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金木犀の香りはもうしなくなったけど



天気って本当にすごい。
気持ちが変わる。

晴れた青空の下。
少し久しぶりに会う友人とカフェにいっておしゃべりをした。
そのあとは友人の恋人のプレゼント選びに少し付き合って。
美味しいごはんを食べて、少しお酒を飲んで、ほろ酔いのまま喫茶店。

なんて最高の日だったんだろう!


おしゃべりは尽きない。
過去のこと、今のこと、未来のこと。

ああだったらよかったのにな、こうだったらいいのにな、そうなればいいのにな。

なんて話をしながら、とっても笑った。


**


そういえば、失恋をして4か月経った。

会わないままだったらよかったのに。
ちょっとごちゃごちゃっとしてしまった。

そんな風な女の子はどれくらいいるんだろう。
自分でも自分が嫌になって、でも君しか見えないよっていう女の子が。
そういえば、なんて全然思っていなくて、いつでも心の中心にいるのにな。

可愛いを10回言われるよりも好きって1回言われたかった。
キスはしても、もう手は繋がないのね。
そんな事実が胸の底に溜まって溜まって、自分でも気づかないうちに重くなる。

早く抜け出したかった。



それが、どうだろう。

連絡を取らなくなったら、なんだか前を向ける気がした。
晴れた空の下、友人と一日中おしゃべりをしていたら、驚くほどスッキリした。

こんな単純なことだったの?


もちろん、時間もある。

あと、少し気づいていたんだ。

彼とする会話が、なんだかしっくりこなくて、
あ、もうお互いにとって、一緒にいる必要はないのかもしれないな、と。


人の気持ちは変わるんだ。
あのときの彼はいまの彼ではなくて、
いまの私も、あのときの私ではないの。

楽しかった思い出は、思い出として心の端にしまおう。
そして、いつか上書き保存できるときを待つんだ。



はぁ、君の生き方がとっても好きだったよ~!


もし、恋愛じゃなくても、何かでまた交わえたら、その時はひとりの人間として、よろしくね。



笑わせてくれて、たくさん私を褒めまくってくれた友人に感謝。

単純な私に感謝。

最低なところには目を瞑って、いろんな世界を教えてくれた君にも、感謝しよう。


**


金木犀の香りがもうしなくなったけど、
この前雨の中ひとり歩いていた道で、どこからかほんのり香ったんだ。
なんだか嬉しかった。


そんななんでもないことを、また誰かと共有したいな。



バイバイ、前を向いた私は無敵だよ。




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