見出し画像

日本の歯科医師として

 日本人の歯科医師と、海外の歯科医師との違いを問わることが多い。

 近年、国による歯科医師になる上での教育の差はほとんどなく、どの国の大学においても、同じレベルで歯科教育が受けれるのが現実である。

 患者さんから聞いた話であるが、中国の山奥を旅行した際、中国の山奥の歯医者でも3D口腔内スキャナーを使っていたらしい。むしろ日本の歯科医の設備を超えているのが実情である。

海外の歯科医と日本の歯科医の違い

 例えばアメリカ、ヨーロッパでなどでは、その歯が数年持たないと判断されれば、『hopeless』と診断され抜歯の適応となることが多い。そういった歯は直ぐに抜歯になることが多い。合理的な考えに基づいて診断される。
 もちろんドクターにより個人差はあるので断っておきたい。
 
 一方、日本には良くも悪くも、昔から一つのことを大事にする文化が伝統的にある。日本の歯科医も同じで、技術がある歯科医師であればなんとか歯を残そうとする。

 そんな職人技を持った師匠に自分は運良く出会えたのであるが、そのような先生の技術は時として学問を超越する。これを目の当たりにして見ると何も言えなくなる。

 僕自身、解剖学を大学院で学び、人体の構造の精密さを学んできた。それゆえ日本人歯科医師として、自分の歯を極力長く持たせることが一番であると思っている。
 何より歯は人体のなかで唯一再生できない組織なのである。

 
 

 

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?