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「ビジュアル・シンカーの脳」を読んで(5)


マインドマップは言語思考の整理術


「図解」とか「見える化」とかいう言葉は、世の中の至る所で目にします。
そういった中で、マインドマップをご存知の方も多いと思います。

マインドマップは、頭の中にあるものをドバッと書き出して、整理しながらツリーのようにマッピングしていきます。

資料:Lucidchart

キーワードやコンセプトから派生したアイデアをつないでいくのですが、言語思考の整理術に連想法のフリカケをかけたようなもので、固くなった頭を柔らかくするのにも役立ちます。

またこの手法を覚えると、誰かのつまらない話を聞いている時でも、自分の関心があるキーワードにヒットすれば、勝手に脳が思考トリップを始めてくれるようになります。


視覚思考はAIイラストみたいな感じ?


視覚思考については、私自身は体感で理解できていませんが、グランディンの本を読んだりして「AIイラストみたいな画像データの連鎖になっているのかな」と勝手に考えています。

AIイラストがどういったものか。Google の Auto Draw を例に見てみましょう。


このように、AIイラストではモチーフを与えると、瞬時にいくつもの候補が提示されます。

Visual Thinker は、日常で接するものを画像データの形で記憶化して、その中をワープしながら思考を展開していくのでしょうか。


疲れやすい子どもたち


私はよく子どもに「何が好き?」と聞くのですが、すぐに返事が返ってこない子がいます。彼らは「リアクションの遅い子」なのでしょうか。

段々と分かってきたのですが、その子たちの中には、好きなものが思い浮かばないのではなく、

「"何が"ってどういうこと?」とか「"好き"にも色々あるし」とか、曖昧な部分をアレコレ迷いながら、超高速で思考を回しているのではないかと。

質問者が「言わなくても分かるでしょ」と思っていることでも、「言ってくれなきゃ分からない」と感じる子が一定数いるわけです。

その一方で「本当に何も考えていない子」もいます。彼らの多くは、塾とかで「やらされ勉強」をしている子たちです。質問と答えを一緒に覚える「セットメニュー学習」の習慣がついてしまった子が、残念ながら増えています。

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先日「HSPです」とおっしゃる方から、こんな話をお聞きしました。

「視覚からの情報量が多すぎて、人の機嫌、周囲のいらつき、不自然さなどにたくさん気づいてしまい、気疲れしてしまう」と。

Visual Thinkerもハイパーセンシティブと似ているかもしれません。もしそうだとすれば、日常の些末なことにも神経とエネルギーを消費して、毎日がグッタリですね。

色々なことを考えすぎて思考が無限ループに陥ってしまう子、過敏で生活や人間関係の細かいことまで取り込んでしまう子。

守ってあげたい気持ちの一方で、「強くなってほしい」との期待もあります。さて、どこをどうすればいいのでしょうか。

「先生の言ってること、ぜんぜん分かんない」とか言うような、押し返す力を持った太い子だと、はるかに楽なのですが。

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