいと指名が来ます!
  この指名がバトンです。

2.バトンが回ってきたら、
 「心に残るあのエピソードをあなたへ」の
  noteを書いていただきたいです!

3.noteを書いたら、
  次にバトンを渡すnoterさんをご指名
  ください!
  指名したことがわかるように、
  指名するnoterさんの一番最新のnoteを
  シェアしてあげてください!

4.指名するnoterさんは、最大2名まで!
  あまり多いとご負担になりますので、
  1名か2名でご指名ください!

5.チェーンナーさんが記事をシェアし、
  マガジンに追加してくださるので
  チェンナーさんの下記の記事を
  埋め込んでください!

6.ハッシュタグ
 心に残るあのエピソードをあなたへ を
 忘れずに投稿してください。

さて本日、24日。
締め切りは30日。

どうしようかと思いましたが、
あとお一人くらい出来るでしょうか。

ん〜。


ゼロさん、お願い出来ますか?
(突然ふる悪女)

ゼロさんは
毎日更新やブリッジチャレンジやペン習字など
全て長期間続けていらっしゃる
継続力の素晴らしい方なのです。


そろそろ日がないので
ゼロさん自身が記事を書かれたら
アンカー宣言でもいいと思います。

「アンカー宣言します」と記事内に書けば
良いようです。


ご無理なようなら
コメント欄でお気軽に
お知らせ下さいね! 


チェーンナー先生
今回も素敵な企画を
ありがとうございます✨


#心に残るあのエピソードをあなたへ

ありがとうございます!頂いたサポートは美しい日本語啓蒙活動の原動力(くまか薔薇か落雁)に使うかも?しれません。