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cloudy

スケッチ10日目。細かい音を積極的に使う練習の他、コード単体では綺麗に響くものに濁りを加える実験をした(とはいえ、もう何番煎じかわからないけど)。リバーブやエコーなどで反響させ、音の開始を弱起にし、濁るきっかけを作った。

濁らせ始めた辺りから胸がざわつき、酔っているような妙な感覚になった。この程度で酔うということは、全然耐性がついていないんだなと思った。在学時代、現代音楽に拒絶反応が出たのは、不協和音からなる異質さと理解できない構造だと思うのだが、今はその奇妙さを実験する気持ちもわからなくはない。が、作り手本人が吐き気に襲われたのでは創作も滞るので、この奇妙な感覚と心地よさの隙間を限りなく埋めるつもりで色々試行錯誤してみようと思う。

cloudy 2022.10.13

音の影響を受けてか、妙に安定しない画になった。ほぼほぼ調和しているようだが、何となく合っていないような。紫と緑だけなら対になるので合うのだろうが、真ん中辺りにグレー混じりの青を入れたせいで何か微妙だ。音楽にもループするコードのどこかを半音上げるもしくは下げるという細工をしたのだが、それと似たようなアピールになった。本人の実力以上のものが出てこないのが手に取るようにわかる。

タイトルは濁った感じのものにしたかったので、水などの濁りを「cloudy」と呼ぶ英語にした。日本人だし漢字でいいのでは?というところではあるけれど、漢字の説得力が強く出すぎるのと、そこまで深い意味を持たせていないので、よくわからない曖昧さのままを保ちたかったのが理由としてある。

自分なりのアンビエントの方向性を吟味しているのもあるけれど、人が興味を持つ絶対的な安堵感とは対になる、奇妙なもの、落ち着かないもの、ざわつかせるものという若干マイナスな要素が混じったものも、最近になってようやく受け入れられるようになってきた。それをマイナスだと感じるのも結局は聴く人の耳によるものなので、私が意識してそれを作っても伝わらないかもしれない。
でもそこには、今までとは違った何かがある気がしている。


tohma

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