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不安や恐怖は、ヒーローの必需品。ネガティブな感情との上手な付き合い方

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不安や心配、恐怖といったネガティブな感情って、嫌われがちですよね。


負のオーラをまとった人と話をするのも、自分が負に溺れるのも疲れてしまいます。


だからといって、「ネガティブは良くない、やめましょーう!」と片付けてしまうのも、さささーっと読み終わってしまう自己啓発本やキラキラを無理して演出している人みたいでつまらないと思ってしまう。


何の努力もなく、八つ当たりのように周りに害を及ぼすような人は、構ってちゃん。確かに嫌われます。


それとは逆に、負の感情を持っているのにカッコいいパターンもあるんです。


例えば、映画に登場するヒーロー。


最近のヒーロー映画は強くて前向きで、絶対的な正義という立ち位置ではなくなりました。これに関して言えば、ヒーローもなかなか生きづらい世の中になったものです。(そういうヒーローを作り上げたのは私たちですが。)


アベンジャーズ/エンドゲームがまさにそうです。


アベンジャーズシリーズ最終章の今作は、宿敵サノスに敗北して地球の人口が半分減ったあとの世界が描かれています。


前作のラストでは「えええ?!負けたの?!え!ヒーローって負けるの?!」


観客の誰もが衝撃を受けました。


映画を見た私たちが困惑するほどですから、当のヒーローたちは、そりゃあもう絶望感満載です。


トラウマにはなるし、どこまでも引く落ちる自尊心、後悔と恐怖とどこからともなく湧き上がる焦燥感に押しつぶされそうになりながら、なんとか生きている状態。


自分にも敵にも、大事な仲間にさえ怒りがこみ上げている姿は、こちらまで苦しくなる。


でもね、彼らのことをずーっと見てきた観客には、むしろその姿がまたカッコよく見えるんです。


スクリーン上で全体を見ていると、「負のオーラありすぎて、このキャラ嫌いになったわー。」とは、ならないものです。


諦めずに戦い続けるために、苦しみを背負っているのだとわかるからです。「敗北はすっぱり忘れて、ポジティブに生きていこう」なんて、あっけらかんと生きていたら、そんなヒーローは誰も好きになりませんよね。


何も感じなくなったらロボットかサイコパスです。バカみたいに一生懸命で、深くまで落ちて、足取りが重くなってしまうほどに不安も抱えてしまうのが人間らしい感性です。


それでも僅かな光にかけてしまう、そういう純粋さを隠し持った感度高めな人は素敵じゃないですか。


今時ヒーローは、葛藤をリアルに見せてくれるから、観客は応援したいし、できることなら救ってあげたいと感化されてしまう。


いつの間にか、“一緒に”世界を救おうと、仲間に引き入れるような魅力に変わってしまうんです。


ネガティブな感情の裏には、防衛本能的に守ろうとしている何かがあるものです。


例えば、誰かに傷つくようなことを言われて怒りがこみ上げてきたとします。なぜ、怒るのか?というところを探っていくと、自分の大事なものが見えてきます。


他人を怒らせたり悲しませてしまった時には、相手が大事にしているものが見えてきます。


そこで、「あーもういいや。」と離れてしまう関係性もありますが、しぶとく続く人間関係もあります。


何回か小分けに見つけてきた相手の大事なものに、心惹かれた経験があるからでしょう。


今回も、相手の宝物を見つけられるはずだから大丈夫、無意識にそう思える人間関係が続いていくのかもしれません。照れくさい言葉に言い換えると、信頼しているとか愛しているとかです。


そういうの、全部ひっくるめて、ファンなんじゃないかな。


だから、誰かの言葉に不安や恐怖を見つけたら、「おっ、ヒーロー登場だな。」と考えてみると、なんだかとても頼もしく感じます。


自分の中に見つけたら、「アベンジャーズ・アッセンブル(出撃・攻撃の掛け声)」とでも冗談交じりに心の中でつぶやいてみてください。


不安や心配、恐怖や怒り、それも全部これから行くところへ持って行けばいいのです。


心の中も軽量化したら身軽に戦えますが、荷物が多くとも進めます。軽快なステップじゃなきゃ、どこへも行けないなんてことはないんですから。


だから、ヒーローたちの体はたくましく、一歩ずつをしっかりと踏みしめるのです。


不安や恐怖は、今時ヒーローの必需品。


私の足取りを重くしていた感情さえも愛おしい持ち物に思えてきました。


アベンジャーズ/エンドゲーム の予告はこちらから


アクション映画といえば、ジャンクフード。フライドポテトをアベンジャーズ風に盛り付けてみました。


大好きな雑誌『iD JAPAN No.7 ヒーローの現在地』×映画『アベンジャーズ』×食のコラージュ。

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制作風景の動画やエッセイはこちらからどうぞ。



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2020.02.19

Mineko Koyama


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