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想像力には限界があるが、偶然には限界がない。「遊び」によって偶然力を味方につけよう #水平思考

最近読み始めた書籍「水平思考の世界」が面白かったのでメモ。

はじめに

「水平思考」は新しいアイデアを生み出すための創造的な思考を指すエドワード・デボノによる造語。同著はまさにそのエドワード・デボノによって1967年に書かれた書籍です。2000年以降も改訂が進んでいて、日本語版は2015年に出版されています。

実践してみたいと思った箇所

まだ読みかけですが、早速日常に取り入れてみたいと思った箇所があったので記録しておきます。

具体的には「強制的に物事の理解の仕方を複数持つ」というトレーニングです。図を交えて以下に記します。

1) 新しいアイデア出しの第一歩は状況を理解すること

まずは前提の話です。
新しいモノを発明したい時でも、サービスを考えたい時でも、最初のステップは置かれている状況を理解することです。
どのような資源が使えて、何が問題・課題・障壁で、何をゴールとしているかなどなど。

要素は様々ですが、その「理解」の過程をすっとばしてアイデア(解決策)にたどりつくことはほぼ無理です。

2) 理解するとは状況を説明しやすい単位に分けること

状況をありのままに五感で受け止めることもできますが、書き記したり、人に伝えるには「説明しやすい」カタチに分解する必要があります。

これを抽象的に表すと以下になります。

一番左の何とも言えない図形(状況)を、説明できるかたまりに分ける(式の右側)ことが理解です。

3) この時、つい(論理思考が)陥りがちなのは、馴染みのある・便利なかたまりに分解してしまうこと

状況をどう理解しようと個々人には自由があります。
比喩で理解しても、物理学的に理解しても、詩的に理解してもいいので、実質理解のパターンは無限です。

新しいアイデアを発想したいにも関わらず、つい面白くないアイデアや、聞き覚えのあるアイデアに行き着いてしまうのには理由があります。

状況を分解するときに、馴染みのある方法で分解してしまうからです。
ビジネスで言えば、脊椎反射的に「4Pで分析しましょう」「ファイブフォースで分析してみましょう」とかがこれに当たります。

「Tと逆さまのTを組み合わせたもの」という理解は、理解しやすいが手垢がついている。
という比喩

馴染みのある分解は多くの人の先入観や試行錯誤と重なってしまうため、新しい、革新的なアイデアに辿り着く確率は低いです。

4) 遊びながら、馴染みのない分解(理解)をたくさん試してみよう

著者のエドワード・デボノは、「想像力」だけに頼る必要はないと言います。むしろ、「偶然性」の方が無限だし、偶然の力を味方につけるためにも目の前の問題と「遊ぶ」べきだと言います。

水平思考において「遊ぶ」とはすなわち、有用性や効用を無視して、目の前の状況を遊ぶように分解・理解すること、と私は理解しました。

「遊ぶこと」への理解が膨らんだ気がする、そんな読書体験でした。

おわりに

そう言えば、音楽においても「モジュラーシンセをコネコネして偶発的に生まれるカッコいい音を楽しむ」遊びがありますが、あれなんかも偶然力で創造力をブーストしているいい例だなと思いました。

私も作曲活動で「遊びによって偶然力を味方に」つけたいと思います。

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