『生産的』に蝕まれることなかれ
「生産性」という言葉がある。
「なんとなく、心や体にいいこと」という意味でよく使われている。
デジタル大事泉によると、
１ 直接、生産にかかわるさま。
２ 建設的で意義のあるさま。
であるという。
１の方は、農業をしたりものづくりをしたりという意味なので、ここでは違う。
２の意味で、YoutubeやらSNSやらで取り上げられているのをよく見る。
私は大学生になってから、この「生産性」に半ば依存してきた。
朝起きたらプロテインを飲んで散歩。冷水シャワーを浴びて瞑想。
筋トレ、ブログなど、
「何かやるなら意味のあることを」と思って趣味にしてきた。
もちろん、これは良いことだ。
ブログを通じて知り合った人もいるし、筋トレのおかげで自信もついた。
だが昨日。
夏も終わり、涼しくなってきたので外出しやすい。
久々にロードバイクで散策しよう、と思った。
普通そこでやるべきは、最低限の外出の準備。
水、鍵、スマホ程度持っていればすぐにでも外出できる。
なのにまず私がやったことは、
Youtubeで
「ロードバイク 筋トレ」
「ロードバイク 有酸素運動」
「筋トレ 有酸素運動後」 と調べたのだ。
、、、違う。
楽しいなら純粋に楽しめばいい。
よっぽど健康を害すものでないなら、その効果などどうでもよく、
ただ楽しめばいいのだ。
それを私は「効果がないことなどやっても意味がない」
と勝手に頭の中で変換し、自分の楽しみを奪おうとした。
もし、「生産的」に人生を送ったとする。
平日は生産的に仕事をして、生産的に休息をとって、
休日も生産性にがんじがらめになって過ごす、、。
何が楽しいんだろうか？
「生産的」というのはあくまでも、
私たちの楽しみを最大化するために効率化して、
時間やお金、労力を生み出すものであって、
自分の楽しみさえも「生産的」にしてしまうのは、ロボットのやることだ。
何の努力も必要なく得られる快楽に依存するのは良くない。
だからといって、生産性に心をむしばまれてもいけない。
消費的な快楽は最低限に、
仕事や家事など「やらねばならないこと」は効率的に、
そして、自分の楽しみは最大限に。
これを忘れてはいけない。
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