峯野誠司

歯学博士/歯科医師/医療法人社団誠慎会理事長/峯歯科広尾商店街/峯歯科/株式会社kas…

峯野誠司

歯学博士/歯科医師/医療法人社団誠慎会理事長/峯歯科広尾商店街/峯歯科/株式会社kashippa COO/東京医科歯科大学卒業/東京医科歯科大学大学院卒業/解剖学/骨再生・インプラント/ハイドロキシアパタイト/IRONMAN/トライアスリート

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Profile

峯野誠司/歯科医師・歯学博士 1979年生/神奈川県横浜市出身2003年東京医科歯科大学卒業、歯科医師免許取得 卒業後は、同大学・顎顔面解剖学分野大学院に進学し、2007年歯学博士号取得。 大学院では、小木曽誠先生に師事の元、ハイドロキシアパタイトを使用したアゴの骨の再生を研究、及びインプラントの製品研究をする傍ら、人体解剖学、組織学を学ぶ。 大学院時代より通算17年間、小木曽誠先生(東京医科歯科大学非常勤講師・デンタル茗荷谷)の元で研鑽を積みながら、骨再生の特許取得。

    • 抜歯の宣告

      患者さんが歯医者から抜歯の宣告をされる場合にはいろいろなパターンがある。 ①歯周病で歯がグラグラになってしまった場合 ②虫歯で歯がかなり崩壊してしまった場合 ③歯の根の先に膿がたまってしまい、根管治療でも治りきらない場合 ④歯の根が割れてしまった場合 ⑤歯科医師が歯を残す治療が面倒くさい場合 我々が大学で習得する教科書的な基準で判断すると、①~④は残念ながら抜歯が第一選択となる。 ⑤に関しては、例えば根管治療には専門医がいるほど、歯科医師のスキルが求められるので、難しい

      • 自分の歯を残す大事さ

         自分は幼少のころから、恥ずかしながら歯医者によく虫歯で通っていた。矯正もさせてもらったりで、歯医者にはなんとなく馴染み深いものを感じていた。  大学は医学部を目指していたが、実力不足で結局歯学部に入学することになった。  歯科医師という職業に医学部志望だった僕は当初は劣等感を感じていたが、今はとても楽しい職業だと思い仕事をさせてもらっている。  その歯科医師として働く上で、自分が一番大事にしていることは、なるべく自分の歯を抜かずに大事に残すということである。  解剖学

        • 解剖学教室での出来事③

           解剖学教室の大学院では、人体解剖はもちろんのこと、骨を再生する研究を4年間並行して行っていた。  具体的には、痩せたアゴの骨をいかに増やしてインプラントができない人を可能にするかという研究であった。そして、その実験の為には犬を用いた動物実験を行っていた。 解剖学の大学院生の1日大学院時代の4年間の1日は以下のようなものであった。 9時に大学に行き、午前は実験で得た標本作製、暗室にこもり写真撮影。 昼休みは、実験で使っている犬を大学の屋上に連れ出し散歩。 午後は学生

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          解剖学教室での出来事②

           大学を6年で卒業し歯科医師免許を取得したあと、前述の通り大学院へ進学した。大学院では解剖学教室に行ったので、解剖のみならず、組織学ということも4年間かけ研究をした。 ひたすら標本を切り暗室に籠る毎日 組織学はまさに細胞をひたすら見るというもので、実験で得た標本を1ヶ月~1ヶ月半かけて樹脂に包埋し作り、重合させ、ダイアモンドナイフで100ミクロンくらいに切り出し、顕微鏡(ときには電子顕微鏡)で観察、アナログのカメラで撮影し、更には暗室にこもりそれを現像するという、当時は全て

          解剖学教室での出来事②

          歯科医療とプロセスエコノミー

           このコロナ渦において、プロセスエコノミーという言葉が注目を集めている。  従来は完成されアウトプットされた物に対して価値が付けられてきたが、このプロセスエコノミーは物事が完成するまでの過程に対して付加価値をつけるというものである。 歯科医療とプロセスエコノミー このプロセスエコノミー、実は歯科医師とかなり関わっている。  歯という硬組織は骨などと違い、一度壊れたら再生ができない。通常の身体であれば、自己治癒能力で治癒するが歯は違う。虫歯などで歯が崩壊したときは、人工物

          歯科医療とプロセスエコノミー

          医療者からみた生活保護システム

           メンタリストのDaiGoさんが生活保護の方への発言で炎上している問題で自分なりの考えを述べてみたい。  自分は生活保護の方を治療させていただく機会もあり、これまで色々な方を治療させてもらってきた。  率直な感想を述べると、DaiGoさんの命に価値の優劣をつける発言は決して良くなく、言葉に出してしまうのは良くなかったが、その発言に繋がる心情はよく分かる。  前の記事にも書いたが、生活保護を受給している方には様々な方がいらっしゃり、生活保護を受給するに値しない方もたくさんい

          医療者からみた生活保護システム

          歯科 × ブロックチェーン

           近年の仮想通貨取引にも使われるブロックチェーン技術の進歩により、それが医療にも応用され始めている。  電子国家として知られるエストニアでは電子カルテの利用や保険請求をオンライン化し、個人の医療情報を国内のあらゆるところから確認できる。  そもそもブロックチェーンは複数のネットワークでデータを結び付けて保存することができ、複数の人が閲覧することが可能なため、改ざんも難しいとされている。それゆえ、個人の医療情報をブロックチェーン上で管理することは、医療者にとっても、患者さん

          歯科 × ブロックチェーン

          日本の歯科医師として

           日本人の歯科医師と、海外の歯科医師との違いを問わることが多い。  近年、国による歯科医師になる上での教育の差はほとんどなく、どの国の大学においても、同じレベルで歯科教育が受けれるのが現実である。  患者さんから聞いた話であるが、中国の山奥を旅行した際、中国の山奥の歯医者でも3D口腔内スキャナーを使っていたらしい。むしろ日本の歯科医の設備を超えているのが実情である。 海外の歯科医と日本の歯科医の違い 例えばアメリカ、ヨーロッパでなどでは、その歯が数年持たないと判断されれ

          日本の歯科医師として

          解剖学教室での出来事

           自分は大学卒業後、解剖学の教室に大学院生として進路を決めた。 解剖学実習とはいわゆる、医療の発展の為にご献体下さった方々を、人体解剖をさせてもらう実習である。  大学生3年生の時は実習させてもらう側として授業で参加し、大学院生になってからは、学生の実習の準備、学生の指導をする側として参加させてもらった。 解剖実習の準備 今でこそ、解剖実習の献体の保存は専用の冷蔵庫に一体一体置かれているが、僕が大学院に入学した当初は、地下にある10m四方くらいのホルマリンプールの中に足

          解剖学教室での出来事

          歯科医のためのシェアリングエコノミー

           日本では3年ぶりの皆既月食ということで、見に行ったが見えず、、、  小さい頃から宇宙への憧れはあり、河合塾の物理の苑田先生先生の影響で物理が大好きだったので、宇宙への憧れは昔からとてもあった。アポロの時代に月に有人飛行したと思うと本当に改めてすごいと思う。スペースシャトルが退役し、あらたにスペースXの登場。近年宇宙事業が活発化され、2年前には中国がついに月の裏側に探査機を到達させた。宇宙戦争時代に突入ともいえる近年、切磋琢磨して宇宙が開拓されることは楽しみでしかない。

          歯科医のためのシェアリングエコノミー

          【日本の生活保護システム】

           生活保護 山谷の歯科医院での患者さんはほとんどが生活保護を受けている方であった。自分は歯科医師として働くまで、日本の生活保護のシステムを全く知らなかった。  生活保護を受けている方には、医療券というものが渡され医療はすべて無料で受けれる。さらに、住宅扶助、生活扶助なども出る。  自分は様々な生活保護を受けている患者さんとこれまで接してきた。   タブーかもしれないが、正直なことを言うと、本当に生活保護を必要として生活保護を受けている人は実際少ない。自分も含め、医療者も

          【日本の生活保護システム】

          リピーター

            リピーターを作るということ  歯科医師として患者さんと接するうえで、一番大事にしていることは固定患者=リピーター=ファンを作るということだ。どの業種でも共通することだと思う。  その一番の理由は、自分がした治療の経過をしっかり見て、学びたいいうことであるが、医療はサービス業でもあり固定の患者さんが来てくれるということはとてもうれしいことでもあり、とても有難いことでもある。 山谷でのリピーター作り 山谷で働いていた当初、とにかく一刻も早く仕事を辞めたかった。病院に来る

          リピーター

          医療の本質

           現在の歯科医療はデジタル化へと舵を切り、みんなこぞってその波に乗ろうとしている。歯科だけでなく、医科もそうだと思う。  デジタル化はとても便利なもので、今後必要不可欠なものであるのは間違いない。僕自身もそう思っている。  昭和の人間と思われたらそれまでであるが、真の意味で本質を持った人の技術は、デジタルを超越しているのは間違いない。  僕は運よく、いわゆる昭和の職人と言われた歯科医師の師匠と関われた。そのような職人はAIを超える絶妙な勘所を知っている。しかし今後、人間

          医療の本質

          【壮絶な人生】

           昨年に引き続き緊急事態宣言の出ているゴールデンウィーク。ほぼ家に籠っているのであるが、昨日は朝3時半にスタートし仲間と2人で山手線を1周した。と、言っても走ってである。夜明けに街が動き出す姿を見るのはやはり良い。  心はリセットされたが、今日は脚が棒になっている。   さて、前回の続きを始めようと思う。 故石原伸司氏との出合い  山谷での歯科医師としてのアルバイト生活が、ちょうど5年目を迎えた頃、ある壮絶な人生を送った方と出合う。    元ヤクザ、元作家の故石原伸司氏であ

          【壮絶な人生】

          【山谷の人生模様を見て】

           山谷の歯科医院で働いて 山谷での歯科医師としての仕事は、かなりのカルチャーショックをうけたが、次第に新たな世界を知れて楽しいものへと変わっていった。  僕の働いていた歯科医院には、長年地元に住んでらっしゃる一般の方々のほか、8割以上は簡易宿泊所の生活保護を受けている方々であった。  朝からお酒を飲んで酔っ払っている状態でくる方、一日ギャンブルに明け暮れる方、全身入れ墨が入った方、吉原で働く方、一日近所の池で釣りしかしない方、など色々な事情を持った方々がたくさんいた。

          【山谷の人生模様を見て】