見出し画像

まだ見ぬ自分との出会い

9月は息子の運動会や遠足などのイベントが多く、合間にいただいた依頼も納品したりとドタバタしていた。今月のラジオはお休みして、今日はいつも通り近況と感じたことなどを書いていこうと思う。

先日、主人の実家へ帰った時のこと。主人の妹さんも来ており、知り合いが神田でグループ展をしているという話を聞いた。最近アートに触れる機会がなかったので、よかったら一緒に連れて行って欲しいとお願いしたところ快諾してくれたので、二人で子育ての話をしながら電車を乗り継いで神田へ向かった。

細く小さな入口に沢山のお祝いの花束が置かれていて、奥へ進むと色鮮やかな作品たちが目に飛び込んできた。アルコールインクアートという初めて出会うものだった。油性染料インクとアルコールとの流動性を活かしながら、抽象的な模様を生み出す現代的な表現技法だそうだ。

海の水面を思わせる爽やかな色合いの作品
紡がれた石が煌めく幻想的な作品
グループ展を主催された講師の作品
柔和な色合いに空のモチーフが私達を心地よく癒してくれるよう

参加されている方や講師がほとんど女性だったことも驚きの一つだった。答えのない自分だけの世界という平和の象徴とも思える部分は、女性が遥か昔から祈りのように心に持っているものなのかもしれないな、と。作品を通してそういう目には見えないものを感じた。

女性は結婚、出産、育児というイベントが起こる上に、キャリアや年齢等自身の人生を取捨選択する機会が多い。にも関わらず、前向きにそれぞれが置かれた状況で自分らしさを追い求めながら創作に励んでいる人が多くいることに、私はとても明るい未来を感じた。AIが出てどうなるかと思っていたけれど、案外自分を大事に思っている人が増えていて、まだ見ぬ自分への好奇心に夢中になって生きている人は沢山いるのだと。それはとても人間らしく素敵なことなのではないか、とも。

人との距離が近い場所だったので、こういう時に名刺の一つでも持っていたら…と思ったりもした。近々ちゃんと名刺を作ろう。自分を知って欲しいという欲求と新しい可能性にチャレンジしたい気持ちが日に日に増していることを感じる。

展示会は、とても有意義な時間を過ごせた(というか、アートを見て有意義でなかったことなんか一度もないけれど…)。アートは自分との向き合い方や今までの固定観念なんか吹っ飛ばしてくれるような、爆発的なものがある。自然に委ねる発想力も、その流動的で偶発的な表現方法も、自然との調和を重んじる気持ちがあってこそ生まれるものだと改めて感じた。
以前、工藝店で思わず手に取った食器も自然との調和を大事にされている方の作品だった故に、私の根底には少なからず、その思想があるのだなあと思わざるを得なかった。


人の作品に触れることは、自身にとって大きな気付きになる。音楽なら、他の人の作品を聴くことも一つの勉強にはなるものの、自身との差を感じて劣等感を抱いてしまうことも少なくない。ならば、全く異なるものから刺激を受ければいい。自身にとって価値があると思えるもの、いいなと思ったもの。わざわざ共有する必要はなく、心の中にそっと置いておくだけでいい。

私はこうやってnoteの記事にすることもあるが、もっと沢山隠していたりする。こっそり自分の人生の楽しみとして持っていたい気持ちがあって、自称隠れファンを装っている。なので、ひょっとしたら私を応援してくださっている方の中にも隠れファン気質な方が多くいるのではないかと思っている。こっそり楽しむことが好きなのは、この気持ちだけは誰にも知られることなく、傷付けられることもなく大切に守ることができるから。


長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。

tohma

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?