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一つところ恐怖症

ADHDという言葉が世間で認知を得てくるずっと前のこと。私は「一つところ恐怖症」という診断名をもらってました。

発見・命名者は、私がキーボーディストとして参加していたニューウェーブ・バンド(つまりパンク)のドラマー。大昔の話で、当時最先端のクラブだった新宿のツバキハウスとかによく出ていたバンドです。

ADHDは、普通の生活では「もしかして変人?」くらいで、バレずに済むことも多いもの。でも、関西方面のライブハウスにもたまにツアーに出ていたので、数日行動を共にしたらもうバレバレで……w。

最近、「発達障害は最強の武器である」(成毛眞さん著、SB新書)という本を読みました。和田秀樹さん(東大卒)が対談で「(受験科目の)国語がメチャクチャできなかった」とおっしゃってて、「私も!ADHDのせいだったんだ!」と大興奮しました。

頑張っても、心情読解ができなくて。「このシーンは春」という解答が意味不明意味なんです、証拠(季語など)がないから……。「雰囲気で分かれよ!」ってのが通じません……。ビル・ゲイツと仕事をしていた著者によれば、彼もそうなんだとか。

それと、多動。じっと座ってられる人からしたら、我慢が足りないように見えて、迷惑なんでしょうね……。

だから、憧れのクリエイターは詩人。たまに、道路に座って自作の詩集を並べてたりする、あれです。「座ってられる」というのが、まずスゴイ! もちろん、詩心があって、一人でアピールできるのも……。

私なんて、立ち止まって中味を見せてもらいたいなと思っても、その勇気すらないんですから……。

やっぱり最近読んだ小説で、「スズキ」(緒真坂さん著、桜門書房)という短編集のなかに、美人の路上詩人ソレイユとの出会いのシーンがありました。コアな音楽ジャンル各種にちなんだ連作 My Space のうちの一編です。

「ソレイユ(Punk Rock) 」というお話。詳細はネタバレなので伏せますが、インディーズのシンデレラ展開が、物哀しいスピード感。雰囲気のある日常の裏の事件性ストーリー揃いのなかでも、一押しにハマリました。家庭持ちにはことに迫るラストで……。

路上詩人というだけで、もう絵が浮かびますよね。それとか、占い師もいいなあ!(夕闇の路上にじっと佇んで、神秘的……)

実は私の妹が、最近占い師を始めたんです。テレビの政見放送とか情報番組の通訳なんかもしている手話通訳者なので、障害のある方にもご利用いただけるらしいです。

ゆうやけLindaリンダという名前でFacebookに出してます(下の怪しい写真が妹です)。もしご興味ありましたら、ぜひお友達になってやってくださいませ(ぺこり)。

発達障害がポピュラーになった昨今では、私と似た症状の方は、ずっと生きやすいのでは? 「あの人、何なの?!社会性なさすぎてあり得ない!」の代わりに「ADHDじゃあ仕方ないか……」みたいに、妙に納得されたり??

「発達障害は最強の……」によりますと、なんと「人生遊んで暮らせばいいんだ」だそうですよ?!

遊んで暮らして、海外で受賞する映画監督(和田秀樹さん)や、日本マイクロソフト社長(成毛眞さん)になれるとは!! (しかも成毛さん、本当にフラフラ有閑社員だったらしい……)

悔しいことに、私の一つところ恐怖症、「最強の武器」とはまるっきりなってないです……。けど、「私、ADHDなんで」とカミングアウトして、みんながちゃんと座っている周りをフラフラはできてますw。

冒頭の写真は、先日のレコーディング風景。ウロウロしてましたが、さして問題はなかったよう……w

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