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神社のあれこれ

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伝統を守る難しさ

伝統を守る難しさ

神職は神社の家に生まれた者でないと就けないと一般には思われていますが、そんなことはありません。
 現に私は神社の生まれでもありませんし、神職と結婚している訳でもありません。神社界では、家業として神職を務める方が大半ですが、今後は私のように、神社の生まれではないのに神職に就くケースが増えるのではないかと思います。

現在のところ日本には約八万八千社の神社がありますが、神職の資格を持つ者は約二万一千人

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浜と砂

浜と砂

神社の境内に白い玉砂利が敷かれていることがままにあります。
これはおそらく、砂浜の再現ではないかなと思います。
神社には自分の祖先神を祀る氏神神社と、その土地の守り神である産土(うぶすな)神社があります。今は、土地の守り神も氏神神社といいますが、本来は別の神様です。

一説には「うぶすな」というのは、出産の際に敷いた砂のことをさします。戦前くらいまでは、出産は産小屋で行う習慣が残っていました。地域

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装束のはなし

装束のはなし

男性神職と女性神職は同じ神職ですので、神事における役割や身分に差はありません。しかし、明確に違うのは身に着ける装束です。男女ともに平安時代の有職(ゆうそく)故実(こじつ)に基づいた装束を着ます。

 男性神職は、正装は衣冠(いかん)、普段の神事では狩(かり)衣(ぎぬ)を着ます。アニメのおじゃる丸が着ている着物と言うとイメージしやすいかも知れません。

 女性神職は、正装は唐(から)衣(ぎぬ)、普段

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神職と巫女の違い

神職と巫女の違い

神職と巫女にはいくつかの違いがあります。
まず神職として奉仕するのに相応の資格が必要です。資格が取得できる大学や養成所、講習会で資格を認定されないとお務めが出来ません。年齢の制限はありませんので、定年後に資格を取得して務められる方も少なくありません。 (神社によっては定められているところもあります)

これに対して、巫女には特別な資格は必要ありません。しかしながら女性なら誰でも務められる訳ではあり

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神無月

神無月

さて今日は10月中に投稿したかった話です。
10月は神無月ともいいます。
一般的には神様が出雲にいってしまうので、神様が居なくなる月と言われていますが、これは出雲大社の御師が広めた話と言われいます。

神無月の意味として一番有力なのは、6月が水無月と言うように、無=な=の で、神の月 という説です。
なぜ神の月かと言うと、色々な説が昔からあるのですが、霜月に斎行される新嘗祭のための斎戒期間だったの

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おみくじ秘話

おみくじ秘話

皆さん、神社でひかれるおみくじは何処で作ってるかご存じですか❓

実は日本のおみくじの6~7割は山口県周南市鹿野にある「女子道社」で作ってるんです‼️どうして鹿野でおみくじを作るようになったのか・・・それは二所山田神社の3代前の宮司、宮本重胤さんから始まります。

明治時代、女性が神職として奉仕することは法律で禁じられていました。重胤さんは3歳で父を亡くし、15歳で宮司に就任するまで、母親の手で育

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