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芥川龍之介を読んで

現在は仕事をしていませんので、心には余裕が出来ます。その中で先ずは今自分が一番出来ることで、やりたい事をやっているつもりです。ひとつとして忙しく認知症介護をしていた時と違うのは、本をじっくりと時間をかけて読み進める事が出来ることです。


心に余裕がないと読めない本もあると思います。それらを少しずつ読んでいるので、今日はじっくりと読書した感想を書きたいと思います。



芥川龍之介・・・「羅生門」「鼻」「蜜柑」「地獄変」「藪の中」他


ビジネス書は端折ったり濃淡をつけて読んだりと、テクニックが大事なのかもしれませんが小説に関しては遅読で真正面から読む。これを意識しております。


芥川の作品は100年経っているのですが、どの作品も作中の主人公などで自分が同じ所にいたとして人物と同じ葛藤を生むなぁと強く共感が出来ると感じたものが多かったです。それがさすが名作だなぁと思います。


「地獄変」 読み終わった時は驚きでした。今まで小説を読んだ中で、1、2を争うほどの酷い感じでした。というのは芥川の狂気とも彷彿させるような恐ろしさを非常に感じたのでした。もちろん名作なのですが現代では出せない中身がこうやって生き続けられているのも、私の中で感じる興味深い印象でした。


「藪の中」 よく作り込まれているミステリーの原型のようなイメージを持ちます。今でいう「真相は藪の中」の元みたいです。今読んだ方が返って新しいと思える展開があり、読んでみてとても勉強になりました。芥川大正の文学の方が掴もうとすればするほど、ルール度外視の何でもござれ的な印象はあります。想像が想像を生んで止まらなく、非常に面白い作品でもありました。



芥川の小説に関しては、同じ時代で生きた川端康成、夏目漱石、森鴎外などの文豪もいらっしゃって評価された作品も違うそうです。例えば今回読んだなかに「歯車」は入っていませんでしたが、川端康成がその作品を評価していたそうです。気になりますので、それらを含め他の作品もこの機会に読んでみたいと思います。そうして、数々の作品に浸りながら心に栄養をためていけたらと感じます。



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