見出し画像

教員の元気が出る会Vol.25

 オンライン開催をするようになって、参加して下さる方の輪が広がりました。今回は、3名のスピーカー(沖縄・神奈川・島根)の方から話題を提供してもらいつつキャリア教育について学びを深めました。
 今回私は、当日参加ができませんでしたが、ZOOMの録画を見てまとめていきます。

1、テーマと参加メンバー構成

【第25回】テーマ:「ふるさとと応え合うキャリア教育⁉教室にホンモノ届けます~そして地域に飛び出す子どもたち~」
*なんだか盛りだくさんなタイトル(笑)

参加者:小学校教員 4名    
    中学校教員 1名
    高校教員  1名
    大学生   1名        
    その他  14名

2、会の流れ

今回も、オンライン開催なのでZOOMでの開催です。

①オープニング
今日の説明や会の趣旨を話した後、いつもの通り、名前+所属+元気度をチャット欄に書き込んでもらいます。+その理由をそれぞれ話します。

②ゲストスピーカーの話(3名)

内容については、後ほど詳しく!!

③部屋に分かれてトーク

ゲストの方に聞きたいことを聞いたり、ゆるく話す30分
(ここは参加していないので詳細は分かりません。。涙)

④全体共有
部屋に分かれた時に話した内容を共有してもらいます。

⑤クロージング
チャット欄に今日の感想をかいてもらったり、谷上さん考案!?「益田ポーズ」で写真を撮ったりして終了です。

3、宮下章さん(以下みやしー)のお話

 みやしーは、横浜市立小学校で主幹教諭をされています。以前開催した住田先生の会の時の参加者でもあり、個人的なイメージですが、パワフルで情熱的で楽しい先生です!(1回しかお会いしてないけれど、そう感じます)
みやしーもnoteを書いておられるので、こちらもよかったらご覧ください♪

さてさて、早速本題に入りますが、みやしーは「応え合う」ということを大切にされています。
「応える」…Response
「責任」…Responsibility
この2つの言葉、なんと同じ語源のようです。応えるということには責任が生じます。周囲の声にきちんと応えて、最後まで責任を持つこと。気付いたら行動すること。(あえて行動しないことも含めて)みやしーの行動力の根底には、きっとそんな思いがあるのだろうなと想像できました。

今回は、みやしーの実践の一つでもある
「地元産小麦プロデュース」についての事例を紹介してもらいました。

画像1

目的:世の中の課題に応えられる人になる

目標:地元産小麦と野菜を使った商品化プロジェクト2018に関わり、課題解決のための行動をすることができる

流れ:*かなり大雑把に紹介します。
   ①NPOとの出会い、小麦について知る
   ②体験する(畑・パン作り・レシピ考案・試食会・表現法)
   ③発信する(ダンス等で集客→商品を販売)

調べてみたら、HPを発見しました!
この活動を知っている保護者の方が、たまたま当時担任をされていた方におられたようで、この授業は、その保護者さんと一緒になって考えて実践されたようです。

企業や行政、コーディネーターや地域の方と一緒に授業を作る話はよく耳にしますが、「保護者」という立場。しかもこどもにとっては、「親」という立場の人が、日々の授業の中に入っている。ということに私は驚きました。でも、それってなんて心強くて、なんておもしろそうなんでしょう!保護者が学校の授業づくりに関わっていくってとてもワクワクします!
学校は、保護者にとってサービスを受ける場所ではなくて、いっしょに学びを作っていく相方である未来が全国に広がっていくといいなと思うし、自分もそうありたいと思いました。

この単元のキーになったのも、保護者だったようです。その方が、いろいろな人とつないだり、他の保護者もまきこんだりと、学校の先生だけではできないことを、一緒になって行っていったようです。各授業の児童の感想などにも一人ひとり丁寧にその日のうちにコメントを書き込むなど、まさしく「応え合う」日々の実践をされてきたことを感じました。

ここからは、箇条書きで大事だと感じたことを書いていきます。

・授業の際には、ゴール(目標)から離れないように常に意識
・子どもの学びは、学校だけ、その単元だけで完結するわけではない。
・起承転結→起承転 結は、教室の外でずっと続いていく
・こどもたちのやりたい(ダンス)を活かすことで、「やらされ感→やりたい」へ
・学校での学びをシームレスに
・「学校を飛び出す」よりも「世の中で学ぶ」!学校の学びは、その一部
・「学ぶのは子どもたちといいより教師達。生きる元気をもらうのは子どもたちというよりゲスト」

みやしーの話す様子から、みやしーが本当に楽しんでいること。自分自身に人生の目的・目標があり、それに向かってまっすぐに突き進んでいることが伝わってきました。ここで詳しく書きませんでしたが、この「保護者さん」も今回の会に参加して下さっていました。いつか、この方目線での話もじっくり聞かせてもらいたいです♪

4、上間哲朗さん(以下てっちゃん)のお話

 私の旦那さんもてっちゃん。なので、不思議なご縁(笑)
てっちゃんは、沖縄県今帰仁村で地域連携コーディネーター兼キャリア教育コーディネーターをされています。
 実は、2年前津和野町で行われた特活の研究会の時に来られた埼玉の先生がてっちゃんとつながりがあり、沖縄にすごくステキな実践をされている方がいるよ!!ということでその場でてっちゃんを紹介してもらったのが初めての出会いでした。そして、その方と谷上さんも知り合いで前回の元気が出る会から参加していただいています。
 てっちゃんは、なんといっても明るくて元気!直接お会いしたことはありませんが、きっと太陽のようにみんなを明るく、熱く照らしておられるのだと感じます!

今帰仁村は、こんな所!美しい海と空と!きっとここに暮らす方もみんな魅力的に違いない!という勝手な予想をしてしまいます。

てっちゃんの職業「キャリア教育コーディネーター」については、こちらのサイトをご覧ください♪

画像2

てっちゃんは、「教室にホンモノ届けます!」
というキーワードで日々今帰仁村中の小中学校を駆け回っておられます。1週間の予定を紹介していただきましたが、午前も午後も予定がみっちり!!
小学校の生活科や社会科、中学校の行事まで本当に幅広く活動されていました。
「キャリア教育」と聞くと「職業について知る、学ぶ」というイメージを持っている方もおられると思いますが、決してそんなことはありません。

 こちらの文科省の資料にもある通り、2020年から施行されている新学習指導要領総則に「キャリア教育」についてしっかりと明記されています。

画像3

*上記サイト1ページ目の画像(□で囲まれたところに注目!!)

 てっちゃんは、「各教科等の特質に応じてキャリア教育の充実を図る」という部分で重要な役割を今帰仁村で担っておられます!
 学校の外にも、学びの素材はたくさん眠っています。コーディネーターとして、教員という立場ではないからこそつなげられる「ひと・もの・こと」もあります。フットワーク軽く動けるからこそできることもあります。移動の多い教員には作ることのできない人間関係もあると思います。今帰仁村をよく知っているてっちゃんだからこそ作れる授業を、先生や子ども達と本当に日々楽しく作っておられることが伝わるお話でした。

具体的な実践の話としていくつか紹介します。
(1)クロスカリキュラムの実践(小5)
 ・福祉をテーマとした総合的な学習の時間
  →スーパーに車いすで行く
  *報道してもらう(しかけ)
 ・情報について学ぶ社会科
  →報道してもらったカメラマンから学ぶ
  →テレビ局の見へ見学
★各教科ごとで学びをおわらせるのではなく、とても自然な形で教科をつなげる実践では、ちょっとした大人側のしかけが大切だなと思いました。

(2)校内で畑を作る実践(小6)
 ・希望者のみで休み時間等を使って、何も取れないといわれていた畑で野菜を作ろうという実践

(3)世界初!子どもが作るエイサーまつりin今帰仁(小学生)
 
・エイサーをやることと、日時だけはきまっているが、それ以外はすべて子ども達がつくったイベントのサポート

この実践については、こちらのサイトをご覧ください!

動画も発見!!こんな風に残しておくこともきっと大人側のしかけとして重要なことなのかもしれません。発表のばがあったり、報道されるとやっぱりうれしいですよね♪

(2)、(3)の実践共に、てっちゃんの関わり方があっての結果です。
・任せるなら任せる
・子ども扱いしない
・大人がやっていることと同じように
 これらを、体現されている方なんだということを感じます。車の運転などの、どうしても子どもができないことは手伝うそうですが、それ以外は本当に任せておられる。そんな関わりをしてもらえる子ども達だからこそ、どんどん表情を輝かせて、自らの力を引き出していけるのだと思いました。そして、きっとてっちゃん自身も、毎日ワクワクしながらいろんなことに前向きに挑戦されているのだと思います。そんな姿を見ているからこそ、子ども達も勇気や刺激をもらえて行動に移せるのだろうなということを感じるお話でした!

5、大垰直也さん(以下たおちゃん)のお話

 たおちゃんは、今年度から島根県益田市教育委員会社会教育課派遣社会教育主事として活躍されています。この「教員の元気が出る会」を一緒に作っている谷上さんの同級生でもある方です!たおちゃんは、昨年度までは小学校の先生をされていたので今回は、たおちゃんの実践というより、「益田市の取組み」についてお話をしていただきました。
 たおちゃんは、私の界隈ではサッカー&さわやか先生として有名です♪

益田市の目指す教育や、実践については、こちらのサイトがとても分かりやすいです。

画像4

【画像は、上記サイトより】

 益田市は、「ライフキャリア教育」として、どんな環境でも「生き抜く力」の育成を学校だけではなく、社会全体で行う取組みをしています。
 長年にわたり公民館を中心とした社会教育が行われてきた地域でもあります。近年では、「益田版カタリバ」や「新職場体験」など、益田市独自の取組みも多く行われるようになってきました。
 この2つの取組みについてご紹介します。
 (1)益田版カタリバ

こちらのサイトに内容が詳しく載っています。

画像5

益田版カタリ場の特徴は、一回きりの出会いではなく、長い目で見た時に継続して関り会えるところにあります。出会う人が、子ども達の暮らす「ますだのひと」です。だからこそ、学校で出会ったあの人とスーパーで出会った!すれ違った!ということが自然と起きます。そんなことから思わぬ出会いや動きにつながることもあったり、なかったりするのでしょう。まさに「種まき」!!

(2)新職場体験

新職場体験は、中学校で行われる職場体験を益田版でアレンジされたものです。従来の職場体験は、事業所を選んで、行って、お礼の手紙を書いて終わり。というものでした。(全国的に一般に行われる形)
そこから一工夫加えたのが「新職場体験」です。

画像6

この画像にもあるように、「求人票発行」「面接」「研修」など、中学生にできるだけ「ホンモノ」の体験をさせていることがわかります。
全体を通して重要になっているのが「対話」です。行って終わりではなく、事業所の方と多くの対話の時間を共にすることで、生徒の気付きや学びが深まっているようです。

益田市は、地域全体が育ちの場であり、学びの場であることを目指しています。公民館を拠点とした中学生の地域活動チームも増えてきているそうです。
今年度からは、「ユタラボ」という組織も立ち上がりました!
20代の若者(なんと全員がIターン!!)が益田市を舞台に活躍しています。今まで紹介してきた取組みもこの「ユタラボ」のみなさんが深く関わっています。
 私は個人的に「ユタラボ」のみんなと会うことがあるのですが、本当に一人ひとり思いを持っているすごい人達だし、日々悩みながらも確実に前に進んでいっているんだろうなぁと感じています!これからも応援しているよ~!!

このように益田市では、行政だけではなく、様々な「ますだのひと」が関わって教育活動が行われています。今後の益田市から目が離せませんね♪

たおちゃんも、4月から派遣社会教育主事になられたばかりで、しかもコロナ禍の中、従来通りにいかず大変なこともあったと思います。ピンチはチャンス!今後のたおちゃんのご活躍からも目が離せませんね!

6、おわりに

 今回は、豪華3名のゲストをお迎えしての教員の元気が出る会でした。3名の話に共通していたのは「大人の関わり方」だなと感じました。ついつい手や口を出しすぎたり、失敗しないように準備しすぎたり。周りの目を気にしすぎたり。そんなことで子どもたちの「やってみよう」「やりたい」を邪魔してしまうことがありますよね。良かれと思ってやることが、実はよくなかったり…そんな自分の日々の関りを見直すよいきっかけとなりました。
 ものすごい情報量のnoteになりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?