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【育休、はじめました。】〜男性教員が育休取得とか無理そうな職場で声をあげてみた〜

世間一般的にみて、学校の先生はあまり休んだりかわったりしない存在でしょう。自分の記憶を紐解いても、先生は風邪も引かなければ休みもしない、とても強い存在で、当たり前のように学校にいる存在でした。

そういうイメージがあるのは、そうあるべき空気と歴史を作ってきた人たちがいたからでしょう。

でも、例外的に先生が休んだりかわったりが、認められているパターンも存在します。

育休産休です。

ただし、これは女性教員に限っての話です。

お腹がどんどん大きくなってくる先生と一緒に学校で勉強をしたことがあるという人も少なくないはず。

途中から、教務主任や少人数担当だった学校内の他の先生や、全く知らない新しい先生が交代で来たなんて経験があるんじゃないでしょうか。

これは、もうそうせざるを得ないです。だって、子どもを産むなとは決して言えないから。

その代わり、いつまで働けるの?とか、じゃあここまではがんばってね!みたいな期限を決められて、妊娠した女性の先生方はせめてそこまでは頑張ろうと働く場合が多いのではないかと思います。

ぼくは常々、これはおかしな話だなと。

もっと体を労って、発覚した時点からある程度は他の職員でカバーしていくのが当たり前なんじゃないか。いつ休みに入っても大丈夫なように、一人先生が急にいなくなってもどうってことないってぐらいの状況を常に保っておくのが現場としてはかなり真っ当で正常なのではないか。

話を聞く限り、そうではない現場が多すぎる気がします。

そして、そんな感覚を持ち合わせていない人が管理職や上の年代、特に男性教員には多い気がします。

現に、ぼくの職場の管理職は育休=欠員補助が大変といった反応です。

嫁さんの職場の管理職も、産休ギリギリまで働いてもらうように年度始めから役割をパンパンに与えられました。

余裕のなさから、結果的には切迫早産になってしまい、とても心配な日々が続きました。

出産や育児には、できる限りの余裕と時間が必要だと思います。物理的にも心理的にも。

これが、教育現場には欠けている。

ぼくは、昔から子育てには積極的に参加をしていく人になりたいと考えていました。それがどういった形なのかまでは考えていませんでしたが。

子どもができるまでと、できてから感じたことを踏まえ、育休について興味をもちました。

勝手に、どちらか一方しか取得できないものと思っていましたが、調べてみると同時に取得することも可能だと分かりました。

「公務員の男性職員も、積極的に取得しましょう!」

といった謳い文句もあるぐらいです。要項がまとまった冊子や、パンフレットにも様々な積極的情報が掲載されていました。

けれど、実際には取得率は一桁台。

これが現実なんだと実感します。

経済的な理由も大きいとは思いますが、ぼくはそれよりも世間体のようなものが邪魔をしているのではないかと感じました。

「仕事もせずに手当をもらって、育児だけして、その間の仕事は他の人で回さなければいけないじゃないか」

「途中でいなくなられたら困る」

こんな声が容易に想像できます。

特に教員になると

「子どもたちはどうするんだ」

というのが大きいのではないでしょうか。

担任を持っていたら、尚更です。たくさんの子が、待っているのに。途中で教育を投げ出すのか?

こんなことを言われたら、考えたら、育休なんて誰も取得できなくなるでしょう。

ぼくはこの考え方に関しては

「自分の子どもをほっぽり出して、何が教育だ」

と思ってしまいます。

教育は等価交換じゃないです。何か犠牲の上に何かが成り立つという考え方や構図から抜け出すべきです。

育休が取得できると分かってから、育休取得に向けて動き出しました。

自分の後に続く男性の取得者が出てこれるように、できる限りのことはやろうと決めました。

管理職への説得と、それ相応の働きを事前に示すこと。

いきなり取得をするといっても管理職は迷惑がるだけなので、予定日が決まり次第意向を伝えました。

年度途中からにならないように、次年度の頭(4月)からの期間で考えました。

引き継ぎなども含めて、自分の関わっている仕事は責任をもってやり遂げました。

それでも、終始一貫して

後押しはしてもらえませんでした

ぼくは、自分が知りうる限り近い存在で育休を取得した男性教員を知りません。

おそらく、ぼくの知らないところでは、ぼくと同じように闘いになった人もいるでしょう。

知らないだけで、後押しされて気持ちよく育休に入った人もいるのかもしれません。

色んな話を聞きたいと思っています。

確実に言えることは、夫婦で育休を取得できることは、家族にとって本当に幸せなことで、一生涯の思い出になる貴重な時間を過ごせるということ。

制度があって、取れるかもしれない可能性、取りたいという思いが少しでもあるのであれば、迷わず取得すべきだということです。

ぼくはそれを、全力で後押ししたい。

そのために、少しでも発信を続けて、誰かに届いたら嬉しいなと思っています。

ぼくは育休、やってみたことの中では文句なしで大賞です。


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