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どうすれば子どもは読書好きになる?

これを読んでくださっている方のなかには
ご自身のお子さんに読書好きになってほしいと
思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんね

実は、私は子どもの頃に
自分からどんどん本を読んだっていう記憶はないんです

本が大好きだったのは母です
母は子どもの頃、布団のなかにライトをもちこんで
隠れて読んでいたというくらいの読書好き

しかしそんな母に「本を読みなさい」ということを
言われたことはなかったんですね

でも後に私は本を読み始めるようになるのですが
そのきっかけは中学生になったころ
ある日突然学校から帰ってきたら
壁いっぱいに本がずらっと並んでたんです!

びっくりしてしばらく言葉にならなくて
そこにあったのは
井上靖、井伏鱒二、与謝野晶子、坪井栄などなど
それに加えて海外の翻訳もの
「風と共に去りぬ」やシェイクスピアの戯曲なんかも

母は、自分が読みたいとか楽しいとか
本人が心から思わないと
強制されたものは絶対ものにならないと
思っていたのでしょうか

そこから自ずと本を読み始めた私
まんまと母の手にはまったんですね(笑)
それから毎日毎日どれから読もうかと
私の読書の習慣が始まっていったんです

だからもしかしたら
本を読みなさい読みなさいと母からしつこく言われていたら
私は読書から遠ざかっていたかもしれません

やれと言われるとやりたくなくなるのは
子どもの常ですものね

ご自身が子どもの頃に本が嫌いだったとか
子どもが本を読まなくて困るという親御さんは
もしかしたら読書については
日常会話の延長線上で伝えてしまっているのかもしれません

つまり
「勉強しなさい片付けなさい読書しなさい」
というように
「はいはい」と子どもがスルーしてしまって
楽しそうと感じない状態になってしまっているのかも

だからこそちょっと本って特別な世界だと
子どもが認識できたほうがおもしろいかもしれません

例えば学校では国語の授業で本を読んだり
音読したりしますね
そうすることで本というのは
学校や勉強の時間にするものということで
「勉強」に紐付いてしまっているんですね

それでも問題なく本を読む子は別として
なにか本に抵抗があるのだとしたら
「本の世界はそれとは全然別のもの」という扱いにしてみると
いいと思うんですよ

例えば本は冒険するものだとか
夢の世界にいざなってくれるものだとか
そんな認識になればいいなって

絵が綺麗だからと手にとった本がちょっと難しかったとしても
それを「やめなさい」というのは
お父さんお母さんはちょっと我慢していただいて

それがきっかけで「本」というものが
子どもにとって日常や勉強とは
全然違う世界になればいいなって思うんです

でももしかすると親御さんのなかには
「本はきちんと正しく読まなきゃいけない」と
思っておられる方もいらっしゃるかもしれません

でも解釈ってちょっと違っててもいいんですよ

例えばみなさん、童謡って勝手に自然に覚えてきたでしょう?

「どんぐりころころ どんぐりこ」
これって正しいのは「どんぶりこ」だって知ってました?

また、みなさんのよく知る唱歌「雪」


「雪やこんこん あられやこんこん」と思うでしょうか?
これも正しいのは「こんこ」なんです

でも間違えていても時間とともにだんだんわかってくる
本も同じなんです

2度3度読む本もありますよね
読むたびに解釈が変わっても
それでいいんです

そしてそこでぜひお父さんお母さんは
興味を持って少しでも時間をとって
「へぇ〜、どんなお話なの?」って
聞いてあげてください

「それは違うでしょ」というのは無しでね

そんなコミュニケーションが
子どもたちが自然と本に親しむきっかけになるんです

母が思っていたように
子どもが自分の意思で「読みたい」と思う
環境がつくれたら素敵ですね

2022.7.25 
下向峰子





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