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心象風景をSiaの音楽でMV化した新体感映画『ライフ・ウィズ・ミュージック』

Siaというアーティストを知っていますか?
実は、「知らない」と思い込んでいたのですが、彼女の曲を聞いたことがありました。2014年に発表された「Chandelier」という曲です。こちら↓

恥ずかしながら、この「Chandelier」という曲と、Siaが今回はじめて結びつきました。大ヒット曲ですよね!
このミュージックビデオで、見事なダンスを披露しているのが、当時11歳のマディ・ジーグラーです。
Siaの楽曲に合わせた独特の振り付けを、見事に踊りこなしています。

そのマディ・ジーグラーがミュージックという名前の自閉症の少女を演じる『ライフ・ウィズ・ミュージック』という映画が公開されます。


アーティストのSiaが、原案・脚本・製作・監督を務めた映画で、アルコールや薬物の依存経験があるSiaの半生を反映させたストーリーです。
この映画、試写会で鑑賞させていただきました。

主人公は、ケイト・ハドソン(坊主頭が最高にキュート)が演じるズー。
アルコール依存で自由奔放に生きる女性で、家族とも疎遠になり孤独感を抱えながら過ごしています。
ある日、祖母が急死してしまい、実家に戻り、離れて暮らしていた自閉症の妹ミュージックと一緒に暮らすことになります。

自閉症のミュージックは、変則的なことが起こるとパニックになってしまうので、毎日同じ行動をすることが大切。
ところが、ズーは、ミュージックの毎日のルーティンを知らないし、どうやって接していいのか分からず戸惑います。

そんなときに、隣に住むエボ(レスリー・オドム・Jr.)や、近所の人達が二人を助けてくれるんです。

人の純粋な優しさに触れたときに、なぜこんなに胸がジーンとしてしまうのか、自分でも理由が分からないのですが、とにかく感無量になって涙が流れてしかたありませんでした。

映画の中では、依存症に苦しむズーだけではなく、自閉症、里親制度、病気、貧困などに直面する人たちの苦しみも描かれますが、その描き方に音楽とダンスを使用しています。

ミュージックビデオ(MV)の手法で、登場人物の心象風景を映像化し、映画の中に組み込むというのがとても新鮮でした。

実生活の重く苦しい悩みを、カラフルな映像で描き、ファンタジーな映像に変換し、「ポップ」にすることで逆に心が持っていかれる感覚を味わいました。
登場人物の気持ちを、歌唱で表現するミュージカルとも違うし、ちょっと今まで体験したことがない感覚です。

とにかく、このミュージックビデオのようなシーンだけでも見る価値がありすぎて、Siaのファンはもちろん必見ですが、わたしのようにアーティストに疎い人たちにもぜひ体験してもらいたい、新感覚の映画になっています。

映画に登場する楽曲12曲は、Siaが作っているのですが、冒頭に登場する「Oh Body」という曲から、一気に映画の世界に引き込まれます。
ケイト・ハドソン、マディ・ジーグラー、レスリー・オドム・Jr.の3人も素晴らしいパフォーマンスで、それぞれ歌唱曲もあります。個人的には、Siaが歌う「Togther」が最高すぎて、今でも頭の中でリピートしています。
映画が公開されたら、もう一度映画館で鑑賞したい大好きな映画でした。

ライフ・ウィズ・ミュージック

公開:2022年2月25日(金)
TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
配給:フラッグ


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