捉えられない ; 「香り」という言語
「季節の香り」というエッセイの中で、それまで意識していなかった身の回りの香りを感じ取れるようになってうれしい、と書いたが、香ってもうまく把握できないというか、捉えられない香り…というのもある。
その一つがムスクで、「石けんの香り」でも触れたが、何度香ってもいまひとつピンとこない。とある調香師のアトリエでムスクの合成香料をかがせてもらった時は、希釈されているためか上手く感じ取れなかった。また京都にある江戸時代から続くお香のお店で、干からびたジャコウ鹿の香嚢(ここから得る分泌物