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waver

週末は親戚一同の集まりがあった。時間があればと思っていたのだが、詰め込みまくりのスケジュールで、スケッチどころではなかったので一時休憩。今日は旅の思い出で印象的だったものからインスピレーションを受けた。

鬼怒川ライン下りにて。波は一定であるかのように見えるが、実はとても揺らぎやうねりがある。それが絶妙なバランスで揺れるものだから、ついうとうとしてしまった。木だけで出来た船が、水の上を滑るように進んでいくのが何とも爽快。
曲は一定でありながら揺らぎを感じるようなイメージで。水しぶきと波が陽の光を受けて煌めいている様子も加えた。

waver 2022.10.31

船の上から見た鬼怒川は、深い瑠璃色をしていた。画はそんなイメージから。しぶきや泡のようなイメージでスプレーを吹き、その後少しうねりを持たせた線を筆で横に引き、幾重にも塗り足した。濃い色が重なっているところが、影のようになっていて浮き出ているように見える。わりと均等に塗っていたつもりだが、意図せずこういうものが浮かんでくるとやっぱり面白い。
技術が伴っていれば、こういう演出は狙ったところに効率よくできるのだろう。


余談。
人がやっていることと同じことをしても、多種多様のものが出てくる。抽象画も楽曲制作も、もう二番煎じどころではない。誰もができる、選べる時代。しかし、それをビジネス化した時には、求められる最低限のラインや持っていなければならない技術も増える。ビジネスは一定の収入がなければ成立しない。
そんな中でも、好きという気持ちだけで営んでいる小さな飲食店は沢山ある。赤字だよ〜、なんて呑気に笑いながら。金銭に左右されず、前向きに価値を見出している人を見ると、私はもっと自分という存在に貪欲にならねばなと思う。


tohma

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