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【序章】ぼくたちは古代ギリシア人と友だちになれるか

本記事は2023年8月27日に開催した「第3回シン・みのくま勉強会」にて、ぼくが発表した内容を時間をかけてブラッシュアップしたものになります。
「シン・みのくま勉強会」は現在(2024年5月)も隔月で開催中です。
オンライン(ZOOMを使用)で実施しており誰でも参加できますので、お気軽にお問い合わせください。(詳細は本記事の末尾)


はじめに

あなたは友だちがいるだろうか。
ぼくはいない。胸襟を開いて話し合える友だちはもちろんいないし、気軽に会って休日を共に過ごせる友だちもいない。

ぼくの場合、学生時代からどうも周りのクラスメイトとは話が合わない。話をしていてもつまらない。そんな毎日を送っていた。

37歳になったいまでも、(いや、37歳だからこそ)人生を共にできるこのような友だちはできていない。

ぼくは昔からクラスメイトの大半が面白いと思うようなものを面白いとは思えなかったし、同様にぼくが面白いと思ったものはクラスメイトの大半が面白くないものだった。

なんでぼくはクラスメイトのみんなと同じような感性が持てないのだろう。
もちろん「他人とは違う感性を持っている」という厨二病的な優越感を感じていなかったといえば嘘になる。

でも、賑やかな教室の端っこでひとりぼっちでお昼ごはんを食べていたり、修学旅行で宿の同室のクラスメイトが夜な夜な騒いでいるなか布団にくるまって寝たフリをしていたとき、そんな優越感はなんの役にも立たなかった。
ただただ、自分の情けなさに恥ずかしくなって、いますぐこの場から消え去りたいと狂おしいほど思ったものだった。

いまから思えば、もっとぼくからしっかりコミュニケーションを取りにいっていれば、こんな苦しい思いをせずに済んだのだ。
99%ぼくが悪い。それは痛いほど認めている。

だが、同時に1%はぼくのせいではない。
ぼくの感性は、いまの時代、ぼくと同世代とマッチしていなかった可能性もあるだろうと思うからだ。
例えば、もしぼくが1958年生まれだったら、つまりぼくの親父と同世代の生まれであったら、感性が合うのではないか。

ぼくたちはあらゆる制約、時代的制約、国家的制約、世代的制約、ジェンダー的制約、などなどに縛られて生きている。
それは意識無意識関係なくぼくたちの人格形成に影響を与えている。というよりほぼすべてを規定してしまっている。

ぼくたちが「当たり前」だと思う色んな常識も、少し海外に出ればまったく「当たり前」ではないのだ。

しかしもっと「当たり前」ではない世界がある。
それは古代世界である。

今回取り上げる「古代ギリシア」は、時代的には現代から約3,000年〜2,000年の時を超える。
そしてギリシアは日本から遠く離れたまったく違う文明の土地である。

すべてが違う世界、限りなくファンタジーに近い、しかし実際にあった世界が、古代ギリシアにはある。

だが、同時にぼくたちとまったく無関係な世界でもない。
なぜなら、ぼくたち現代人が暗黙のうちに前提とする諸制度や概念(国民国家、民主主義、資本主義、諸科学、哲学など)の原初的形態が、古代ギリシアにあったとされているからだ。

冒頭の話題に戻ろう。
あなたは友だちがいるだろうか。
ぼくはいないのだが、もし古代ギリシア人が現代に存在したら、、、いやこれでは語義矛盾を起こすので、もしぼくたちがタイムスリップして古代ギリシアに行ってしまったとしたら、そこでぼくたちは古代ギリシア人と友だちになることはできるだろうか。

では、友だちになるとはどういうことか。
きっと人と人が友だちになるには、「分かり合う」必要があるのではないかと思う。

古代ギリシア人は、どんなことを信じて、どんなことに誇りを持って、どんなことに喜んで、どんなことに怒るのだろうか。
それを知らないと、きっとぼくたちは古代ギリシア人と友だちにはなれまい。

だが、逆を言えば、ぼくたちでも理解できる何かがあれば、きっと古代ギリシア人と友だちになれる。
少なくとも相手は宇宙人ではないのだ。

これは、現代日本で友だちを作れなかったぼくが、違う時代、違う国で友だちを探す果てしない旅のはじまりである。

まずは、古代ギリシア人の「神話」から紐解いていこう。

続く


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