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民話で独りコラム ~ウクライナの民話集~

 

 昨晩、本棚を整頓してて、ふと目に留まったこちらの本。

本が「私を連れて行って」と言うのが聞こえた気がするんですよね。←別にサイキックでもなんでもなく、ひとえに私の妄想力がなせる業。


 英語で書かれたウクライナの民話集です。

 数年前、近くの町で開催されていた「本市場」でふと目に入って購入したもの。

 

  私の手元にある本の発行年数を見ると1985年の第2版。
  初版は1981年。(ポーランドではヤルゼルスキが首相になり国に戒厳令が引かれた年です)
  もちろん、発行所はウクライナの首都、キエフです。
 

  まだベルリンの壁がありましたね。
  つまり、まだウクライナという独立国ではなく、ソビエト連邦の一つだった頃。
  そんな時分に刊行された、ウクライナ語でもロシア語でもない、英語版のウクライナのおとぎ話。

わりと厚めの紙で約400ページ。挿絵が沢山あります。これなんか、めちゃくちゃロシア・東欧圏のデザインですな。


 誰のために作られたのかしら、とちょっと考えてみたのですが、、、そういえばアメリカにかなり大きなウクライナ系のコミュニティーがあると耳にしたことがありましたっけ。


 その子たちのためにだけではないだろうけど、
 異国で育つ子供たちのことを考えて作られたのかな。
 自分のルーツのお話を知って育ちますように、と。
 外国で子育てをせざるを得なかったウクライナ系の親が買い求めたのかな、
 もう戻れない祖国、もしくはまだ見たことのない先祖の地に思いをはせながら。


 (勝手な想像だけど)あの時代に、アメリカに住んでいてわざわざウクライナ語を教える親も少なかっただろうなぁ。

 言葉のリズム、韻を踏んで初めて面白く感じられる民話が沢山ある中で、それを外国語にするのはとても難儀だし、その面白味がうまく伝わるかわからないジレンマ。

 それを外国語にしてでも祖国の話を聞かせたい親心を考えると心がジンとします。

もちろん、悪魔の話もあります。なんだか、かわいい・・・。


 今再び、ウクライナ情勢が不穏です。

 ポーランドはすぐ目と鼻の先の隣国なので、そのきな臭い情報量も日本で報道されているモノの比ではありません。

 ウクライナの子供たちが、穏やかな幼少時代を過ごせることを願うばかりです。

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