エビデンス、に足りない頭を抱える。
こんばんは!
米袋に残った米粒を炊飯ジャーに流し込もうとしたら意外と量があったのか、思い切り台所中にぶちまけてしまい途方に暮れました。中窪です。
以前の記事で、地域世帯kitchenの立ち上げの過程を
①若者向け漬物販売
↓
②泊まれる発酵建築
↓
③町内の単身世帯向けの発酵惣菜宅食サービス <地域世帯kitchen>
とざっくりと書かせていただいたのですが、実はこの②から③にかけての間にも色々とあり…。
今回は、そこで生まれた、ある "モヤモヤ" についてお聞きいただければと思います。
菌が程よく棲み着いた建築では漬物がウマくなる?
以前の記事でも書いたように、若者向けの漬物販売から方向転換を迫られた私たちは、" 泊まれる発酵建築 "への道を探っておりました。
それは、自然環境の力で美味しい発酵食を創り出す、というもの。
事業化プログラムの中間発表的な場では、「発酵と建築を研究するためのラボとして改装する」という題で発表しました。
いずれの知識も完全にゼロ状態ながら、発酵と建築についての文献や論文を漁り、「美味しい漬物を創り出すのに最適な、建築空間をつくるためには何が必要なのか」「そもそも菌と建築、そこで発酵する漬物の美味しさとの関連は…」などと調べていたのですが…
色々出てきて面白い。だけど………ドンピシャ文献、少ない!!!
ヒントになりそうな資料はちらほらあるし読んでみると興味深いものの、人前で「こういう事実があるんです!」というには決定打に欠けるなア…と少しモヤモヤが積もり始めました。
出た〜! "エビデンス"!!
そう思った時、自分がモヤモヤしていることを表すキーワードをようやく思い出しました。
そう、それは… " 科学的エビデンス"!!!
いや、もっと頑張れよ大学生、という話なんですが休学中だから。。うん。。。(このnoteをゼミの先生が読んでいないことを祈る。。。)
科学的エビデンス、すなわち人前に堂々と出せるほどの信頼に値する科学的根拠が足りていない、かつ自分自身も殆ど理解していないというダブルパンチの状態で、その先に進もうとしている状況に胸がザワザワしてしょうがなかったんですね。
だからこそ、中間発表では「発酵と建築を研究するためのラボ」と示したのですが。
" 仮に研究するっていってデータを取っていったとして、それって一体どこまで信憑性があるものなんだろう?"
"でも手探りだとしても、自分たちで調べていくって面白そうだよなあ。"
"いや、どこかの研究機関に協力してもらうべき…?それってどんくらいお金かかるんだろう…?"
"あれ、待って、そもそもエビデンスを得た先で何がしたいんだっけ…?"
"科学的エビデンス" に欠けている、と自分の中で現状を定義づけた途端、頭の中のぐるぐるが止まらなくなりました。
本来の目的に立ち返る。
結局そのぐるぐるは、助成金の申請を取りやめて新たな方向転換が迫られたことで、思わぬ形で一旦解消となりました。
それは、ただ単に "発酵建築" について考えなくて良くなったから、ではありません。
この「泊まれる発酵建築」という壮大な女将の野望が延期になったことで、かえって本来の目的を見直す機会となったからです。
もともとのいちばん目指したい場所は、「楢葉で受け継がれてきた食文化を残していくこと」であり、「発酵と建築の関係について科学的エビデンスをもって立証すること」は一つの枝葉に過ぎない。
そして、専門の科学者ではない私たちが研究に全力を注いだとしても、少なからず限界が来る。
だから、コロナの話とは少し異なって、科学的エビデンスから全てをスタートする必要はなく、むしろ「誰が」「誰のために・何のために」「どのように」「何をするのか」を丁寧に考えることからスタートする…そしてもしもその先に、必要となる場面が来たならば、科学的エビデンスと向き合う。
…と、そんな付き合い方で良いの、かな、と、いった具合に自分の中で一旦落ち着いたのですが、まだまだこの先の話もあるので、それはまた次回に回したいと思います。
本日もここまで読んでくださりありがとうございました。
【本日のいちまい】
先日、年末年始に泊まった秋田の宿の方が「キャンペーンに当たったから」と横手の黒毛和牛を送ってくださったので、すき焼きにしました。
え?そりゃ…とんでもなく、美味しかったです。
浜通りの魚をいただきます