見出し画像

体育教師の家庭で育つとどうなるか


今でこそわたしのこの見た目/職業/趣味嗜好からは全く結びつかないと思うけど、じつはかなり体育会系の家で育った。
わたしの両親は某国立大学の教育学部出身、しかも専門が体育という、つまり父母ともにバチバチの体育会系である。そこそこの学力とまあまあの運動センスを持ち合わせた両親から生まれた長女がわたし。きっと才気溢れるアスリートを期待されて誕生した。
なんかだいたい想像できると思うけど、体育の英才教育を受けて育ったと言っても過言ではないわたしの幼少期は、なかなかハードだった。


【お父さんマジ怖い】

主に父の話になるけど、父がマジで怖い。父は中学の体育教師で、女子バスケ部の顧問だった。
絵に描いたような怖い体育の先生がわたしの父である。怖い体育の先生家にいるのやばくないすか?

まずでかい。身長180超えるくらいで坊主頭。あと黒い。年中校庭にいるから異常に黒くて強そう。ていうか強い。市内の不良中学に生活指導担当として赴任した経歴すらある。夜中に窓ガラスを割りにくる生徒を次々となぎ倒していた。(誇張表現あり)  
体育教師特有のドスの効いた発声方法に加えて、ガラの悪い茨城なまり。震撼
わたしは小さい頃ほんとにほんとに父がこわかった。オバケよりも鬼よりもお父さんが怖い。

父が休みの土日には、朝から公園に連れていかれた。逆上がりの練習をする。二重跳びの練習をして、ランニングフォームの指導も受ける。キャッチボールもするし、自転車に乗って遠くまで行ったりもした。家のリビングで布団を広げて、マット運動の練習をしたこともある。
子供が本来楽しみのはずの休日は、“厳しい特訓の日”なので、「明日お父さんお休みの日だ…(( °_° ))」と前日からドキドキしていたことを今でも覚えている。


.

【スポーツ少女完成までの道】


おかげさまで「運動出来る奴が天下取る」 みたいな思想を植え付けられて育ったわたしは、逆上がりも二重跳びも小学校に上がる前にとっくに習得してしまった。

小学校低学年の頃の夏休みの自由研究で、「自転車で市内を一周した記録」を提出した。たしか自分の意思だったはずだけど、いま思えば完全に洗脳されていた。

高学年になって、すでに陸上部とスイミングスクールを両立してるにもかかわらずバスケのクラブチームに入った。これもちゃんと自分の意思だったが、そもそもバスケが専門である父はそれが嬉しかったのか、何度も練習や試合へ応援に来た。最初は応援に来るだけだったのに、そのうち監督よりもデカい声でギャラリーから指示を飛ばすようになっていった。この時すでにわたしは監督よりもお父さんが怖くなっていた。監督はついに肩身が狭くなったのか、いつの間にかその座を父に譲っていた。スパルタ鬼監督の誕生である。

父が監督になってからの練習は、ありえないくらい走らされた。「何事も足が速い奴が優勝」という方針なので仕方がない。シュート練習なんて後まわしだよ。ボール捕って、いちばん先頭に走ってる奴に投げたらいいんだから。どう考えても小学生女子がこなす練習メニューではなかったが、おかげで全員男子よりも身体能力が高くて可愛げのない集団になった。校内マラソン大会のトップ10は全員おなじクラブチームのメンバーだった。父は運動能力を上げることにおいてピカイチの指導力を持っていた。

そしてその後も中学高校とバスケ部として生きたわたしは(このへんは割愛)、運動できることが取り柄の女になった。
満を持してスポーツテストSランクの女の完成である。おめでとう。

.

【あるある言いたい】

なんだか父とわたしの話ばかりしてしまったけど、
ここでスポ根一家あるあるをプレゼンテイションしようと思う。

1. なんでもテーピングで直す

スポーツ経験者であれば誰でも知っているだろうこのホワイトテープ。捻挫や突き指の時に巻くアレです。我が家には昔からこのテープの在庫が有り余ってる。

家の中で壊れたものがあれば、だいたいホワイトテープで直す。テーピングの力めっちゃ信じてる。切れそうな電子機器のコードも補強するし、このように使いまくってボロボロになった猫の爪とぎ柱にも容赦なくグルグルと巻く。



…か、かわいい〜〜!!!!!
カメラ目線〜!あざとい〜!!
おまえが世界でいちばん可愛いョ〜。゚(゚^ω^゚)゚。


2. XEBIOはテーマパーク


「スーパースポーツ ゼビオ」というスポーツ用品店をご存知だろうか。


我が家は父以外も、母は陸上部の顧問だし弟は野球部で、揃いも揃ってスポーツマンであったため、ゼビオに行くというのがビッグイベントだった。
ジャージやTシャツなど、毎シーズンの新作を物色しに行くのだ。
「今日ゼビオ行くよ」と告げられた休日の朝、家族全員の士気の高まり方と言ったらない。「ディズニーランド行くよ」と同等である。
スーパースポーツゼビオ柏沼南店に最も金を落とした家族として表彰されてもおかしくない。まじでどエラい額注ぎ込んでた。その節は大変お世話になりました。


3. 自転車の練習方法がエグい


なんといっても自転車の練習方法がヤバかった。

まず、世間一般の「お父さんとの自転車練習風景」

なんて優しそうなお父さん、、ブラボー、、いやすとや、、、
「お父さん離さないでね(><)」
「大丈夫!離してないよ!」
そんな会話が聞こえてきそうですね。
この場合、離してないよと言ったはずのお父さんの手は既に離れていて、「乗れた!」という感動シーンでハッピーエンド。よかったね。


『当方の家庭の場合』

まず公園にあるお山の頂点に、自転車にまたがった状態でスタンバイのわたし。父に背後からドンと押され、その坂を下りる勢いのまま漕げというものである。当然漕げずに倒れる。それを一生繰り返す。

離さないでね(><) とかの次元ではない。「漕げえええェェ!!!」といって突き飛ばされる。星一徹すぎ


あ、これあるあるじゃないわ、うちだけだわ。 


.

【足が速い人が好き】

このような家で育ったにも関わらず、突然変異かのように美容師になったわたし。でも美容師という仕事は思っている以上に体育会系で、(とくにわたしが入社した10年前なんかは) クソほど怒られるし、深夜の2時まで練習するなんてザラだった。それでも辞めなかったのは、確実に、人より体育会系な人生を歩んできたからであることは間違いない。だって先輩に怒られるよりお父さんに怒られるほうが怖いもん…
まるで鬼かのように(いや鬼だったけど)父を語ってきたけど、キライなわけではないです。とても仲良しだし、お父さんだいすきだよ!今年還暦なんだ〜〜めでたいな〜〜なにあげよう〜〜(⌒ ͜   ⌒)

ちなみにわたしのこの「大抵のことは何とかなるのよ」という大雑把で能天気な精神は完全に母ゆずりである。
先日、こんなコロナ真っ最中に東京人が帰ってきてごめんよ…という気持ちで帰省した際も、
「うちは全員バイ菌に強い家系だから手とか洗わなくても大丈夫!!!」とのたまっていて爆笑した。(もちろん洗った) 


まあでも、親に彼氏紹介したこと1回もないよ。
だって彼氏できたなんて言ったらさ
そいつは何部だ?100m何秒で走る?とか聞かれそうじゃん。うわ〜言いそ〜〜
髪が耳にかかるのはダメだ!!とか。言うね。

でもわたし自分より足遅い人と結婚したくないな〜


あれ…?まだ洗脳解けてない…?


.

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?